物語は、ジュヒョンの離婚調停の場面から始まります。なんと、そこで彼が顔を合わせたのは、元恋人のパク・スヨン。まさかの再会に言葉を失うジュヒョン。偶然、仕事で家庭裁判所に来ていたヒジは、そんなジュヒョンの姿を見かけますが、彼は気づかないふりをして背を向けてしまいます。
後日、ランチの席でヒジに裁判所のことを聞かれても、「見かけなかった」としらを切るジュヒョン。ヒジは彼の様子が明らかにおかしいと感じ取ります。その裏で、同僚のムンジョンはアレルギーの薬をもらいに病院へ。ついでに薬局で妊娠検査薬を購入していました。彼女にも何か秘密があるようですね。
一方、弁護士事務所では、サンギが新たな依頼人と面会していました。依頼人の妻は、不倫相手の男性が運転する車に同乗中、飲酒運転事故で亡くなったとのこと。妻は被害者ではあるものの、夫としては不倫相手の家族に妻の死に対する補償を求めたいという複雑な案件です。サンギは、訴訟相手が加害者の妻や子供になることを説明します。
また、やり手弁護士のチャンウォンは、ある企業の会長から奇妙な依頼を受けます。それは、刑務所にいる会長の息子の話し相手として、毎日1時間一緒に過ごしてほしいというもの。実際の弁護活動は別の人間がやるという条件に、チャンウォンは渋々同意するのでした。
ジュヒョンの案件に話を戻しましょう。彼のクライアントであるジョンホの妻、つまり元カノのスヨン側から、ジョンホによる暴言や一度は暴行もあったとする書面が届きます。もちろんジョンホは無実を主張しますが、ジュヒョンは彼の言葉を信じきれません。
その夜、ヒジが父親の迎えの車で帰宅しようとすると、事務所にスヨンが訪れるのを目撃します。車中での会話から、ヒジが25年前に実の両親を亡くし、養子として育てられたことが明らかになります。
翌日、ヒジは再び家庭裁判所でジュヒョンとスヨンを見かけ、スヨンがジュヒョンの元恋人であることを思い出します。さらに、ジュヒョンがスヨンの夫であるジョンホの弁護士だと知り、衝撃を受けます。ヒジはジュヒョンに「なぜこの案件を引き受けたのか」と問い詰めますが、彼は「それが自分のやり方だ」と突っぱねます。
しかし、ジュヒョンの心は穏やかではありませんでした。かつてのスヨンとの幸せな日々の記憶が蘇ります。次の調停でスヨンと二人きりになったジュヒョンは、「この件を終わらせる一番の近道は、財産分与と慰謝料の請求を取り下げることだ」と助言。スヨンは彼の言葉を受け入れ、離婚は成立します。
その後、衝撃の事実が発覚します。離婚成立に喜ぶクライアントのジョンホは、ジュヒョンに商品券を渡そうとします。そして、彼がジュヒョンを弁護士に選んだのは、元恋人であるスヨンを精神的に追い詰めるためだったと、悪びれもなく告白するのです。彼はスヨンの友人から二人の関係を聞き出していたのでした。
この卑劣なやり方に激怒したジュヒョンは、商品券を破り捨てます。逆上したジョンホが掴みかかろうとしますが、ジュヒョンは室内の監視カメラを指さし、冷静に彼を追い返しました。そして、その一部始終を、ヒジが物陰から見ていたのです。
気まずそうにその場を去るヒジ。一方、ムンジョンは購入した妊娠検査薬を試し、結果が陽性であることを知ります。
帰宅途中、ジュヒョンはヒジからの心配するメッセージを受け取ります。そして、元恋人スヨンからも一件のメッセージが。「ジョンホの弁護士から、いつものジュヒョンに戻った?」――その言葉が、彼の心に重く響くのでした。
『瑞草洞<ソチョドン>』第4話の感想
今回のエピソードは、弁護士という職業の倫理観と個人の感情が激しく衝突する様子が描かれ、非常に見応えがありました。元恋人と法廷で対峙し、その夫の弁護をしなければならないジュヒョンの苦悩は、画面越しにも痛いほど伝わってきます。クライアントの隠された悪意が明らかになった瞬間、彼が怒りを爆発させた場面は、彼の誠実さを示す重要なシーンだったと感じます。また、彼を心配そうに見守るヒジの存在が、この重い物語の中で唯一の救いのように思えました。サンギが担当する複雑な交通事故の案件や、ムンジョンの妊娠など、他のキャラクターたちの物語も同時に進行し、それぞれが抱える問題が今後の展開にどう影響していくのか、目が離せません。単純な勧善懲悪ではない、人間の多面性を深く描いた脚本に引き込まれました。
つづく