連続殺人の犯人が、まさかの星宿庁の巫女(ククム)だったなんて、誰が予想できたでしょうか。しかも、彼女は「民を苦しみから解脱させるためだった」なんて言うだけで、黒幕については一切口を割りません。不気味な黒い気に操られているような描写もあって、事件の闇は深まるばかりです。
そんな中、我らがハン・ソンオン様は独自に調査を進めます。星宿庁に乗り込むも、謎の黒服集団に襲われて重傷を負ってしまうんです!それでも、ククムが最近急に白髪になり、体から妙な香りを放っていたという重要な情報をゲット。ソンオン様、さすがです!
一方、東宮では甘くて切ない展開が…!前の事件で頭をケガしたミン・ジェイ(今は内官コ・スンドル)を、世子イ・ファンが自ら看病するんです。心配でたまらないって顔に書いてありますよ、ファン様!「お前の師匠であるミン・ホスン殿が、民を思う心を持てと教えてくれた」と、医術の心得がある理由を語るファン。その優しさに触れて、ジェイの心も揺れ動きます。ファンがジェイの父を尊敬し、「あの方が娘を殺人犯に育てるはずがない」と信頼を口にするシーンは、胸が熱くなりましたね。
しかし、このまま二人の距離が縮まるかと思いきや、物語はそんなに甘くありませんでした。
ジェイとソンオンが偶然再会するシーンは、本当に切なかった…。ジェイは正体を明かせず、ソンオンは婚約者の生存を喜びながらも、彼女が裏切ったのではないかという疑念に苦しんでいる。お互いを想っているのに、すれ違うしかないなんて…。
そして、とどめの一撃がラストに待っていました。ジェイの恋人と噂されたシム・ヨンが「ジェイが一家を殺害した」という内容の遺書を残して自決した、という知らせが届くのです。せっかくジェイを信じ始めたファンの心は、この遺書によって再び固く閉ざされてしまいます。「すぐにミン・ジェイを連れてこい!」と命じる彼の瞳から、信頼は消え、冷たい疑惑の色が浮かんでいました。ソンオンもこの知らせを聞き、絶望の表情を浮かべます。
信じ始めた矢先に突きつけられた、あまりにも残酷な「証拠」。ファンとジェイの関係は、一体どうなってしまうんでしょうか。
『青春ウォルダム 呪われた王宮』第6話の感想
今回は、芽生えかけた信頼がいかに脆く、たった一つの情報で崩れ去ってしまうかを見せつけられた回でした。ファンがジェイを献身的に看病し、彼女の父への敬意と共に信頼を言葉にする場面は、本作のロマンス部分が大きく前進したようで心温まるものでした。しかし、シム・ヨンの遺書という衝撃的な知らせ一つで、その関係性がいとも簡単に覆されてしまう展開には、物語の非情さを感じずにはいられません。また、婚約者の生存を信じたいソンオンの純粋な想いが、裏切りの疑惑によって苦悩に変わっていく様子も非常に巧みに描かれており、登場人物それぞれの心の機微が深く伝わってきました。事件の謎解きだけでなく、こうした人間関係の複雑な揺らぎこそが、このドラマの大きな魅力なのだと改めて実感させられます。
つづく