いやはや、今回の18話は息もつかせぬ展開の連続でしたね!これまで張り巡らされてきた伏線が一気に動き出し、それぞれの思惑が激しくぶつかり合いました。特に、これまで静かに暗躍してきた継妃の恐ろしさが際立つ回だったのではないでしょうか。
継妃の罠、引き裂かれるファンとソンオン
物語は、継妃がハン・ソンオンを呼び出す不穏なシーンから幕を開けます。彼女はソンオンに「東宮殿のコ・スンドル内官は、そなたの元婚約者ミン・ジェイだ」と書かれた匿名の手紙を見せつけます。もちろん、これは継妃がファンとソンオンの絆を断ち切るために仕組んだ罠。ソンオンは必死に否定しようとしますが、継妃は「世子が女性、それも殺人犯を内官として側に置くはずがない」「もし本当なら、親友であるそなたに話さぬはずがない」と巧みな言葉で疑念の種を植え付けます。
これまで感じていたファンとコ内官(ジェイ)の間の不自然な親密さ。その全てのピースが「ジェイだから」で埋まってしまうことに気づいたソンオンの心は、激しく揺さぶられます。親友への信頼と裏切られたという思い、そしてジェイへの未練が彼の中で渦巻く様子は、見ていて本当に辛かったですね…。
テガンの秘密とジェイの危機
一方、ミン・ジェイの正体は別の場所でも暴かれようとしていました。なんと、ファンの護衛官テガンが突然ジェイの首を絞めるという衝撃の展開!すんでのところでファンが駆けつけ事なきを得ますが、テガンは衝撃の事実を告白します。彼には双子の兄がおり、碧川の虐殺で死んだと思っていたその兄こそが、これまで暗躍してきた刺客の一人だったのです。テガンは兄の悪行を知り、ファンに迷惑をかけたとして自害しようとしますが、ファンは彼を信じ、しばらく宮殿を離れるよう命じます。
この騒動の中、ジェイは自分の腕輪が無事か確認しますが、本物そっくりの偽物とすり替えられていることには気づきません。彼女の正体が敵に完全にバレてしまった瞬間でした。
密書の行方と決定的な別れ
そんな中、チャン・ガラムがジェイの父が死の直前に描いていた不思議な図案を思い出します。それを見たファンは、一種の暗号文「織錦図」であることを見抜きます。やがて、その密書が開城府の判官に託されていたことが判明。一行は無事に密書を手に入れますが、天才キム・ミョンジンですら解読は困難を極めます。
そして、ついにソンオンがジェイと対峙する時が来ます。彼はジェイの正体に気づけなかったことを詫び、「ずっと待っていた」と想いを伝えます。しかし、ジェイの答えは残酷なものでした。「たとえ無実が証明され、元の暮らしに戻れたとしても、もうあなたの婚約者ではありません」。はっきりと拒絶されたソンオンは、ジェイの心がすでにファンにあることを悟るのでした。
新たな悲劇、絶体絶命のファン
物語は終盤、さらに加速します。意識不明だったミョンアン大君が目を覚ますも、髪は真っ白になり、記憶を失っていました。ジェイは、大君が事件の真相を知っていたため、継妃と権尚宮によって記憶を消されたのではないかと推理しますが、ファンは母である継妃を信じたい気持ちを捨てきれません。
ファンはジェイの無実を証明するため、密かにソンオンの父であるハン・ジュンオンに密書を託します。これにより、ジェイの家族殺害が濡れ衣であったことが重臣にも伝わりました。
しかし、敵の次の一手はあまりにも早く、そして残酷でした。ジェイは自分の短刀がなくなっていることに気づき、ファンの妃に選ばれたばかりの女性に危険が迫っていると直感。急いで駆けつけますが、時すでに遅く、妃は血まみれで倒れていました。そしてその傍らには、血に濡れたジェイの短刀が…。ジェイがそれを手にとってしまった瞬間、彼女は再び殺人犯として窮地に立たされることになるのでした。
『青春ウォルダム 呪われた王宮』第18話の感想
今回は、物語の核心にぐっと迫る重厚なエピソードでした。特に印象的だったのは、登場人物たちの心理描写の巧みさです。親友と元婚約者の間で揺れ動くソンオンの苦悩、母を信じたいと願うファンの葛藤、そして愛する人との未来を諦めざるを得ないジェイの悲しみ。それぞれの感情が丁寧に描かれており、物語に一層の深みを与えていました。また、継妃の底知れぬ悪意がはっきりと形になったことで、宮中に渦巻く陰謀の恐ろしさが際立ちました。ただのミステリーロマンスではなく、人間の業や宿命までも描き出す骨太な人間ドラマとしての側面を強く感じさせる回でした。最後の衝撃的な事件は、これまでの謎解きとは質の違う、より深刻な危機の到来を告げており、物語が最終章へ向けて大きく舵を切ったことを実感させられました。
つづく