孤独なギョヌとソンアの決意
物語は、ギョヌのおばあさんの葬儀場から始まります。たった一人で弔問客のいない寂しい席を守るギョヌ…。そこへ駆けつけた親戚たちは、彼を慰めるどころか、心ない言葉で追い詰める始末。見ていて胸が苦しくなりました。そんなギョヌをなんとか守ろうと、ソンアはずっとそばに寄り添います。しかし、両親が来ると聞かされたギョヌは、その場を去るしかありませんでした。
一方、ソンアの霊的な母親であるトンチョン将軍たちは、いわくつきの家で除霊の儀式を行っていました。しかし、そこにいたのはただの悪霊ではなく、人間が自らを犠牲にして力を与えた強力な存在。トンチョン将軍は仲間をかばい、強力な呪いを受けてしまいます。その家の近くで見つかったのは、ネットで有名なカリスマ巫女、イェン・ホアの持ち物…。彼女は何かを知っているようですが、今は会うべき時ではないと姿を隠しているのでした。このミステリアスな展開、今後の大きな鍵になりそうですね。
学校にも来なくなったギョヌを心配したソンアは、彼の家を訪れます。そこで彼女が見たのは、生きる気力を失ったギョヌに取り憑く「自殺霊」でした。このままでは危ないと感じたソンアは、トンチョン将軍に助けを求めます。そこで授けられた秘策は、なんとソンア自身が「人間お守り」になること!ギョヌに触れるたびに、その温もりで自殺霊を追い払うことができるというのです。
人間お守り大作戦と、動き出す心
ここから、ソンアのコミカルで健気な「人間お守り大作戦」がスタート!どうにかしてギョヌに触れようと、あの手この手で近づくソンアの姿が、とってもキュートでした。
そんな中、学校では嬉しい変化が。アーチェリー部のコーチがギョヌを庇うのをクラスメイトが耳にし、彼が倉庫火災の放火犯ではないという真実が広まり始めたのです。
放課後、ソンアはこっそりギョヌの後をつけますが、あっさりバレてしまいます。二人は連れ立って、おばあさんの納骨堂へ。そこに飾られた、ギョヌがアーチェリーで金メダルを獲った時の写真を見て、ソンアは「おばあさん、すごく嬉しそう」と涙ぐみます。その言葉で、自分の活躍が祖母にとってどれほどの喜びだったかを改めて実感したギョヌ。その瞬間、彼に取り憑いていた自殺霊の力が弱まり始めました。そして、ギョヌは久しぶりにアーチェリー場へと足を運び、静かに弓を手に取るのでした。
消えゆく霊と、芽生える恋
コーチからの励ましもあり、再びアーチェリーの練習を始めたギョヌ。彼が生きる意味を見つけ出すにつれて、自殺霊はどんどん薄れていきます。
しかし、ソンアは新たな脅威に気づいていました。クラスメイトの一人に、慰めることのできない危険な「赤ん坊の霊」が取り憑いていたのです。ギョヌを守るため、ソンアはこっそり彼に新しいお守りを渡そうとします。
その時、二人の会話の中で、ギョヌはいつも明るく、ひたむきに自分を支えようとしてくれるソンアに、特別な感情が芽生え始めていることに気づきます。その心の変化が決定打となり、ギョヌに取り憑いていた自殺霊は完全に消え去りました。
ラストシーンでは、喜びのあまりハイタッチをしようとしたソンアの手を、ギョヌがそっと握り返します。驚きとときめきが交差する二人の表情で、第3話は幕を閉じました。
『巫女と彦星』第3話の感想
第3話は、重苦しい雰囲気から一転、希望の光が見える回でした。特に、ソンアが「人間お守り」となってギョヌを救おうと奮闘する姿は、コミカルでありながらも彼女の一途な想いが伝わってきて、心から応援したくなります。ギョヌがただ守られるだけでなく、アーチェリーという自身の拠り所を通して自ら立ち直っていく過程が丁寧に描かれていたのも良かったです。彼の心の氷が、ソンアの温かさで少しずつ溶けていく様子は、見ていてとても穏やかな気持ちになりました。また、トンチョン将軍と謎の巫女イェン・ホアのエピソードも挿入され、単なる学園ロマンスに留まらない、物語の奥深さを感じさせます。二人の恋の始まりを予感させるラストシーンは、今後の展開への期待を静かに高めてくれました。
つづく