チーム再集結!奇跡の共闘

物語は、たった一人で悪の組織を潰し続けるドンジュの姿から始まります。その過激なやり方は、ハンナとの関係にも深い溝を作っていました。一方で、すっかり落ち込んでしまったマンシク。そんな彼の元に、指名手配中のクァンセがこっそり接触してきます。クァンセがドンジュに情報を流していること、マンシクはとっくにお見通しでした。

その頃、ジョンヒョンは署で身元不明の遺体のファイルを目にし、独自の捜査を進めるハンナたちと奇跡的に合流します。ハンナが突き止めた怪しい場所「ヘドン石油」に、なんとマンシクとジョンヒョンもいたのです!ギャングたちに囲まれる絶体絶命のピンチに、屋上で全員集合!マンシク、ジョンヒョン、ハンナ、そしてドンジュが背中を合わせ、見事な連携で敵をなぎ倒していきます。樽を転がして加勢するクァンセの姿も、なんだか微笑ましかったですね!

ついに明かされる黒幕の正体と過去

戦いの後、ドンジュは仲間たちにこれまでの経緯を話します。多くの悪党から腕時計を奪ったものの、金の出所という核心にはたどり着けない…。しかし、ジョンヒョンが持ってきた情報が突破口を開きます。例の身元不明遺体の一つが、前歯のない特徴から「シルバーバニー」である可能性が浮上。彼の死が確定すれば、刑務所にいる「ゴールデンバニー」が口を開くかもしれない、と。

ジョンヒョンの読みは的中!DNA鑑定でシルバーバニーの死が確認されると、ゴールデンバニーはついにすべてを語り始めました。黒幕であるミン・ジュヨンは、想像を絶する富を持ち、その資産を「重さ(トン単位)」で数えているというのです。インソン市全体が、彼の金によって支配された巨大な犯罪の遊び場だという事実に、チームは愕然とします。

さらに、ジュヨンの意外な過去も明らかに。元々は真面目に公務員試験を目指す青年でしたが、密輸業者に暴行されたことをきっかけに、その才能を見出され、自ら犯罪の世界に足を踏み入れたのでした。「努力しても報われない」という彼の歪んだ思想は、この過去の経験から生まれていたのですね。

反撃開始!ジュヨンの資金を狙え

ゴールデンバニーの証言から、「オ・ダラー事件」の目撃者であり、ジュヨンの下で働くロシア人のセルゲイ・ブロンスキーの存在が浮かび上がります。チームは彼を捕らえ、アジトで尋問。セルゲイはついに、ジュヨンの現金が隠されたコンテナの存在を白状します。しかし、その候補地はなんと53箇所!

ここから、チームの壮大な奪還作戦が始まります。ジュヨンに気づかれないよう、普段通りを装いながら、夜な夜な候補地を一つずつ潰していく地道な作業。その間、ドンジュはジュヨンを挑発するように、次々と自撮り写真を送りつけます。

そして、運命の時。ドンジュが送った港のコンテナの写真と、シルバーバニーの検死報告から異変を察知したジュヨンは、血相を変えて港へ向かいます。しかし、コンテナの中はもはや空っぽ…。自分の金がすべて消えたことを知り、天に向かって絶叫するジュヨン。その姿を、遠くから静かに見つめるドンジュと仲間たち。ついに、反撃の狼煙が上がった瞬間でした!

『グッドボーイ』第11話の感想

今回は、これまで孤独に突き進んできたドンジュと、彼を心配しながらもそれぞれの場所で戦っていた仲間たちが、再び一つのチームとして結束する過程が丁寧に描かれていて、非常に見応えがありました。特に屋上での共闘シーンは、セリフはなくとも互いを信頼し合う心が通じ合っているのが伝わってきて、本作屈指の名場面だと感じます。また、絶対的な悪役に見えたミン・ジュヨンの過去が明かされたことで、彼のキャラクターに一層の深みが加わりました。単なる悪ではなく、社会に絶望し道を誤った一人の人間としての側面が見えたことで、物語の構造がより重層的になったように思います。ラスト、ジュヨンの絶望とチームの静かな勝利が対比されるシーンは、大きなカタルシスがありました。

つづく