ついに物語が大きく動き出した『メスを持つハンター』第5話!今回は、主人公ソ・セヒョンの封印された過去と、彼女の父親である連続殺人鬼チェさんとの歪んだ関係が、より鮮明に描かれる衝撃的な回となりました。ただのサスペンスじゃない、この親子の異常な対決から目が離せません!
物語は、少女時代のセヒョン(当時はセウン)が誕生日を祝っている幸せな光景から一転、男が家に押し入り母親を殴り、引きずっていくという衝撃的なシーンで幕を開けます。
場面は現在へ。刑事のジョンヒョンたちは、二つの殺人事件の防犯カメラ映像を分析していました。その頃、セヒョンは新しいアパートの内見をしていました。小さく簡素な部屋を見て、彼女は不動産業者に「すぐにでも入居したい」と告げます。
一方、最初の被害者オ・ミノの恋人ダヨンは、警察の聴取に対し、セヒョンがミノにかなり冷たい態度をとっていたこと、さらには過去の「ナム・スンヒョプ事件」のことまで口にします。セヒョンと被害者の間には、何か因縁があったのでしょうか。
そして、不気味な偶然が起こります。セヒョンが契約したアパートの鍵の修理を不動産業者から頼まれたのは、なんとあのチェさんでした。彼は何かを察したような表情で、その日の夜に修理すると約束します。その日は、彼の「妻子の命日」なのだと言い残して…。
ジョンヒョンは防犯カメラの映像から、ミノがソウルで辿ったルートを捜査します。その途中、セヒョンに電話をかけ、龍川(ヨンチョン)病院に彼女の法医学室が正式に決まったことを伝えました。しかし、セヒョンは翌日に行くと嘘をつき、単独で行動を開始します。
彼女が向かったのは、ミノの遺体がスーツケースで発見された現場でした。そこで人探しのチラシを見つけたセヒョンは、幼い少女がスーツケースを引きずり、そのチラシを貼る幻覚を見ます。それは、過去の自分自身の姿なのでしょうか。
強烈なフラッシュバックがセヒョンを襲います。母が殺された直後、寝室から出てきた父、チェさん。幼いセウン(セヒョン)は、恐怖に泣き叫ぶ代わりに、おもむろにタオルを掴み、父が残した血の足跡を拭き始めたのです。その姿を、チェさんは興味深そうに見つめていました。この瞬間こそが、二人の歪んだ関係の原点だったのかもしれません。
現在に戻り、バスに乗るセヒョンは、またも幻覚に襲われます。ミノの幻、そしてバスの後部座席に座る黒いバケットハットの男。その男は彼女に手を伸ばし、「セウン」と呼びかけます。時を同じくして、ジョンヒョンも捜査の末に防犯カメラの死角となる路地裏で、セヒョンと鉢合わせするのでした。
雪が降る別の場所では、チェさんが前回のラストで登場した女性の遺体を、彼の白いトラックの中で「処理」していました。
ジョンヒョンとセヒョンは食堂で事件について話し合います。ジョンヒョンは「犯人はヨンチョンの地理に精通している」と推理。その時、セヒョンの同僚から、二つの遺体から筋弛緩剤であるパンクロニウムが検出されたと電話が入ります。しかし、彼女はジョンヒョンに「何も見つからなかった」と、またしても嘘をつくのです。「犯人は私が先に見つける」という強い意志を持って。
しかし、その決意をあざ笑うかのように、彼女は帰り道で新たな遺体を発見してしまいます。それはチェさんの最新の犠牲者でした。白い服を着せられ、切断された足が糸で丁寧に縫い付けられています。
そのおぞましい光景は、セヒョンの記憶の扉をこじ開けます。子供の頃、壊れた人形の手足を同じように縫い付けていた記憶。その瞬間、非通知で電話が鳴ります。相手は父、チェさんでした。
「誕生日おめでとう」
父からの歪んだ祝福と殺人に関する挑発。電話の向こうから聞こえる微かな音を頼りに、セヒョンは開いたスーツケースとその上に置かれたキンパ(韓国風海苔巻き)を見つけます。「食べろ」と命じる父に対し、セヒョンははっきりと告げました。
「あなたのゲームに乗ってあげる。そして勝つわ」
そう言って、彼女は父が残したキンパを口にするのでした。父と娘の、命をかけた危険なゲームが、今、始まったのです。
『メスを持つハンター』第5話の感想
今回のエピソードは、ソ・セヒョンというキャラクターの深層心理に大きく迫る内容でした。彼女がただの被害者ではなく、幼い頃から殺人鬼である父親と異常な関係性を築いてきたことが明かされ、その行動原理に説得力が生まれています。特に、父親の犯罪の痕跡を冷静に拭う幼少期の姿は、彼女の持つ特異性を強く印象付けました。刑事ジョンヒョンに嘘をつき、危険を顧みず単独で父を追う姿は、彼女が自ら「ハンター」になることを決意した瞬間であり、物語の核心的な転換点と言えるでしょう。これから始まる父と娘の直接対決が、どのような心理戦として描かれていくのか、目が離せません。
つづく