いやはや、19話は息をのむ展開の連続でしたね…。絶望の淵に立たされたイ・ファンとミン・ジェイ[チェイ]が、最後の逆転劇に向けて大きな賭けに出る、まさに物語の核心に迫る回となりました。
絶体絶命!ジェイにかけられた殺人容疑
物語は衝撃的なシーンから幕を開けます。世子嬪(セジャビン)の部屋を訪れたジェイが目にしたのは、血の海に倒れる世子嬪の姿でした。あまりの光景に動揺するジェイ。彼女が思わずそばに落ちていた匕首(ひしゅ)を手に取ったその瞬間、部屋になだれ込んできた女官たちに見られてしまいます。これではまるで、ジェイが犯人そのもの。あっという間に殺人犯として捕らえられてしまいました。
その頃、イ・ファンは領議政(ヨンイジョン)ハン・ジュンオンのもとを訪れ、ジェイの父ミン・ホスンが遺した密書から驚愕の事実を知ります。かつて碧川(ピョクチョン)で発見された墓誌銘には、なんと現在のミョンアン大君と全く同じ名前、同じ生年月日が刻まれていたというのです。つまり、ミョンアン大君は王家の血筋ではなく、碧川のソン氏の生き残りではないか、と。にわかには信じがたい事実に、ファンは言葉を失います。
ジェイの覚悟とファンの決断
ファンが東宮殿に戻ると、そこには世子嬪殺害の容疑で捕らえられたジェイの姿が。内禁衛(ネグミ)がジェイを連行しようとする中、彼女は皆の前で、自分がミン家の殺人事件の真犯人であり、世子嬪も殺害したと、ありもしない罪を自白します。女官として東宮殿に潜り込んだのも、すべては世子を殺すためだったと…。ファンを守るため、すべての罪を一人で被ろうとするジェイの悲痛な覚悟でした。ファンは、なすすべもなく連行されていくジェイを見送ることしかできません。
実は、世子嬪を殺害した真犯人はチェ尚宮でした。彼女は中殿(チュンジョン)たちを守るため、自ら命を絶ちます。しかし、その遺書はクォン尚宮によって「犯人はジェイだ」と書き換えられ、ファンの元へ。すべての証拠が、ジェイが犯人であることを示していました。
牢獄で再会したファンとジェイ。ファンはなぜ自分を庇って嘘の自白をしたのかとジェイを責めますが、ジェイの決意は固いものでした。「呪いの言葉を成就させようとする碧川の残党の狙いを挫き、殿下が真実を突き止める時間を稼ぐには、私が犠牲になるしかないのです」と。そして、涙ながらにファンへの愛を告白するのでした。
仲間たちの奮闘と逆襲の狼煙
その間にも、仲間たちは必死に動いていました。チャン・ガラムとキム・ミョンジンは、ついに開城(ケソン)で問題の墓誌銘を発見!そこにはっきりと「ミョンアン大君はソン・ヒョンである」と記されており、碧川の呪いの真相に大きく近づきます。
一方、右議政(ウイジョン)チョ・ウォンボを中心とする反対勢力は、ジェイを内官にしたファンを激しく非難し、廃位を求めて王に圧力をかけます。追い詰められたファンは、なんと自ら世子の位を退くことを宣言。王はこれを受け入れ、ファンを廃位し江華(カンファ)島への流刑を、ジェイには斬首刑を命じます。
しかし、これはすべて、敵を欺くための壮大な芝居でした。江華島へ護送されるファンを、チョ・ウォンボと中殿(继妃)の命を受けたハン・ソンオンが襲います。しかし、ソンオンはファンを殺すふりをして刺客を追い払うと、「お前を恨んだこともあった。だが、必ずジェイを救い出し、お前を守る」と、変わらぬ友情を誓うのでした。時を同じくして、斬首刑に処されるはずだったジェイも、護衛のテガンによって牢から救い出されます。
ついに、ファンたちの命を懸けた逆襲が始まろうとしていました。
『青春ウォルダム 呪われた王宮』第19話の感想
今回は、登場人物それぞれの「覚悟」が胸に迫る回でした。ファンを守るために全ての罪を被るジェイの自己犠牲的な愛、そして、そのジェイを救い、国を揺るがす陰謀を暴くために、あえて世子の座を捨てるという苦渋の決断を下したファンの姿には、深い愛情と王族としての責任感が表れていました。また、これまで複雑な立場にいたソンオンが、友情を貫きファンを助ける場面は、この物語の救いであり、大きな見どころだったと感じます。絶望的な状況に追い込まれながらも、決して諦めない彼らの強い意志と、仲間との固い絆が、暗い展開の中に確かな希望の光を見せてくれました。物語が終盤に向けて大きく舵を切ったことで、より一層深みと重みが増したように思います。
つづく