物語は、ジュヨンを追い詰めたレオが、返り討ちにあい銃弾を浴びるという衝撃的なシーンから幕を開けます。駆けつけたヨンハに看取られながら、彼は「ユン・ミヒャン…ダサい名前だな。でも覚えておくよ、愛してる」と言い残し、息を引き取りました。なんとも切ない最期でしたね…。
実はレオもまた、ジュヨンに巧みに操られていた一人だったのです。ジュヨンは「ハンナの父親が“オー・ダラー”の悪事を隠蔽している」と嘘を吹き込み、レオに父親を殺させようとしました。しかし、かつて自分に情けをかけてくれた人物だと気づいたレオは引き金を引けず、痺れを切らしたジュヨンが自ら手を下したのでした。その一部始終が、ハンナが手に入れたデジタルカメラに収められていたのですから、これは強力な証拠になります。
場面は変わり、建設現場。エレベーター内でペク氏と死闘を繰り広げるジョンヒョンは、ドンジュのタフさを認めざるを得ない状況に。彼は自身の弱さの象徴であったメガネを砕き捨て、覚醒。気迫のこもった戦いを見せます。一方、ドンジュもマンシク、ジェホンと共に、押し寄せるチンピラの波を次々となぎ倒し、見事に切り抜けました。
その頃、ハンナはマシンガンを手にペントハウスへ突入!激しい銃撃戦の最中、なんとヨンハが手榴弾を持って現れます。彼女は部屋に手榴弾を投げ込み、大混乱に乗じてハンナと共にエレベーターで脱出。直後、ペントハウスは爆炎に包まれました。
爆風を避けた先で、ついにドンジュとハンナは再会を果たします。しかし、二人が見つめ合うその一瞬の隙を突き、ジュヨンは逃走。ヨンハは爆発の衝撃で意識を失ってしまいますが、かろうじて脈はありました。
事件後、現場には機動隊と消防隊が駆けつけますが、ジュヨンの姿はどこにもありません。ハンナは、過去の狙撃事件の際にジュヨンが電話を受けていたことを思い出し、チーム内に内通者がいると確信します。
一方、指名手配中のドンジュはゴミ収集箱に隠れるという珍プレーを見せますが、そこに署長が登場。ドンジュに殴られたばかりの署長はカンカンですが、マンシクがなんとかその場を収めます。
マンシク家では、妻の妊娠が発覚するという別のドラマが勃発!しかし、マンシクはパイプカット済み。一体誰の子なのか…家庭内にも嵐の予感です。
そんな中、ドンジュとハンナは束の間の二人きりの時間を過ごし、情熱的なキスを交わします。しかし、そこへジン・ギョンスクが現れ、ロマンチックな時間は中断。ドンジュはジョンヒョンの家へ向かいますが、そこで激しく嘔吐してしまいます。彼の体は確実に限界に近づいていました。
翌日、チームは内通者探しを本格化させます。ジュヨンが監視カメラに一切映らずに姿を消せたのは、内部の手引きがあったからに違いありません。そんな中、ついに内通者の正体が判明します。それは、ヨンハに銃を奪われ懲戒免職中の新人、イ・ジョンフンでした。
追い詰められたジュヨンは、口封じのためにジョンフンの元へ。しかし、彼の協力者は一人ではなかったのです。なんとジュヨンは、堂々と警察署長のオフィスに現れました。
ドンジュたちが警察署に駆けつけると、ジュヨンはパンヨルを人質に取って逃走を図ります。しかし、ハンナがためらわず署長の太ももを撃ったことで、ジュヨンは人質を置いて一人で逃走。駐車場でドンジュがジュヨンを追い詰めますが、そこへオ・ジョングが現れ、ドンジュを殴りつけます。
二人に挟まれ、絶体絶命のドンジュ。しかし、彼を襲ったのは敵だけではありませんでした。彼の視界がぐにゃりと歪み、幻覚が見え始めるという最悪の事態に…。一体ドンジュの身に何が起こっているのでしょうか。
『グッドボーイ』第14話の感想
今回は、アクションとサスペンス、そして各キャラクターのドラマが濃密に絡み合ったエピソードでした。特に印象的だったのは、ドンジュの肉体的な限界と、ジョンヒョンの精神的な成長が対照的に描かれていた点です。これまでどこか一歩引いていたジョンヒョンが、自らの弱さを乗り越え、覚醒する姿には胸が熱くなりました。一方で、無敵に見えたドンジュが吐血し、ついには視覚異常まで起こすという展開は、彼の抱える痛みの深さを物語っており、非常に心を揺さぶられます。内通者の正体が明かされたものの、署長室に現れるジュヨンの姿は、警察組織の根深い腐敗を暗示しており、問題がさらに複雑であることを示唆しています。単純な勧善懲悪に終わらない、物語の重層的な作りに感心させられました。
つづく