ガンジュ親子の受難と会長の非情な決断

物語は、ガンジュが父である会長に解雇を言い渡される衝撃的なシーンから幕を開けます。しかも、ただクビになるだけでなく、過去の留学費用として50万ドルもの大金を返済しろという、あまりにも非情な通告! これを知った母のミヨンは激怒し、息子のために会長のもとへ乗り込みます。

「息子を苦しめるなら離婚よ!」とタンカを切るミヨン。 彼女にとって、ガンジュは血の繋がりを超えた、何よりも大切な存在。その息子が不当に扱われることは、自分の身を引き裂かれるよりも辛いことなのでしょう。しかし、会長は冷酷。「望むところだ」とばかりに離婚を受け入れ、ガンジュ親子の心は完全に引き裂かれてしまいます。

テウンを巡る姉妹の三角関係、勃発!

一方、タリミファミリーでは新たな恋の嵐が吹き荒れます。なんと、ダリムとチャリムの姉妹が、二人ともテウンに想いを寄せていることが発覚!

母のボンヒは、娘たちが会長の息子であるテウンに色目を使っていると勘違いし、二人を問い詰めます。 これに対し、姉のチャリムは「テウンとは相思相愛よ!」と大胆な宣言!

傷ついたダリムは、真実を確かめるためにテウンのもとへ。しかし、テウンの口から出たのは「チャリムのことは好きだった。でも今は違う」「君は妹のような存在だ」という、残酷な言葉でした。 ダリムの純粋な恋心は、木っ端みじんに打ち砕かれてしまいます。

傷ついたダリムに寄り添うガンジュ

テウンに振られ、雨の中(ではありませんが、心は土砂降り!)で泣きじゃくるダリム。そんな彼女の前に現れたのは、同じく心に深い傷を負ったガンジュでした。

「あいつ(テウン)は見る目がない。君の方がずっと綺麗で可愛いじゃないか」と、不器用ながらも必死にダリムを慰めるガンジュ。 自分のことだけでも大変なのに、他人の痛みに寄り添えるガンジュの優しさが胸に沁みます。失恋でボロボロのダリムと、父に見捨てられたガンジュ。傷ついた二人の心が、この夜、少しだけ近づいたように見えました。

バレる寸前!?ボンヒたちの隠し事

コミカル担当(?)のボンヒ、ギルレ、ジョングの3人組は、相変わらずハラハラの連続!なんと、偽造したご祝儀帳を警察官である息子ムリムのパトカーに忘れてきてしまったのです!

慌てて警察署に忍び込むボンヒですが、ムリムに怪しまれて絶体絶命! とっさに「テウンが3万ドルもくれたのに名前を書き忘れたのよ!」と大嘘をついてその場を切り抜けますが、もはや冷や汗だらだら。

そして物語のラスト、ボンヒたちが家の中で「ガンジュとかいうバカがエアコンの300万ドルを燃やさなければ…」と、お金の秘密を大声で話していると、その会話を家の外で何者かが録音しているという、とんでもないクリフハンガーで幕を閉じます! 一体誰が…!?タリミファミリー、最大のピンチ到来です!

『タリミファミリー~恋もお金もクリーンに!』第19話の感想

今回のエピソードは、各キャラクターが抱える問題が一気に噴出し、物語が大きく動いた回でした。特に印象的だったのは、登場人物たちの「愛情」と「エゴ」が複雑に絡み合う様子です。ガンジュを溺愛するがゆえに暴走するミヨン、会社と実の息子テウンを守るためなら継子のガンジュを切り捨てる会長の冷酷さ、そしてテウンを巡って初めて本気でぶつかり合うダリムとチャリム姉妹。それぞれの行動原理は理解できるものの、その結果として生じる亀裂が非常に痛々しく描かれていました。

そんなシリアスな展開の中で、傷ついたダリムにそっと寄り添うガンジュの姿は、唯一の救いでした。彼自身もどん底のはずなのに、他者を思いやれる優しさに胸を打たれます。この二人の関係が今後どう発展していくのか、目が離せません。また、ボンヒたちのコミカルなパートが、物語の良いスパイスになっていました。大金の秘密を抱えて右往左往する姿は笑いを誘いますが、その軽率さがやがて家族全体を巻き込む大事件に繋がりそうな予感もさせ、緊張感を高めています。

つづく