テウン、実の母との決別「あんたみたいな人間にはならない」
物語は、テウンが実の母ノ・エリと対面する衝撃的なシーンから始まります。末期がんだと告白する母は、テウンに「最後の遺産」だと言って、ガンジュを会社から追い出すための秘密情報を渡そうとします。「金だけは裏切らない」と言い放ち、歪んだ愛情を見せる母に対し、テウンは毅然とした態度で拒絶!「あんたを喜ばせるために、嘘をついたり、裏切ったり、そんな人間になると思うか?」「俺の人生から静かに消えてくれ」と言い放つ姿には、彼の強い意志と、タリミファミリーと過ごす中で育まれた確かな価値観が感じられました。育ててくれたボンヒを「たった一人の母さん」と呼ぶテウンの言葉には、グッとくるものがありましたね。
おかえり、テウン!涙と笑いの家族会議
アメリカから帰国したテウンを待っていたのは、心配と怒りが入り混じったタリミファミリーの面々でした。大金持ちであることを隠していたことについて、最初は怒りをぶつけていた家族ですが、「本当の息子のように過ごせるこの場所を失いたくなかった」というテウンの涙の告白に、みんなの心は一瞬で溶けてしまいます。特にボンヒは、テウンが実の親との間でどれだけ苦しんでいたかを知り、「どう生きたらいいか分からない」と弱音を吐く彼を、本当の母親のように優しく抱きしめるのでした。血の繋がりを超えたこの家族の温かさこそ、このドラマの真骨頂ですよね。
ダリムのキンパが溶かす、ガンジュの孤独な心
一方、会社ではガンジュが絶体絶命のピンチに。会長の息子であることが社内に知れ渡り、映画学校に通っていたことまで暴露され、完全に孤立無援の状態です。そんな彼を放っておけないのが、我らがダリム!自分がガンジュを裏切る形になったことに責任を感じていたダリムは、手作りのキンパ(海苔巻き)を持って、一人寂しくしているガンジュの元へ。
「私にとっては、前のあなたと何も変わらない」と、まっすぐな言葉をかけるダリム。そして、ぶっきらぼうながらも彼女のキンパを美味しそうに頬張るガンジュ。この二人のやり取り、最高にキュンとしました!お互いに孤独を抱える二人が、少しずつ心を通わせていく様子は、今後の展開から目が離せません。
新たな火種?怪しい家族の動きと、最後の衝撃
ほかにも、新婚旅行から帰ってきたムリムがご祝儀の帳簿を気にしたり、ミヨンが泥棒の顔を知っているのに隠している素振りを見せたりと、家族の中にも不穏な空気が…。
そしてラスト、ガンジュを陥れた掲示板の投稿はテウンの仕業だったのか…?という衝撃的な展開で幕を閉じました。ガンジュがテウンに「父さんから離れろ」と警告するシーンは、今後の二人の対立を予感させます。一体、誰が本当のことを言っているのか?物語はますます複雑な様相を呈してきました!
『タリミファミリー~恋もお金もクリーンに!』第16話の感想
今回のエピソードは、「本当の家族とは何か」というテーマが色濃く描かれた回だったと感じます。テウンは、自分を捨てた実の母親からの「遺産」という名の誘惑をきっぱりと断ち切り、血の繋がらないタリミファミリーを自らの「本当の家族」として選びました。彼の苦悩と決断を通じて、家族の絆は血縁だけで測れるものではないという、温かくも力強いメッセージが伝わってきました。
一方で、これまで完璧に見えたガンジュの脆さや孤独が浮き彫りになったのも印象的です。家族という枠組みの中で傷つき、孤立する彼にとって、ダリムが差し伸べた優しさや手作りのキンパは、何よりも心に沁みるものだったでしょう。登場人物それぞれが、自分の居場所や人との繋がりを必死に模索する姿に、深く考えさせられました。物語に散りばめられた謎や対立構造が、今後の展開を一層興味深いものにしています。
つづく