いやあ、今回の『メスを持つハンター』第7話、とんでもないことになりましたね…。息を潜めて見守っていた緊張の糸が、ついにプツンと切れてしまったような、そんな回でした。父という名の悪魔から逃れようともがくセヒョンの運命が、あまりにも皮肉で、そして残酷で…。早速、衝撃の第7話を振り返っていきましょう!
『メスを持つハンター』第7話 ネタバレあらすじ
物語は、幼いセウンがウンソから日記帳をもらうシーンから始まります。しかし、彼女がページを埋めたのは、真っ赤な色。そして現在、セウンは古い家で血のようなものにまみれて目を覚まします。彼女が大切にしていたメスは、今や父であるチェさんの手に渡り、証拠品のようにビニール袋に収められていました。
警察署では、若手刑事のソグが連続殺人事件の被害者たちが皆、チェさんのクリーニング店を利用していたこと、そして犯人の似顔絵がセヒョンに似ていることを指摘します。ですが、彼の鋭い指摘は「よくあることだ」と一蹴されてしまうのです。もどかしい!
一方、ジョンヒョン刑事とチャンジン刑事は、そのクリーニング店を訪れます。ジョンヒョンは、チェさんの不自然な足の引きずり方、店内の鍵がかった謎の扉、そして犯人が被っていたものとよく似た黒い帽子を見つけ、彼への疑いを深めていきます。さすがジョンヒョン刑事、目の付け所が違いますよね。しかし、相棒のチャンジンは彼の疑念を真剣に取り合おうとはしません。
その頃、セヒョンは父であるチェさんと電話で話していました。彼女は父の犯罪の身代わりを立てる計画に協力するフリをします。父が隠し持っている過去の被害者ミノの臓器に、身代わりのDNAを付着させて警察に発見させる…そんな恐ろしい計画に、セヒョンは自ら足を踏み入れてしまうのです。彼女は毒物検査報告書から、父に不利な証拠となる薬物「パンクロニウム」の項目を削除するという、一線を越えた行動に出てしまいます。
ジョンヒョンは上司の許可を得て、過去の未解決事件「ブルーバレル事件」と今回の連続殺人の関連性を単独で捜査し始めます。孤立しながらも真実に迫ろうとする彼の姿は、唯一の希望の光です。
そして、運命の夜。セヒョンは父に指示された家へ向かい、身代わり犯のDNAを採取するため、髪の毛やカミソリを手に取ります。しかし、父からの「残りを片付けろ」というメッセージに従い隣の部屋へ入ると、そこには血まみれで倒れている家の主人が。
その瞬間、男が目を覚まし、セヒョンを犯人だと思い込んで襲いかかります。もみ合いの末、セヒョンはそばにあったダンベルで男を殴り、殺害してしまうのです。呆然とする彼女がふと見た鏡には、不気味に微笑む自分の姿が映っていました。
家の外では、チェさんがトラックの中でセウンと待機していました。「時間だ」という彼の言葉を受け、セウンは家の外に淡々と監視カメラを設置し始めるのでした…。
『メスを持つハンター』第7話の感想
今回のエピソードは、登場人物たちの心理が複雑に絡み合い、物語が大きく動いた回でした。特に印象的だったのは、主人公セヒョンの変化です。父の呪縛から逃れるために、父の計画に乗るという矛盾した行動を選んだ彼女。その選択が、結果的に彼女自身を殺人者へと変えてしまう展開は、あまりにも皮肉であり、深い絶望を感じさせました。人を殺めてしまった直後、鏡に映った自分の顔が笑みを浮かべていたシーンは、彼女の中に眠っていた、あるいは父によって植え付けられた闇の深さを見せつけられたようで、背筋が凍る思いでした。一方で、孤立しながらも地道な捜査で真相に近づこうとするジョンヒョン刑事の存在が、この重苦しい物語の中で唯一の救いとなっています。彼の正義が、この巨大な悪意にどう立ち向かっていくのか。登場人物たちの心の機微を丁寧に描きながら、息もつかせぬ緊張感で物語を引っ張っていく脚本と演出の見事さに、ただただ圧倒されるばかりです。
つづく