呪いの拡散とファンの怒り
物語は、宮殿の象徴であるスモモの木が落雷で燃え上がるという衝撃的なシーンから始まります。ククムが「ソン家がイ家を滅ぼす」という呪いの言葉を残して死んだ直後なだけに、宮殿内も民の間も「10年前に滅ぼされた碧川(ピョクチョン)のソン一族の亡霊の仕業だ」という噂で持ちきりになります。
これに激怒したのが国王です。「10年前にソン一族を討伐したのは右議政チョ・ウォンボ、お前たちチョ一族だろう!なぜ残党がいるのだ!」と、朝廷でチョ一族を厳しく問い詰めます。この一件で、王がチョ一族の勢力拡大を快く思っていないことが、はっきりと示されましたね。
一方、世子イ・ファンは、これがただの呪いではないと直感しています。そして、彼の頭に浮かんだのは、信頼する内官コ・スンドル、つまりミン・ジェイのことでした。「今すぐスンドルを呼べ!」と叫ぶファンの姿に、彼がどれだけジェイを頼りにしているかが伝わってきて、グッときました。
ジェイの推理と新たな手掛かり
その頃、ジェイは刺客に襲われていました。間一髪のところをガラムとミョンジンに助けられますが、刺客は「ソン家がイ家を滅ぼす」と書かれた赤い紙を残して逃走。この呪いがファンだけでなく王室全体に向けられたものだと気づいたジェイは、急いでファンの元へ駆けつけます。
燃えた木を調べたジェイは、硫黄の匂いを嗅ぎつけ、「これは幽霊の仕業ではなく、人間の犯行です」とファンに断言します。やはり、私たちのジェイは聡明ですね!
さらに、新たな手掛かりも次々と見つかります。ハン・ソンオンの調べで、ククムを監視していた衛兵が蛇に噛まれて死んでいたことが判明。また、ジェイの婚約者だったシム・ヨンの検死結果から、彼の死は自殺で間違いないものの、死ぬ直前にジェイの実家で何かを探していたこと、そしてククムと同じく突然白髪になっていたことがわかります。これらすべてが、10年前の碧川の事件につながっているのでしょうか…謎は深まるばかりです。
チョ一族の策略とハン家の危機
この混乱に乗じて、最も狡猾に動いていたのが右議政チョ・ウォンボです。彼は甥をそそのかして儒学者たちを扇動し、「天の怒りを鎮めるため、世子は食事の量を減らし反省すべきだ」とファンに圧力をかけます。さすが老獪な政治家、やることがえげつない!
そして、彼の魔の手は政敵である左議政ハン・ジュンオン(ソンオンの父)にまで伸びます。ジェイは、木を燃やすのに必要な硝石、蜜蝋、硫黄の出どころを調査しますが、チョ・ウォンボの策略により、ジェイが手に入れた帳簿はすり替えられてしまいます。そして、硝石を持ち出した人物として、なんとハン・ジュンオンの名前が浮上するのです。
謀反の疑いをかけられ、捕らえられそうになる父を前に、ソンオンは必死に潔白を訴えます。そこへ現れたのが、ファンでした。ファンは厳しい口調でジュンオンを問い詰めますが、それはソンオンの忠誠心を試すための芝居でした。ファンは「友よ、もう一度私の友になってくれるか」とソンオンに手を差し伸べ、自ら真相を究明し、ハン家の潔白を証明すると約束します。このシーンは、一度は壊れかけた二人の友情が復活する、感動的な場面でしたね。
呪いの謎、10年前の事件、そして宮中の権力争い。すべてが複雑に絡み合い、物語はますます面白くなってきました!
『青春ウォルダム 呪われた王宮』第9話の感想
今回の第9話は、超常現象に見せかけた呪いの謎が、ジェイやミョンジンの科学的な視点によって「人間の仕業」として解き明かされていくミステリー要素が非常に興味深かったです。ただのオカルトで終わらせない脚本に、知的な興奮を覚えました。同時に、右議政チョ・ウォンボが本格的にファンを追い詰めるために動き出し、政治劇としての側面も一気に加速しました。彼の老獪な策略には、思わず舌を巻いてしまいます。そんな絶望的な状況の中で、ファンがソンオンへの変わらぬ信頼を示し、二人の友情が再び固く結ばれる場面は、本作の大きな見どころの一つだと感じました。疑心暗鬼が渦巻く宮中で、信じられる友がいることの尊さが胸に響く、重厚なエピソードでした。
つづく