雨の中の再会、そして残酷な真実

物語は、ギョヌが一度は捨ててしまったソンアからのプレゼントを拾いに戻るシーンから始まります。雨の中、ずぶ濡れで泣いているソンアを見つけたギョヌは、彼女を自分の家に連れて帰ります。この優しさが、後々の悲劇につながるなんて、この時は誰も思わなかったでしょうね…。

ギョヌの家で、ソンアは亡くなった祖母の写真に奇妙な文字が書かれているのを見つけます。それは、祖母の魂をこの世に縛り付け、成仏させないための強力な呪いでした。ソンアは呪いを解く唯一の方法として「写真を燃やすこと」を告げます。

大好きな祖母の写真を燃やすなんて、到底受け入れられないギョヌ。「他に方法はないのか」とソンアに詰め寄りますが、彼女も答えられません。ギョヌはかつてのトラウマを重ね合わせ、ソンアをイェン・ホアと同じだと非難してしまいます。その言葉に傷ついたソンアは、何も言えずに彼の家を後にするのでした。

それぞれの戦い、交錯する想い

ギョヌは最後の望みをかけて、呪いをかけた張本人であるイェン・ホアに「呪いを解いてほしい」と懇願しに行きます。その頃、ソンアは一人で納骨堂を訪れ、祖母の骨壺にかけられた呪符を発見。それを持ち帰り、霊的な母の助けを借りて呪いを浄化しようと奮闘します。ソンア、健気すぎる…。

一方、学校の課題でギョヌを尾行していたジホは、ギョヌとイェン・ホアが一緒にいるところを目撃。イェン・ホアがギョヌに新たな呪いをかけようとしたその瞬間、ジホの持っていたアクションフィギュアが光を放ち、ギョヌを守ります!なんと、あのアクションフィギュアはソンアが仕込んだお守りだったんですね。

その魔力を感じ取ったイェン・ホアは、呪いを解くフリをしてギョヌの家に入り込み、お守りを探し始めます。そこにソンアが駆けつけ、間一髪でアクションフィギュアを奪い返しました。

聞こえてしまった会話、そしてギョヌの決断

家の外で対峙するソンアとイェン・ホア。「最初から呪いを解く気なんてなかったでしょ」と問い詰めるソンア。その会話を、ギョヌは聞いてしまったのです。

信じていたイェン・ホアに裏切られ、ずっと自分を守ろうとしてくれていたのがソンアだったと知ったギョヌ。彼は打ちひしがれながらも、自らの手で祖母の写真を燃やすことを決意します。愛する祖母を自分の手で…そのシーンは本当に胸が張り裂けそうでした。

逆さ呪いと、解き放たれる悪霊

イェン・ホアの悪行に対し、ソンアの霊的な母は、術師の命を奪う「逆さ呪い」をかけます。しかし、その術には代償が伴い、ソンアの母は自らが罰を受けることを覚悟の上でした。

呪いが発動し、苦しみ始めたイェン・ホアは、悪霊が封印されている廃屋へ。そして、自らの血を吸わせた木の人形の首を折り、遠くへ投げ捨ててしまいます。悪霊が完全な魔王となるために必要な生贄は、あと一人…。最悪のカウントダウンが始まってしまいました。

忍び寄る影、そして衝撃のラスト

ソンアはジホを介して、常にギョヌに触れさせ、お守りの力を発動させるよう遠隔で指示し続けます。ギョヌもまた、ソンアが自分を守ってくれていたこと、そして彼女が巫女になった経緯や、そのせいで辛い学生時代を送っていた過去を知り、ようやく彼女の行動のすべてを理解し始めます。

そんな中、学校のいじめられっ子が父親からの虐待に耐えきれず、あの廃屋に逃げ込んでしまいます。悪霊は彼に憑依。そのペットの霊がいち早くソンアに危険を知らせます。入ることを固く禁じられていた廃屋へ、ソンアは走り出します。そして、その後を追うギョヌ。

ソンアが廃屋の中で見たもの。それは、悪霊に憑依されたかのような、不気味な表情で佇むギョヌの姿でした…。ここで終わるなんて、あんまりです!

『巫女と彦星』第6話の感想

今回の第6話は、登場人物たちの感情が深く掘り下げられ、物語が大きく動いた回でした。特に印象的だったのは、ギョヌが自ら祖母の写真を燃やすシーンです。信じていた相手に裏切られ、真実を知った彼の絶望と、愛する人を守るために下した悲痛な決断には、胸が締め付けられました。また、これまで誤解されがちだったソンアの行動の裏にある、深い優しさと強さが明らかになったのも見どころです。彼女が一人で呪いを解こうと奮闘する姿や、ギョヌを守るために払ってきた犠牲を知ることで、彼女への見方が大きく変わった視聴者も多いのではないでしょうか。ファンタジー要素の強い呪術の攻防だけでなく、こうしたキャラクターたちの心の機微が丁寧に描かれているからこそ、このドラマはこれほどまでに私たちの心を掴むのだと改めて感じさせられました。

つづく