Sラインの謎と新たな模倣犯の影
「Sラインって、本当に存在するのか…?」
ハン刑事の尽きない疑問から物語は始まります。ヒョンフプからSラインの仕組みを聞かされても、まだどこか半信半疑。でも、彼女がいつもあの赤い線を見ながら生きている辛さを想像せずにはいられません。
一方、ハンは姪ソナの事件の真相を追い続け、ついにヒョンフプの亡き父親の死亡事件ファイルにまで辿り着きます。ヒョンフプは、ソナがクラスの誰ともSラインで繋がっていなかったことを証言。謎は深まるばかりです。
そんな中、ヒョンフプはテレビのニュースで新たな殺人事件が報道されているのを目にします。画面に映し出された犯人がかけていたのは…金縁のメガネ。まさか、あの呪われたメガネは一つだけじゃないのか?不穏な空気が漂い始めます。
歪んだ夢とホテルでの惨劇
場面は変わり、とある学校。金縁のメガネをかけた地味な事務員の女性が、上司に叱られています。同僚たちとのランチタイム、彼女は「女優になるのが夢なの」と打ち明けます。このささやかな夢が、後に血塗られた悲劇の引き金になるとは、誰も知る由もありませんでした。
週末、ヒョンフプが働くホテルに、その事務員が派手なウィッグをつけて現れます。偶然居合わせたヒョンフプの友人たちは、彼女が学校の職員だと気づきますが、彼女の異様な雰囲気には気づけません。
事務員の狂気はここから暴走します。彼女は、密かに想いを寄せる同僚のイケメン男性と、とある女優が隣室で密会しているのを覗き穴から目撃してしまうのです。嫉妬に狂った彼女は、翌日、ホテルにやってきた女優を待ち伏せして襲い、気絶させて自室に監禁。そして、女優のドレスを奪い、自分が成り代わって同僚の部屋へと向かいます。
ホッチキスを手に、歪んだ愛のセリフを語りかける事務員。恐怖を感じた同僚は逃げようとしますが、彼女が水に仕込んでいた薬によってその場で意識を失ってしまいます。
倒れた同僚の頭から血が流れ、ベッドが赤く染まっていく…。しかし、彼女は助けようとはしません。それどころか、天井の鏡に映る自分を見つめながら、彼と関係を持っているかのように振る舞い、歪んだファンタジーに酔いしれるのです。
その後、浴槽に浸かった彼女は、ホッチキスの針を自らの腕や足、そして顔にまで突き刺すという、常軌を逸した行動に…。
ついに一線を越えたハン刑事
監禁されていた女優がなんとか脱出し、廊下でヒョンフプに助けを求めます。ヒョンフプが隣の部屋に足を踏み入れると、そこにはベッドの上で冷たくなった男性と、浴槽で血の海に沈む事務員の姿が。
現場に駆け付けたハンは、部屋にあのメガネがないことに気づきます。ヒョンフプは静かに、しかし確信を持って彼に告げます。
「あのメガネは、かけた人を特別な気分にさせるんです。例外なく」
そして、物語は最悪のラストシーンへ。
再び現場に戻ったハンは、血が抜かれた浴槽の底で鈍く光る「金縁のメガネ」を発見してしまいます。抗えない衝動に駆られ、彼はついにそのメガネを手に取り、自らの顔にかけてしまうのです。
その瞬間、ハンの目に、世界は一変して映りました。
無数の赤い線が、彼自身の過去から伸びているのが…はっきりと。
追う者だった刑事が、Sラインの当事者になってしまった瞬間でした。
『Sライン』第4話の感想
第4話は、物語の前提を根底から揺るがすような展開でした。Sラインが見えるメガネが一つではない可能性が示唆され、新たな殺人鬼まで登場。特に、女優になる夢を歪んだ形で実現しようとする学校事務員の狂気は、見ていて背筋が凍る思いでした。彼女の行動は、メガネが持つ「人を特別にさせる」という魔力を、これ以上なく生々しく描き出しています。そして何より衝撃的だったのは、ラストシーン。事件を追う立場だったハン刑事が、ついに自らメガネをかけてしまうとは。彼自身のSラインが見えた瞬間、物語の構図が完全に覆されたように感じます。正義を信じてきた彼が、これから自らの過去とどう向き合っていくのか。非常に重い問いを突き付けられた回でした。
つづく