今回もまた、とんでもない展開が待っていましたね…。もう、どこから話せばいいのか迷うくらい、各キャラクターの感情が爆発して、物語が大きく動き出しました。それでは早速、怒涛の第36話、じっくりと振り返っていきましょう!

引き裂かれる二人、そして暴かれる「厄除け」の真実

前回、チェリンが家を追い出されるという衝撃的な終わり方でしたが、今回はいきなりジェサンがチェリンをホテルへ連れ込むシーンからスタート。まあ、下心見え見えのジェサンですが、そこに颯爽と現れたのが我らがウニョク!「彼女は俺の女だ」とばかりにチェリンを連れ去る姿は、まさに騎士そのもの。たとえボロ家でも、愛する男のそばが一番の宮殿だっていうウニョクの言葉、しびれましたねぇ。

しかし、幸せな時間は長くは続きません。チェリンは会社での立場を固めるため、持っていた株式をあっさりスアに譲渡してしまいます。大喜びの祖母ヘグムとスア。その姿は、まるで獲物を手に入れた狩人のよう…。スアはすっかり人が変わってしまい、育ての母ヒョンスクのことさえ冷たくあしらう始末。権力って、人をここまで変えてしまうものなんでしょうか。

そんな中、チェリンとウニョクの絆はさらに深まります。スアに罵倒されるチェリンを、またしてもウニョクが救出。車の中で、チェリンはついに重い口を開きます。自分がミン家に養子に来た本当の理由…それは、病弱だったスアの「厄除け(身代わり)」だったという衝撃の事実を。それを聞いたウニョクの、チェリンを心から慈しむような眼差し…。この二人の愛は本物だと、誰もが確信した瞬間でした。

記憶の覚醒、そして復讐の始まり

一方、チェリンとウニョクの仲を引き裂きたいスアは、ジェサンに泣きつきます。するとジェサンは、スアに悪魔の囁きを吹き込みました。なんと、ウニョクこそが、かつてスアを誘拐した犯人「チョ・スンミン」だというのです!その言葉をきっかけに、封印されていた過去の記憶が蘇り、スアは衝撃のあまり気を失わんばかり。ここから、彼女の復讐劇が静かに幕を開けます。

記憶を取り戻したスアは、まるで別人のように冷徹に。ウニョクに「チョ・ピルドゥの息子、チョ・スンミン、今すぐ会いに来て」というメッセージを送りつけ、彼を呼び出します。罪の意識に苛まれるウニョクに、スアは非情な選択を突きつけました。「ミン・チェリンを捨てなさい。そうすれば、あなたを許してあげる」と。愛する女性か、過去の贖罪か…ウニョクは、人生最大の岐路に立たされます。

すべてを壊す、衝撃の告白

そして、運命の夜がやってきます。チェリンが家で待っていると、スアから勝ち誇ったような電話が。「今からウニョクが、私の彼氏として家族に挨拶に来るのよ」と。嫌な予感を察知したチェリンが慌ててミン家へ向かうと、そこには正装したウニョクの姿が。

スアが嬉しそうに「私の恋人です」と紹介したその瞬間、ウニョクは彼女の手を振り払い、ヘグムたちの前にひざまずきました。そして、絞り出すような声で、こう告白したのです。

「申し訳ありません。私が…私が、スアさんを誘拐した犯人です」

駆けつけたチェリンの制止もむなしく、真実は明かされてしまいました。ヘグムとヘランは怒りと衝撃で倒れそうになり、スアは憎しみに満ちた目でウニョクとチェリンを睨みつけるのでした…。

『かくれんぼ』第36話の感想

今回のエピソードは、登場人物たちが抱える「罪」と「罰」が、まるで堰を切ったように溢れ出した回でした。特に、ウニョクが自らの罪を告白するラストシーンは圧巻の一言です。彼の行動は、単なる贖罪なのでしょうか。それとも、これ以上チェリンを苦しませないための、歪んだ形での愛情表現だったのでしょうか。彼の悲痛な表情を見ていると、どちらの感情も渦巻いていたように思えて、胸が締め付けられます。

一方で、スアの変貌ぶりには複雑な感情を抱かざるを得ません。記憶を取り戻し、自分が被害者であったことを知った彼女の怒りや悲しみは理解できます。しかし、その矛先をチェリンに向け、かつての恩人である育ての母にまで冷たく当たる姿は、同情心をかき消すほどの冷酷さを感じさせました。彼女もまた、過去の呪縛に囚われた一人の被害者なのかもしれません。

この物語には、完全な善人も、完全な悪人もいないのかもしれません。それぞれの正義と欲望がぶつかり合い、誰もが傷つき、もがき苦しんでいる。その人間臭さこそが、このドラマの深い魅力なのだと改めて感じさせられました。

つづく