絡み合う運命の糸、そして衝撃のラストへ

前回、恋人ウニョクの裏切りを知ってしまったヨンジュ。彼女の心は深く傷つき、ウニョクに対して冷たい態度をとり続けます。幸せの絶頂から突き落とされた彼女の姿は、見ていて胸が痛みましたね。

そんな中、ヨンジュの前に現れたのは、なんとチェリンの養母ヘランでした。ヘランは精神的に不安定な状態で、ヨンジュに「娘のスアになってほしい」と懇願します。しかし、ヘランがチェリンを顧みず、いなくなった娘の幻影ばかりを追いかけていると感じていたヨンジュは、この申し出を激しく拒絶。「あなたは無責任な母親だ!」とヘランを罵倒してしまいます。この二人のぶつかり合いは、まさに鬼気迫るものがありました。

一方、チェリンは嫁ぎ先のムン家で、恐ろしい事実に気づいてしまいます。夫ジェサンの二人の前妻が、どちらも実家の会社が破産した直後に、テサン・グループの創立記念日に自殺していたのです。その手口は、原料供給を止められ、泰山グループの資金で危機を乗り越えようとした結果、会社を乗っ取られるという全く同じものでした。自分の会社である太平洋化粧品も同じ運命を辿るのではないか…チェリンは言いようのない恐怖に襲われます。

身の危険を感じたチェリンは、ムン会長の秘密を探るため、会長の寝室の奥にある「開かずの間」に忍び込もうとします。しかし、その寸前でウニョクに阻止されました。なんと、その部屋には監視カメラが仕掛けられており、ムン会長父子がチェリンの行動を監視していたのです!間一髪でしたね。ウニョクは、自分もかつて同じ方法で忠誠心を試されたことを明かし、チェリンに警戒を促します。二人の間には、危険な共犯関係が芽生え始めていました。

そんな矢先、ヨンジュに拒絶されて衰弱したヘランを元気づけるため、チェリンはまたしてもスアの代役を強要されます。ウニョクは「また傷つくだけだ」と止めますが、チェリンは振り切って実家へ。しかし、今回ヘランは薬を飲んでおらず正気でした。彼女はチェリンを「偽物」と激しく罵り、「二度とスアの真似をしないで!」と突き放します。信じていた母にまで拒絶され、チェリンの心は張り裂けんばかりでした。

傷ついたチェリンは、同じく傷心のヨンジュを飲みに誘います。お互いの素性を知らない二人は、夫に裏切られたというヨンジュの悩みを分かち合い、涙ながらに慰め合いました。チェリンはヨンジュに「本当に愛しているなら、後悔しないように彼を捕まえて」と優しくアドバイスします。

しかし、運命はあまりにも残酷でした。

チェリンの言葉でウニョクとやり直す決心をしたヨンジュ。彼の財布にこっそり二人の写真を入れてあげようとした、その時でした。財布の奥から見つかったのは、焼け焦げた写真の切れ端。そこに写っていたのは、紛れもなく、先ほどまで自分を慰めてくれたミン・チェリンの笑顔だったのです。

自分の恋人の心を奪った相手が、あろうことかチェリンだった―。この衝撃の事実を知ったヨンジュの表情で、第10話は幕を閉じます。

『かくれんぼ』第10話の感想

今回のエピソードは、登場人物たちの感情が激しく交錯し、それぞれの孤独や痛みが深く描かれた秀逸な回でした。特に印象的だったのは、チェリンとヨンジュという、本来は敵対するはずの二人が、知らず知らずのうちに互いを慰め合うという皮肉な構図です。視聴者だけが全ての関係性を知っているため、二人の優しさがかえって切なく感じられました。また、ムン家の底知れぬ闇が明らかになり、サスペンス要素も一気に加速。単なる愛憎劇に留まらない、物語の重層的な魅力を再確認しました。ラストで残酷な真実を知ってしまったヨンジュが、今後どのような行動に出るのか。チェリンとの関係がどう変化していくのか、目が離せません。

つづく