今回はアクションシーンもさることながら、各キャラクターの過去と心の深い部分が描かれて、思わず画面に釘付けになってしまいました。特にウィギョムの家族の話は、胸が締め付けられるようでしたね…。
それでは早速、怒涛の展開となった第7話の世界に飛び込んでいきましょう!
過去の因縁:ユンギとジソンを襲った悲劇
物語は、ユンギとジソンがかつて通っていた高校の回想シーンから始まります。そう、そこはあのキ・スたちが牛耳っていた場所。後輩を助けたことで目をつけられた二人は、他の生徒から金を巻き上げて上納するように命じられます。
しかし、正義感の強いジソンはこれを拒否。ユンギがお金の一部を渡してその場を去った後、ジソンは一人でいじめの標的となり、最終的に屋上から転落してしまったのです。ユンギがずっと抱えてきた罪悪感の正体は、この痛ましい事件だったんですね…。
現在に戻り、ユンギはキ・スに再び立ち向かいますが、力の差は歴然。助けに入ったウィギョムまでもが肩を負傷させられてしまいます。キ・スがウィギョムの足を狙ったその時、我らがヒーロー、ゴルジェ先生が登場!さすがのキ・スもゴルジェとの衝突は避けたいのか、その場を立ち去るのでした。
ウィギョムの心の闇:亡き兄との記憶
意識を失ったウィギョムの脳裏に蘇るのは、亡くなった兄・スギョムの記憶でした。エリートコースを歩む裏で、スギョムは父親からのプレッシャーに押しつぶされ、精神的に追い詰められていたのです。母親に「医学部を辞めたい」と訴えても聞き入れてもらえず、彼の心は壊れていきました。時には錯乱し、ウィギョムの首を絞めたり、物を投げつけて傷つけたりすることも…。
そして、あの運命の日。眠ったフリをしていたウィギョムに、スギョムは愛用のウォークマンをそっと手渡すと、窓から身を投げて自らの命を絶ってしまったのです。ウィギョムがウォークマンに執着する理由は、兄との最後の思い出だったからなんですね。
病院で目覚めたウィギョムは、父ソクテに対し、初めて反抗的な態度を見せます。そして、キ・スに奪われたウォークマンを取り戻そうとしますが、ユンギは「自分では勝てない戦いをなぜ始めたんだ」と彼を止めようとします。
一方、ユンギはソクテやクラスメイトのスンジュンから「優等生のウィギョムをケンカに巻き込んだ」と責められ、さらに罪悪感を深めていきます。
真実と、母の決意
失意のユンギがジソンの病室を訪れると、そこには意識を取り戻し、ベッドに座って話せるようになったジソンの姿が!ユンギは涙ながらに謝罪しますが、ジソンは彼を責めませんでした。それどころか、屋上から落ちたあの日、ジソンは戻ってこようとしたユンギを守るために、警察に真実を話していたのです。そのおかげで、加害者たちに対する訴訟を起こすことができたのでした。二人の友情の深さに、思わず目頭が熱くなります。
その頃、ウィギョムは病院で兄の幻覚を見て、ふらふらと屋上へ向かいます。異変に気づいた母ダビンが後を追うと、屋上の縁に座るウィギョムが。彼は、かつて兄が母に告げたのと同じ「もう疲れた」という言葉を口にします。その言葉を聞いたダビンは、過去に息子のSOSを無視してしまったことを思い出し、パニック発作を起こしてしまいます。しかし、ウィギョムに助け起こされた彼女は、ついに決意を固めます。「これからは私がこの子を守る」と。
留学の話を進めようと病院に現れた夫ソクテに対し、ダビンは「この子は屋上から飛び降りるところだったのよ!」と毅然と言い放ち、息子を守る盾となることを宣言するのでした。
物語のラスト、学校帰りのゴルジェ先生をキ・スの一味が襲撃。植木鉢で殴られ肩を脱臼させられたゴルジェ。そこにキ・ス本人が現れ、いよいよ二人の直接対決の火蓋が切って落とされます。
『ONE:ハイスクール・ヒーローズ』第7話の感想
今回は、これまで断片的に描かれてきたキャラクターたちの過去が一気に繋がり、物語の深みが格段に増した回でした。特にウィギョムと亡き兄スギョムのエピソードは、親の期待という名のプレッシャーが、いかに子供の心を蝕んでいくかを痛烈に描き出しており、非常に考えさせられました。彼が抱える心の傷の深さを思うと、ただただ胸が痛みます。しかし、その悲劇があったからこそ、母親のダビンがようやく目を覚まし、息子を守るために立ち上がったシーンには、かすかな希望の光を感じました。また、ユンギとジソンの間にあった誤解が解け、本当の友情が明らかになった場面も感動的でした。単なる学園アクションドラマではなく、家族の再生やトラウマとの向き合い方を描く、重厚な人間ドラマとしての側面が際立った、見応えのあるエピソードだったと思います。
つづく