まず、とんでもない事態から幕開けです。ミヨンが再起をかけて隠していた大金が、保管していたロッカーから忽然と姿を消してしまったんです! 慌てふためくミヨンと、事情を知ってしまったダリム、チャリム姉妹。盗まれたお金だから警察に届けることもできず、監視カメラの映像すら確認できないという八方塞がりの状況に陥ります。
一方、姉妹たちは自分たちの犯した罪を償うため、そしてミヨンが失ったお金を取り戻すため、ファッションブランド「ソガンアパレル」を本格始動させます。チャリムはガンジュたちのために、長年勤めた大企業ジスンアパレルを退職。 彼女の才能とガンジュの情熱、ダリムのサポートが結集し、初めてのライブコマースに挑みます。ライバル社の妨害にも負けず、彼らの商品はなんと完売御礼の大ヒット! ひとまず希望の光が見えたかと思いきや、失った大金の穴を埋めるにはまだまだ足りないという厳しい現実が突きつけられます。
その頃、大人たちの世界も大きく揺れ動いていました。ガンジュの母ペク・ジヨンは、ガンジュが自分の金庫から何かを盗んだと勘違いし、会社にまで乗り込んで大騒ぎ! しかし、ガンジュが持ち出したのはお金ではなく、祖父の遺言書でした。それは、警察に追われるイ家を守るための、彼なりの切り札だったのです。
そして、今回の中心人物の一人、ボンヒ。彼女は家族のために自分が全ての罪を被ることを決意し、刑事である息子のムリムに自首する意思を伝えます。 長年切り盛りしてきたクリーニング店を閉めることを家族に告げ、まるで人生を整理するかのように、旧友であるジスンアパレルの会長に長年の片思いを告白するのでした…。 その姿は、切なくも美しい覚悟に満ちていました。
さて、問題の消えた大金。一体誰が…?とハラハラしていたら、衝撃の事実が判明します。
なんと、お金を持ち出したのはミヨンの両親、ギルレとジョングだったのです! 彼らは、娘が自分たちの金を盗んだことに気づきながらも、それを咎めることなく、黙ってその金を娘に手渡します。「これを持って、静かに幸せに暮らしなさい」と。 娘の罪を知りながら、それでも幸せを願う親心…。このシーンは、涙なしには見られませんでした。親の愛に触れ、泣き崩れるミヨンの姿に胸が締め付けられましたね。
それぞれの家族が、愛と罪の間で揺れ動き、大きな決断を下した第29話。物語は一体どこへ向かうのでしょうか。
『タリミファミリー~恋もお金もクリーンに!』第29話の感想
今回のエピソードは、各キャラクターが抱える問題が複雑に絡み合い、物語に一層の深みを与えていました。特に印象的だったのは、消えた大金の真相です。てっきり新たな敵が登場するのかと思いきや、犯人はまさかの両親、ギルレとジョングでした。娘の罪を知りながら、それを黙って許し、幸せを願って大金を渡すという行動は、歪んでいるようでありながら、究極の親の愛情を感じさせ、非常に心を揺さぶられました。ミヨンがようやく親の愛に気づき、涙する場面は本作屈指の名シーンだと思います。一方で、ボンヒが自らの罪を償うために自首を決意し、人生を清算しようとする姿もまた、家族への深い愛の形なのだと感じました。若者たちが未来のために奮闘する姿と、親世代が過去と向き合い下す決断が対照的に描かれ、物語の重層的な魅力を再認識させられる回でした。
つづく