第22話は、もう誰を信じたらいいのか分からない、疑心暗鬼のオンパレード!追い詰められた人間たちの本性がむき出しになる、見応えたっぷりの回でした。

窮地のチェリン、夫ジェサンの嫉妬と暴走

会社を救うため、屈辱を承知で夫・ムン・ジェサンの家に戻ったミン・チェリン。しかし、そこは安住の地ではありませんでした。義父のムン・テサンはチェリンを「偽物」と呼び、使用人以下の扱いをします。

一方、夫のジェサンは、チェリンと彼女を支えるチャ・ウニョクの関係を邪推し、嫉妬の炎を燃やします。「お前はウニョクのためにこの家にいるんだろう」と決めつけ、なんと力ずくでチェリンを組み伏せようとする始末!しかし、我らがチェリンは負けていません。必死の抵抗でジェサンの腕に噛みつき、「次、触ったら警察を呼ぶ」と一喝。その気迫、さすがです!

この一部始終を部屋の外で聞いていたウニョク。チェリンが部屋から飛び出してくると、二人は言葉を交わさずとも、視線だけで互いの無事と信頼を確かめ合います。この静かな絆が、ドロドロした展開の中での唯一の救いですね。しかし、この光景をジェサンが目撃してしまい、彼の怒りはさらに燃え上がることになります。

まさかの裏切り!祖母ヘグムの非情な一手

会社の危機に、チェリンの祖母・ナ・ヘグムがとんでもない行動に出ます。なんと、ムン・テサンに許しを乞うため、彼の家を訪問。そして、会社の危機も、テサンを騙したことも、すべては「チェリンが財産目当てで仕組んだことだ」と、全ての責任をチェリン一人に押し付けたのです!

「孤児院から来たあの子は、虚栄心からとんでもない嘘をついたのです」と涙ながらに訴えるヘグム。その隣で、チェリンは表情を凍りつかせるしかありませんでした。信じていた(いや、信じようとしていた)祖母からの、あまりにも卑劣な裏切り。このシーンは、見ているこちらも胸が苦しくなりました。

もちろん、チェリンはこのまま黙ってはいません。帰ろうとするヘグムを呼び止め、「いつかあなたが、私を歓迎して迎え入れることになる」と力強く宣言。この逆境でも折れないチェリンの強さに、思わず拍手を送りたくなります。

ヨンジュの記憶と、新たな共闘の予感

その頃、もう一人のキーパーソン、ハ・ヨンジュの周りでも物語が大きく動きます。彼女はふと、幼い頃に歌っていた童謡を口ずさみます。それを耳にしたキム室長は衝撃を受けます。なぜなら、その歌は行方不明になった本物のミン・スアに、母のパク・ヘランが教えていた歌だったからです。ヨンジュの失われた記憶の扉が、少しずつ開かれようとしています。

そして物語のラストは、新たな波乱を予感させます。

ジェサンは父・テサンから次期会長の座を約束され有頂天に。しかし、過去の横領を埋めるため、愛人のワン・ソラから金を取り戻そうと躍起になります。部下にソラを捕まえさせようとしますが、そこへ颯爽と現れたウニョクが彼女を救出!

怒り狂ったジェサンは、ウニョクをビルの屋上に呼び出し、欄干から突き落とさんばかりの勢いでソラの居場所を問い詰めます。

時を同じくして、チェリンはウニョクの家で保護されたソラと対面していました。自分を攻撃しに来たのだと勘違いし、激しく抵抗するソラを壁に押さえつけ、チェリンはこう告げます。

「あなたを助けるためよ。そして、私が生きるために!」

敵の愛人であったはずの女性と手を組む。この絶体絶命の状況で、チェリンが選んだ次の一手とは?物語はますます目が離せなくなってきました!

『かくれんぼ』第22話の感想

今回のエピソードは、人間の保身がいかに人を冷酷にさせるか、そして逆境における人間の強さとは何かを、まざまざと見せつけられた回でした。特にナ・ヘグムが、これまで散々利用してきたチェリンを、いとも簡単に切り捨てる場面は圧巻でした。自分の地位と会社を守るためなら、孫娘(と世間には見せている)の名誉など塵芥のように扱える。その非情さには、ある種の感嘆すら覚えます。

しかし、そんな仕打ちを受けてもなお、チェリンの瞳の光は消えません。むしろ、その裏切りをバネにして、より一層力強く前を向く姿は、このドラマの核となる魅力でしょう。彼女を静かに、しかし命がけで支えるウニョクとの絆も、回を追うごとに深まっています。二人の間にある、言葉を超えた信頼関係が、この息の詰まるような展開の中で唯一の清涼剤となっています。

一方で、ジェサンの小物感あふれる暴走や、ヨンジュの記憶が少しずつ蘇るサスペンスフルな展開など、各所で物語の歯車が大きく動き出しました。特に、チェリンが敵対していたはずのワン・ソラと手を組もうとするラストは、今後の展開に大きな期待を抱かせます。一筋縄ではいかないキャラクターたちが織りなす、濃密な人間ドラマを堪能できた一話でした。

つづく