ついに、この時が来てしまいましたね…。巫女であることを必死に隠してきたソンアの秘密が、よりによって一番知られたくない相手、ギョヌにバレてしまいました。第5話は、そんな二人の心が激しく揺れ動く、切なさ満点の回でした。

秘密の露見と、閉ざされた心

物語は、ソンアがイェン・ホアと共に巫女の舞を踊っているところを、ギョヌが目撃してしまう衝撃的なシーンから始まります。言葉を失い、その場を立ち去るギョヌ。彼のショックは計り知れず、一人路上に座り込む彼の周りには、知らず知らずのうちに霊たちが引き寄せられていました。

慌てて彼を見つけ出したソンアは、嘘をついていたことを必死に謝りますが、傷ついたギョヌの心には届きません。「今まで僕に言ったことで、嘘じゃなかったことはいくつあるんだ」という冷たい言葉が、ソンアの胸に突き刺さります。

その頃、ソンアの霊的な母親である巫女たちは、ある家に封印された悪霊を監視していました。この悪霊は、儀式を行う者の命を犠牲にして邪神へと変化する寸前で、完全な邪神となるためには100人の命が必要だという、恐ろしい事実が明かされます。物語の裏で、とてつもなく大きな危機が迫っているのです。

「人間のお守り」が効かない!?

ソンアは屋上でギョヌとジホに、自分が巫女であることをすべて打ち明けます。しかし、ギョヌは彼女が何か裏の目的があって自分に近づいたのだと疑い、心を固く閉ざしてしまいます。

さらに、追い打ちをかけるように新たな問題が発生します。クラスメイトに取り憑いていた赤ちゃんの幽霊が騒ぎ出した時、ソンアはギョヌを守ろうと彼の手を掴みます。しかし、いつもなら効果があるはずの「人間のお守り」の力が発動せず、ギョヌは割れたカップで手を怪我してしまうのです。

図書館でも同様の事件が起こり、今度は倒れてきた本棚の下敷きになってギョヌは病院に運ばれてしまいます。自分のせいでギョヌを危険な目に遭わせてしまったと打ちひしがれるソンア。彼女のタッチが効力を失ったのは、ギョヌが彼女を信じなくなったからなのでしょうか…。二人の心の距離が、不思議な力にまで影響を及ぼす展開には胸が締め付けられます。

それぞれの優しさ、それぞれの痛み

ソンアは、友人に取り憑いた赤ちゃんの幽霊を成仏させるため奔走します。幽霊の母親が必死に探していた人形を返し、一つの問題は解決へと向かいました。

一方、ギョヌの親友ジホは、彼が過去の火事事件で友人に負い目を感じ、今も責められ続けていることを知ります。傷ついたギョヌを守るため、ジホは自分が「人間のお守り」になると申し出るのでした。ジホの健気な優しさが、このドラマのもう一つの見どころですね。

雨の中の再会

ソンアは、かつてギョヌに渡したリップクリームがゴミの中に捨てられているのを見つけてしまいます。それはまるで、自分の存在そのものを否定されたかのようでした。彼女が雨の中で一人、涙に暮れていると、背後からそっと傘が差し出されます。そこに立っていたのは、ギョヌでした。言葉もなく、ただ傘を差し出すギョヌと、涙を流すソンア。この切ないラストシーンは、二人の関係にまだ希望が残されていることを示しているのかもしれません。

『巫女と彦星』第5話の感想

今回のエピソードは、二人の関係が最もつらい局面を迎えた回でした。信じていた相手に裏切られたと感じるギョヌの痛みと、真実を伝えられずに彼を傷つけてしまったソンアの後悔がひしひしと伝わってきて、見ていて非常に心が痛みました。特に、ソンアの「人間のお守り」の力が効かなくなるという展開は、二人の信頼関係が全ての基盤であったことを象徴しており、秀逸な演出だと感じます。

一方で、ギョヌを献身的に支えようとするジホの存在が、物語に温かみと深みを与えています。彼の優しさが、今後の三角関係にどう影響していくのかも気になるところです。邪神を巡る不穏な動きも本格化し、単なる学園ロマンスではない、サスペンスフルな展開から目が離せません。

つづく