いやはや、今回の『元敬』も息つく暇がありませんでしたね!権力闘争の非情さと、家族の絆のもろさがこれでもかと描かれ、見ているこちらの心もかき乱されっぱなしでした。それでは早速、怒涛の展開となった第21-22話のあらすじとネタバレを見ていきましょう。
『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』第21-22話 あらすじ・ネタバレ
物語は、王妃ウォンギョンが末の息子、後の世宗となる忠寧大君(チュンニョンデグン)の中に、民を深く思う心と王としての資質を見出すところから始まります。聡明な息子の姿に、彼女の胸には新たな希望が芽生えたのかもしれません。
その一方で、5年前に宮殿を追われたチェリョンが、息子の婚礼を機に呼び戻されます。かつての彼女とは打って変わって、ウォンギョンの側で生涯を尽くすと誓うその姿は、新たな波乱を予感させます。
宮殿内では、権力に敏感なイ・スクポムが、現在の王である太宗(テジョン)から世子へと乗り換える動きを見せます。彼は世子のために禁制品である黒角弓を手に入れることを約束し、次期王の側近の座を狙うのでした。しかし、その世子が女官に化けさせた妓生(キーセン)を宮中に隠していたことが発覚し、太宗は激怒。さらに、ウォンギョンの弟たちが世子を殴りつけそうになったことが明らかになり、ウォンギョンは苦渋の決断を迫られます。彼女は王に弟たちの流刑を提案しつつも、密かに命だけは助けてほしいと懇願するのでした。
しかし、イ・スクポムの陰謀はさらに続きます。彼はヒョスン王女の侍女を操り、ウォンギョンの実家であるミン氏一族が、王女と彼女が身ごもる子を殺めようとしたと王に嘘の報告をさせます。真実が漏れることを恐れたイ・スクポムは、その後侍女を殺害。この偽りの証言を信じた太宗は、ついにウォンギョンの弟たちに毒薬による死を命じるという、あまりにも非情な決断を下します。愛する弟たちの死という耐えがたい悲しみに襲われながらも、ウォンギョンは王妃として、必死に威厳と平静を保とうとします。
その後、王と王妃は、世子がイ・スクポムと共に黒角弓を手にしている現場を押さえます。イ・スクポムは流刑となり、ウォンギョンは改めて「世子は王の器ではない」と太宗に訴えます。しかし、かつて自らも兄弟を手にかけた太宗は、息子たちの間で再び血の悲劇が繰り返されることを恐れ、伝統に従い世子を後継者とする決意を崩しませんでした。
失意の中、ウォンギョンが太宗、そして末息子の忠寧大君と家族水入らずの散歩を楽しんでいた矢先、新たな悲劇が一家を襲います。忠寧大君が突然高熱を出し、それが天然痘であることが判明するのです。我が子を救ってくれと御医にすがる太宗の悲痛な叫びが響き渡り、物語は幕を閉じます。
『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』第21-22話の感想
今回のエピソードは、権力の頂点に立つ者の孤独と、政治の非情さが胸に突き刺さる回でした。ウォンギョンが王妃としての立場を守るため、そして夫である王の政権を安定させるために、実の弟たちを見殺しにする決断を下す場面は、見ていて心が締め付けられるようでした。彼女の涙をこらえ、毅然と振る舞う姿は、まさに鉄の女。しかしその内面では、どれほどの葛藤と悲しみがあったことでしょう。一方で、問題ばかり起こす世子を廃位できず、過去のトラウマに縛られる太宗の人間的な弱さも描かれ、この夫婦の複雑な関係性がより一層際立ちました。ようやく訪れたかに見えた家族の穏やかな時間に、末息子の病という更なる試練が降りかかるラストは、あまりにも残酷です。権力のために多くのものを犠牲にしてきた彼らが、これから何を見出すのか、目が離せません。
つづく