さあ、今回もやってまいりました『悪魔判事』!第4話は、もう情報量が多すぎて頭がパンクしそうでしたね。カン・ヨハンの過去、チョン・ソナの暗躍、そしてキム・ガオンの揺れる心…。一体何が真実で、何が偽りなのか。早速、怒涛の展開となった第4話を深掘りしていきましょう!
裁判で全国民から糾弾され、すっかり怯えきったイ・ヨンミン。そんな息子の姿を見た母、法務部長官チャ・ギョンヒは、なりふり構わずカン・ヨハンに電話で情けを乞いますが、ヨハンは冷たく一蹴します。
諦めきれないチャ・ギョンヒはヨハンと直接会う約束を取り付け、「どんな要求でものむ」と息子の助命を懇願します。するとヨハンが持ち出したのは、19年前のある事件。当時、チャ・ギョンヒが無実の役人に汚職の罪を着せ、自殺に追い込んだ過去でした。ヨハンは、その役人の名誉を回復するために真実を公表するなら、ヨンミンを見逃すと取引を持ちかけます。実は、その役人の息子こそ、ヨハンの忠実な部下Kだったのです。Kは、ヨハンが自分の父のために動いてくれていたことを知り、静かに涙を流すのでした。
一方、ヨハンの屋敷で暮らすキム・ガオンは、鍵のかかった謎の部屋に侵入してしまいます。そこで彼が見たのは、ヨハンの兄イ・ソクと家族の写真。しかし、そこに車椅子に乗った少女エリヤが現れ、ガオンは問答無用で追い出されてしまいます。エリヤの心を解きほぐそうと、彼女の好物だというトーストサンドイッチを作るガオンですが、エリヤは心を開きません。それどころか、「ヨハンの外面に騙されないで。10年前の火事を忘れたことはない」と意味深な言葉を残します。ガオンは、友人の刑事ユン・スヒョンに10年前の火事について調査を依頼するのでした。
そんな中、ヨハンはガオンに高級スーツと時計を見立て、社会的責任財団が主催するチャリティー晩餐会へと連れて行きます。会場では、財団の理事であるチョン・ソナがガオンに馴れ馴れしく言い寄ってきます。
パーティーの裏では、財団の会長ソ・ジョンハクが女性従業員にセクハラを働く場面も。その光景を目撃したソナは、ソ・ジョンハクを別室に呼び出すと、人が変わったように彼を殴りつけ、脅迫します。彼女の目的は一体何なのでしょうか。
ガオンは、権力者たちと馴れ合うヨハンの姿に嫌気がさし、その場を離れます。すると、またしてもソナが現れ、ガオンに衝撃の事実を告げます。「10年前の火事の日、ヨハンの兄イ・ソクは財団に全財産を寄付する予定だった。しかし、火事で彼が亡くなると、ヨハンはその寄付をキャンセルした」と。
追い詰められたチャ・ギョンヒは、ついに国民の前で謝罪し、息子の厳罰を求めると発表します。そして再び開かれた公開裁判。弁護側はヨンミンが精神障害であると主張し、父親も涙ながらに監督不行き届きを訴えます。しかし、ヨハンが提案した判決は、なんと「笞刑(ちけい)」、つまり公開むち打ちの刑でした。
一度は反省したかのように見えたヨンミンですが、判決を聞くと豹変。法廷で暴れ、人々を罵倒します。結局、判決は覆らず、ヨンミンは刑場で国民が見守る中、絶叫しながらむちで打たれ、意識を失うのでした。
裁判後、ガオンは10年前の火事を担当した元刑事を突き止めますが、彼はソナから聞いた「ヨハンが寄付をキャンセルした」という話を否定します。真実を確かめようとヨハンに問いただすガオンですが、ヨハンは激怒し、何も語ろうとしません。
物語のラスト、ヨハンの脳裏にあの火事の日の記憶が蘇ります。
教会で開かれた寄付式典で火災が発生。人々が逃げ惑う中、ヨハンは炎の中に飛び込みます。そこで彼が見たのは、姪であるエリヤの肩を踏み台にして逃げるチャ・ギョンヒの姿でした。兄イ・ソクはエリヤを助け出したものの、燃え落ちる梁の下敷きに。ヨハンもエリヤを抱えて外に出たところで気を失い、朦朧とする意識の中、救急隊員が犠牲者の金品を盗む地獄絵図を目撃していたのです…。
『悪魔判事』第4話の感想
今回は、カン・ヨハンの「悪魔」としての側面だけでなく、彼の行動の根源にある深い悲しみと怒りが垣間見えた回でした。特に、ラストで明かされた10年前の火事の真相はあまりに衝撃的です。彼がなぜあれほどまでに権力者を憎み、歪んだ世の中を正そうとするのか、その理由の一端が示されたように感じます。一方で、チョン・ソナという新たな「悪魔」の存在感も増してきました。彼女の底知れない不気味さと目的の読めなさが、物語に更なる緊張感を与えています。キム・ガオンと同じように、視聴者もまた「何が本当の正義なのか」という問いを突きつけられ、善と悪の境界線がどんどん曖昧になっていく感覚に陥ります。登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、一瞬たりとも目が離せない濃密な一時間でした。
つづく