いやはや、とんでもない展開になってきましたね、『かくれんぼ』!結婚式の当日に、まさかあんなことが起きるなんて…。第9話は、登場人物たちの感情が激しくぶつかり合い、物語が大きく動いた回でした。早速、波乱の第9話の詳しいあらすじとネタバレを見ていきましょう。
第9話:引き裂かれた心と新たな宣戦布告
物語は、ウニョクがチェリンに強引にキスをする衝撃的なシーンから始まります。
「結婚なんてできない、愛してるのは君だ」
そう訴えるウニョクですが、チェリンは彼を突き放します。今まさに自分の花嫁が待っているというのに、その行動は許されるものではありません。しかし、ウニョクの「愛のない結婚がどれだけ地獄か、あんたが一番よく知ってるはずだ」という言葉は、チェリンの心を鋭くえぐります。チェリンが「行かないで」と一言言えば、ウニョクはすべてを捨てると言いますが、彼女は何も言えずにその場を走り去るのでした。
その頃、二人のキスを目撃してしまった花嫁のヨンジュは、ショックのあまり式場から逃げ出します。ウエディングドレス姿のまま道路に飛び出した彼女は、偶然通りかかったチェリンの夫、ジェサンの車にはねられそうに。ヨンジュは泣きながら「どこでもいいから連れて行って」とジェサンの車に乗り込みます。
わけがわからないままヨンジュを車に乗せたジェサン。彼女を橋の上で降ろしますが、あまりに絶望した様子のヨンジュが気にかかり、タクシー代を渡して「結婚なんて地獄の入り口だ。そこから逃げ出せて幸運だったと思えよ」と、彼なりの慰めの言葉をかけます。しかし、ヨンジュはそのお金を握りしめたまま、橋の欄干へと足をかけ、身を投げようとしてしまいます。バックミラーでその光景を見たジェサンは、慌てて車から飛び出し、間一髪で彼女を抱きとめました。「ここで死なれたら迷惑だ!」と悪態をつきながらも、号泣するヨンジュを放っておけず、自分の経営するホテルへ連れて行き、一晩休ませてあげるのでした。今まで敵役でしかなかったジェサンの、意外な優しさが垣間見えた瞬間でしたね。
一方、ヨンジュが戻らない家では、母のヒョンスクが心配で眠れぬ夜を過ごしていました。翌朝、やつれた姿で帰ってきたヨンジュ。ヒョンスクは娘を激しく叱りますが、ウニョクは静かにヨンジュを部屋へ連れて行きます。ヨンジュは裏切ったウニョクに対し、「私が許すまで、何も聞かず、何も言わないで」とだけ告げ、ウニョクは黙ってそれを受け入れるしかありませんでした。
その頃、チェリンは料理教室に通うと見せかけ、父の会社「太平洋化粧品」を取り戻すために動き出していました。夫ジェサンの父、テサン会長は、チェリンが会社の経営に口を出すことを快く思わず、「子作りでもしていろ」と冷たく言い放ちます。さらに、テサンとジェサン親子は、太平洋化粧品を完全に潰すための次なる策略を巡らせていました。
そんな中、チェリンは会社へと向かいます。社員たちは彼女の復帰を心から歓迎し、ささやかな歓迎セレモニーを準備していました。しかし、そこへ鬼の形相で現れたのが、祖母のヘグムです。ヘグムは、チェリンが会社を乗っ取ろうとしていると信じて疑わず、社員たちが用意した花束を床に叩きつけ、あろうことかチェリンの頭から汚れた水を浴びせかけます。
「二度と会社に現れるな!」
そう罵倒する祖母。しかし、ずぶ濡れになったチェリンは、もう昔の彼女ではありませんでした。屈辱に震えながらも、社員たちの前に進み出て、力強く宣言します。
「私は必ずここへ戻ってきます。この太平洋化粧品の主人として、皆さんと共に働きます」
その堂々とした姿に、社員たちからは歓声が上がります。物陰から憎々しげに睨みつけるヘグムと、決して怯むことのない強い眼差しで彼女を見つめ返すチェリン。二人の女の、会社のすべてを懸けた戦いの火蓋が、今まさに切って落とされたのでした。
『かくれんぼ』第9話の感想
今回のエピソードは、各キャラクターの隠された一面や決意が浮き彫りになり、非常に見ごたえがありました。特に印象的だったのは、これまで冷酷な敵役だったジェサンが、絶望したヨンジュに見せた不器用な優しさです。彼の行動は打算的なものかもしれませんが、人間味を感じさせる一面に少しだけ見方が変わりました。一方で、愛する人に裏切られたヨンジュの、静かな怒りと悲しみに満ちた表情は胸が痛みました。そして何より、祖母から屈辱的な仕打ちを受けながらも、決して折れることなく、むしろそれをバネにして力強く立ち向かうことを宣言したチェリンの姿には心を打たれました。彼女がこれからどのようにして逆境を乗り越え、大切なものを取り戻していくのか、その過程をしっかりと見届けたいと思わせる、重厚な人間ドラマが描かれた回だったと感じます。
つづく