物語は、セヒョンが近隣住民から猫殺しの濡れ衣を着せられるという、なんとも後味の悪いシーンから始まります。もちろん彼女が犯人であるはずもなく、その場を去りますが、心は穏やかではありません。
職場に着いた彼女のもとに、ジョンヒョン刑事から一本の電話が。「セヒョンさんの情報提供のおかげで、容疑者を確保したぞ!」その一言で、セヒョンは急いで警察署へ向かいます。彼女が突きつけたのは、遺体発見現場と実際の犯行現場が異なることを証明する土壌分析の報告書。科学の力が、捜査を大きく前進させます。 防犯カメラが捉えた白いトラックの映像が、殺害されたイ・ヨンジュが最後に目撃されたレストランの近くを走行していたことを示していました。
そして、セヒョンはついに容疑者と対面します。しかし、取調室にいた男の顔を見た彼女は、どこか安堵したような表情を浮かべるのでした。一体どういうことなのでしょうか?
容疑者の名前はクォン・ヒョンジョ。彼は配達員で、運んでいたのは人間そっくりの精巧なセックスドールだったと主張します。 倉庫からはその証拠品も見つかり、殺人容疑は晴れそうになりますが、彼がストーカーであることは間違いなさそう…。 取り調べ中に刑事のチャンジンと揉めて怪我をしたヒョンジョは、警察の暴行をメディアにリーク。ジョンヒョンのチームは一気に窮地に立たされてしまいます。
責任を取るため、ジョンヒョンは記者会見を開くことに。しかし、記者たちからの厳しい追及に言葉を失ってしまいます。 その時、彼の隣にスッと立ったのは、なんとセヒョンでした。彼女はマイクを握ると、2つの殺人事件の現場から同じ指紋が検出されたことを明かし、「これは連続殺人事件です」と断言。さらに犯人を「人間のクズ」と呼び、世間に向かって宣戦布告したのです!
この大胆すぎる行動は大きな波紋を呼びますが、セヒョンはこれを逆手に取り、上司と交渉。ヨンチョンに法医学オフィスを設置させ、ジョンヒョンとの公式な共同捜査体制を勝ち取ります。 彼女の覚悟と頭のキレには、ただただ脱帽です。
捜査本部では、ジョンヒョンが「犯人はヨンチョンをよく知る、プライドの高い人物だ」とプロファイリングし、チームの士気を高めます。
そして、衝撃のラストシーン。クリーニング店を営むチェさんの店で、客の女性がクレームをつけていました。穏やかに対応していたチェさんですが、女性が帰ろうとすると態度が豹変。彼女の腕を掴み、店の中に引きずり込むのでした…。 あの優しいチェさんが…?まさか彼が…?新たな疑惑が生まれた瞬間でした。
『メスを持つハンター』第4話の感想
今回のエピソードは、捜査が大きく動いたように見えて、実は巧みにミスリードされていた感覚に陥りました。容疑者逮捕で一件落着かと思いきや、その男は本丸ではなく、セヒョンの爆弾発言で事態はさらに複雑な様相を呈してきました。彼女の行動は正義感の表れである一方、犯人を過度に刺激しかねない危うさもはらんでおり、そのバランス感覚が見事です。そして何より、ラストのチェさんの変貌には、背筋が凍る思いがしました。これまで穏やかな隣人として描かれてきた人物が見せた不気味な一面は、真の恐怖が日常に潜んでいることを強く印象付けます。物語の深層に触れたような、見応えのある一話でした。
つづく