今回もまた、息をするのを忘れるほどの展開でしたね。新たな犠牲者、そしてセヒョンの過去に深く関わる衝撃の再会…。早速、物語の核心に迫っていきましょう!

第6話:父との再会、そして新たな謎

物語は、チェさんが幼い少女セウンの髪を切る、どこか不穏な過去のシーンから始まります。その傍らでは、ウンソという名の少女が人形を縫っています。この何気ない風景が、後に恐ろしい意味を持つことになるとは、まだ誰も知りません。

そして現在。3人目の犠牲者が発見されます。驚くべきことに、その第一発見者はなんと法医学者のソ・セヒョン本人でした。これには刑事のジョンヒョンも驚きを隠せません。当然、警察はセヒョンに疑いの目を向けますが、彼女は巧みな話術でその場を切り抜けます。しかし、彼女の身を案じるジョンヒョンは、お守りとして緊急通報システム付きのスマートウォッチを渡すのでした。この優しさが、後の展開にどう影響するのでしょうか…。

セヒョンが解剖台で向き合うことになった被害者ミヨンの口の中から、衝撃的なものが見つかります。それは、写真の切れ端。写っているのは幼い頃のセヒョンと、冒頭のシーンに登場したウンソでした。しかし、ウンソの写った部分は無残にも引きちぎられています。これは、犯人からのセヒョンに対する、歪んだメッセージなのでしょうか。

一方、ジョンヒョンの捜査は新たな局面を迎えます。彼は今回の連続殺人事件と、1999年に起きた未解決事件「ブルー・トン事件」との類似点に気づきます。洗浄剤やブラシの使い方が酷似しているのです。ジョンヒョンがそのことをセヒョンに話すと、彼女は「あの事件では糸は使われていない」と即答します。なぜそんなことを知っているのかと問われ、「本で読んだ」と答えるセヒョン。しかし、彼女の脳裏に浮かぶのは、父と共に事件に関わっていたかのような断片的な記憶でした。

そして、物語は戦慄のクライマックスへ。セヒョンは、導かれるようにかつて父と住んでいた古い家を訪れます。そこは壁が不気味なピンク色に塗り替えられ、中には一冊の解剖学の本が。そこに現れたのは、あの少女セウン。彼女が「お父さん」と呼ぶと、現れたのは…死んだはずの父、チェさんでした。

「死んだはずでは?」と問うセヒョンに、「治療者に出会って助かった」と嘯くチェさん。彼はさらに、セヒョンが鼻を整形したことまで、全てお見通しであるかのように指摘します。父への殺意を確信したセヒョンは、隠し持っていたナイフで襲いかかりますが、チェさんはそれを容易く受け止めます。セヒョンが再び攻撃しようとした瞬間、彼女の体を衝撃が貫きます。チェさんの傍らにいた少女セウンが、セヒョンにテーザー銃を撃ち込んだのでした。父と娘の歪んだ関係、そして謎の少女。物語は、最も恐ろしい形で新たな幕を開けたのです。

『メスを持つハンター』第6話の感想

今回のエピソードは、これまで散りばめられてきた謎が一つの悍ましい線で繋がり始め、同時に新たな謎が深まる、非常に密度の濃い回でした。特に、死んだはずの父チェさんとの再会シーンは、本作の持つサイコスリラーとしての質を決定づけるものだったと言えるでしょう。彼の穏やかな物腰の裏に潜む狂気、そして娘の全てを見透かしているかのような不気味な言動には、画面越しにもかかわらず肌が粟立つような感覚を覚えました。セヒョンが抱える父への殺意は、単なる復讐心だけでなく、彼女自身のアイデンティティを守るための必死の抵抗のようにも見えます。また、新たに登場したセウンという少女の存在が、この歪んだ父娘関係をさらに複雑化させています。彼女はチェさんの協力者なのか、それとも彼に操られているだけの新たな被害者なのか。今後の展開を占う上で、極めて重要なキャラクターになることは間違いないでしょう。

つづく