いやあ、『元敬(ウォンギョン)』第15-16話、今回も見ごたえがありましたね。ただの権力争いじゃない、夫婦の心理戦がじわじわと描かれていて、思わず引き込まれてしまいました。それでは早速、波乱の第15-16話の詳しいあらすじとネタバレを見ていきましょう!

「王の嫉妬、妃の覚悟」

物語は、都・漢陽(ハニャン)で横行する住宅不正問題から始まります。なんと、この不正売買に王族の女性、パムゴルのキム氏が関わっているという噂が。王様(イ・バンウォン)も、この汚職のせいで役人たちが家を持てずにいる実態を知り、本格的な調査に乗り出すことを決意します。

一方、我らが王妃ウォンギョンは、自ら問題の渦中にいるパムゴルのキム氏に会いに行きます。キム夫人は、罰せられることなど全く恐れていない様子で、ふてぶてしい態度を崩しません。その帰り道、ウォンギョンは王の尚宮であるキム尚宮がこそこそと嗅ぎ回っているのを目撃。すかさずキム尚宮を呼びつけ、「この件を王に報告するのは、チェリョンではなく、この私だ」と釘を刺し、主導権を握ろうとします。このウォンギョンの強引なやり方に、チェリョンは当然面白くありません。彼女は報復のため、クォンソン王女のもとを訪れ、反ウォンギョン同盟を結ぶのでした。

この住宅不正の裏では、なんと太祖(テジョ)の異母弟がパムゴルのキム氏を操っていました。彼らはウォンギョンを失脚させるため、彼女の弟に10軒もの家を売りつけ、汚職の罪を着せようと罠を仕掛けます。家族を守るためには、ウォンギョンもこの件から手を引かざるを得なくなるだろう、という魂胆ですね。

さらに、王宮内でも不穏な動きが。ウォンギョンが入浴する際、キム尚宮がこっそりとお湯に何かを混ぜ込みます。しかし、これは幸運にもウォンギョンがそのお湯を使わなかったため、事なきを得ました。危ないところでした…

様々な脅威に晒されながらも、ウォンギョンは神に祈りを捧げる祭祀を無事にやり遂げます。その直後、太祖の異母弟が公の場で「王妃の弟が10軒の家を不正に売買し、利益を得た!」と告発。しかし、ウォンギョンは情報屋パンスのおかげで、この策略をすでに見抜いていました。

ここからの展開が見事でした。ウォンギョンの弟は自ら王の前に進み出て謝罪し、問題の家々を忠誠の証として国に献上すると申し出たのです。この行動が引き金となり、不正に土地を得ていた他の大臣たちも次々と土地を手放さざるを得なくなり、漢陽の住宅問題は一気に解決へと向かいました。

王はウォンギョンの手腕に満足しながらも、心の奥底では自分以上に王としての資質を見せる彼女に、強烈な嫉妬と不安を覚えていました。この複雑な感情が、王を新たな策略へと駆り立てます。彼は、今回の住宅不正問題の調査責任者に、なんとウォンギョンの弟を任命。これは、ウォンギョンのミン一族と、太祖の異母弟派を真っ向から対立させ、結果的にミン一族の力を削ぐための、恐ろしい計画だったのです。

さらに王は、ミン一族の増長する力を牽制するため、世子の結婚を発表。有力貴族の娘たちを世子嬪(世子の妃)候補として集めます。その中には、有力者イ・スクポムの娘の姿も。この世子嬪選びが、次の権力争いの鍵を握ることを察したウォンギョンは、公正な選抜のために競い合いの場を設けることを決意するのでした。物語はここで幕を閉じ、次なる波乱を予感させます。

『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』第15-16話の感想

今回のエピソードで特に印象的だったのは、ウォンギョンと王イ・バンウォンの関係性の深化です。ウォンギョンが見事な手腕で住宅問題を解決した時、王は喜びと同時に、彼女の持つ「王の器」に対する嫉妬と脅威を感じていました。これは単なる夫婦のすれ違いや権力争いという言葉では片付けられません。互いの能力を誰よりも認め合っているからこそ生まれる、複雑で危険な緊張感。政治的パートナーであり、最大のライバルでもある二人の関係が、このドラマの核であることを改めて感じさせられました。ウォンギョンの成功が、皮肉にも王の策略の引き金となり、自らの一族を窮地に追い込むかもしれないという構図は、非常に見ごたえがあります。二人が今後、どのように手を取り、またどのように対峙していくのか、目が離せません。

つづく