いやもう、今回もカン・ヨハンの掌の上で踊らされっぱなしでしたね!彼の過去の傷がチラ見えしたかと思えば、とんでもない判決で世間をアッと言わせる。そしてラストには、妖艶すぎる新たな敵の登場…。さっそく、怒涛の第5話を振り返っていきましょう!

悪夢にうなされる悪魔判事

物語は、カン・ヨハン(チソン)が悪夢にうなされるシーンから始まります。燃え盛る炎の中、亡くなった兄イ・ソクが立っている。助けようと手を伸ばしたところで、ハッと目を覚ますヨハン。そこに駆けつけたのは、心配したキム・ガオン(ジニョン)でした。しかし、兄と瓜二つのガオンの顔を見たヨハンは、安堵するどころか恐怖に顔を歪ませます。彼の心に刻まれた深いトラウマが、ガオンの存在によってかき乱されていく…。その様子を、部屋の隅から姪のエリヤが冷たい目で見つめているのも、また不気味でしたね。

一方、ヨハンを内密に調査していたことがバレてしまったガオン。一度は示範裁判部を追い出されますが、なんとヨハン自身の鶴の一声で、あっさり職場復帰を果たします。ヨハンの真意が読めず、ガオンはますます混乱するばかりです。

母の涙と、新たな公開裁判

前回、息子のイ・ヨンミンが国民投票によって鞭打ち刑に処されたチャ・ギョンヒ法務部長官(チャン・ヨンナム)。彼女はテレビのインタビューに応じ、息子の痛々しい傷跡の写真を手に、涙ながらにヨハンの非情さを訴えます。これには世論も少し同情的になりますが、その裏で糸を引いていたのは、あの社会的責任財団の理事、チョン・ソナ(キム・ミンジョン)でした。彼女の不気味な笑みが、すべてを物語っています。

そんな中、新たな公開裁判が開かれます。今回の被告人は、人気俳優のナム・ソクフン。彼は常習的に性的暴行を繰り返してきたにもかかわらず、権力を使って罪をもみ消してきたクズ中のクズ。法廷で悪びれる様子もなく罪を認める彼に、国民の怒りは頂点に。

ここでヨハンは、とんでもない提案をします。「彼を化学的に去勢するのはどうでしょう?」と。この過激な提案に、法廷も国民も熱狂の渦に巻き込まれます。

悪魔の涙と、予想外の判決

しかし、ガオンはこのやり方に強く反発します。「あなたは怪物になることで、現実から逃げているだけだ!」とヨハンに詰め寄るガオン。その言葉は、図らずもヨハンの心の奥底に突き刺さります。幼い頃、父親から鞭で打たれた辛い記憶がフラッシュバックし、”悪魔判事”の仮面が剥がれ落ちたヨハンの瞳からは、一筋の涙がこぼれ落ちるのでした。

そして、運命の判決。国民の多くが「去勢」を望む中、ヨハンが下した判決は「懲役20年」。誰もが拍子抜けした瞬間、ヨハンはこう付け加えます。「ただし、刑務所はアメリカにあります。性犯罪者だけを収容する、最も過酷な刑務所です」と。スクリーンに映し出されたのは、新たな”おもちゃ”の到着を待ちわびる、屈強な囚人たちの姿…。ナム・ソクフンは恐怖のあまり絶叫し、国民はヨハンの「神判決」に再び熱狂するのでした。

妖艶な蜘蛛の罠

裁判後、ヨハンは一本の連絡を受け、指定された場所へ向かいます。しかし、そこで何者かに襲われ、意識を失ってしまうのです。

ヨハンが目を覚ますと、そこは薄暗い部屋。椅子に縛り付けられた彼の前に現れたのは…なんと、チョン・ソナ!彼女はまるで獲物をいたぶる蜘蛛のように、妖艶な笑みを浮かべてヨハンに迫ります。「お久しぶり、お坊ちゃま」と囁き、強引にキスをするソナ。彼女は一体何者なのか?ヨハンの過去に、何があったのか?最大の謎を残して、第5話は幕を閉じました。

『悪魔判事』第5話の感想

今回のエピソードは、カン・ヨハンという人物の多面性が見事に描かれていました。国民を熱狂させるショーマンシップと冷徹な判断力を持つ一方で、兄の死という過去のトラウマに苦しみ、ガオンの言葉に心を揺さぶられて涙を流す人間的な弱さ。このギャップこそが、彼のキャラクターに抗いがたい魅力を与えています。また、ガオンとの関係も興味深いですね。反発し合いながらも、お互いの存在が過去の傷や正義感を刺激し合う、まさに鏡のような関係性だと感じました。そして何より、ラストに登場したチョン・ソナの存在感は圧倒的でした。彼女がヨハンの過去を握る重要人物であることは間違いなく、今後の物語を大きく左右するであろう彼女の動向から目が離せません。

つづく