今回の10話は、マジで心がえぐられる展開だった。もう、ただのスポ根ドラマじゃない。それぞれのキャラが抱える闇とか、大人の汚い部分とか、そういうのが一気に噴き出した回だったんだ。

波乱の幕開け、ガラムの怒りとイジの覚悟

物語は、前の回の続きから始まる。イジを侮辱したナクギュンに、ガラムが殴りかかろうとする、あのヒリヒリする場面だ。フンナムが間一髪で止めてくれたからよかったものの、一触即発の空気だった。結局、ナクギュンはイジをコーチに復帰させる。イジはガラムに言うんだ。生徒たちを守るためなら、このくらいの屈辱は耐えなきゃいけないって。彼女もまた、自分のやり方で戦ってるんだよな。

忍び寄る陰謀と、それぞれの戦い

でも、これで一件落着とはいかない。教頭のジョンマンは、ガラムのあの行動を見てあいつは学校から追い出すべきだと決意を固める。そして、あのジャーナリストのフィテを巻き込んで、何かを企んでるみたいだ。フィテは、昔ガラムのドーピング疑惑をスクープした男。嫌な予感がするよな。

一方、コーチに戻ったイジは、早速ウジンのリハビリを手伝う。ひたむきにバランス練習に取り組むウジンの姿は、見ていて応援したくなる。

そして、いよいよ全国大会の抽選会の日がやってくる。コーチたちは毎年恒例の願掛けをして、その日の星占いをもとにガラムとイジが代表でくじを引くことになった。その甲斐あってか、初戦は格下の相手に決まる。チームの雰囲気は最高潮だ。

ソンジュンを襲う悲劇と、母の願い

でも、そんな明るいムードをぶち壊すように、事件は起きる。

キャプテンのソンジュンが、肩の怪我をずっと隠してたんだ。練習中にタックルを受けて、ついに怪我は悪化してしまう。病院での診断結果は回旋筋腱板断裂。ラグビー選手にとっては致命傷になりかねない大怪我だ。ガラムは彼に、精密検査を受けるよう強く言う。

そんな中、病院でソンジュンとウジンがばったり会う。一人でシャワーを浴びようとして悪戦苦闘するソンジュンをウジンが手伝ってやるっていう、ちょっとドキッとするシーンもあった。ウジンは、自分とウンの間には何もないって、はっきりさせてたな。

そこに、もっと厄介な問題が持ち上がる。ソンジュンの母親だ。ガラムが彼女を学校に呼んで息子の状況を説明すると、母親は信じられないことを言い出す。あの子にラグビーを辞めさせて、スペインで私たちと暮らすよう説得してほしいって。彼女の中では、ソンジュンのラグビー人生はもう終わりなんだ。優秀な弟ソクジュンのサポート役として、スポーツエージェントの勉強でもさせたいらしい。

最悪なことに、ソンジュンはこの会話を全部聞いてしまう。ガラムには練習を止められ、母親には未来を否定される。彼のプライドはズタズタだったろうな。彼は母親に、ラグビーを続けると固い意志を伝える。

絶望の果てに。そして、ガラムの告白

追い詰められたソンジュンは、とんでもない行動に出てしまう。チームメイトが控えがいないから、初戦は出られないかもしれないと話しているのを聞いて、彼は絶望する。その夜、ソンジュンはステロイドを買うために、こっそり学校を抜け出した。その様子を、あの記者フィテが影から見ているとも知らずに。

翌朝、学校はひっくり返るような大騒ぎになる。フィテが、ソンジュンのドーピング疑惑を記事にしたんだ。教頭のジョンマンとナクギュンは、鬼の形相でソンジュンの部屋に乗り込んできて、引き出しからステロイドの瓶を見つけ出す。

ナクギュンがソンジュンを連れて行こうとした、その時だ。フンナムからの知らせで、ガラムが駆けつける。彼はラグビー部員に命じてドアをバリケードで封鎖させ、ソンジュンと二人きりで話す時間を作った。ソンジュンは涙ながらに使っていないと訴える。

そして、ラストシーン。ガラムはドアを開け、そこにいる全員に向かって言い放つんだ。

そのステロイドは、俺のものです

さらに彼は、自分が重症筋無力症という難病を患っていることを、全校生徒の前で告白した。

第10話 感想:守るための嘘と、残酷な現実

いや、もう言葉が出ないよ。今回のラストは衝撃的すぎた。ガラムは、結局いつもこうなんだ。誰かを守るために、自分を犠牲にする。でも、今回はその代償がデカすぎる。自分の選手生命どころか、人生そのものを懸けた嘘だ。彼の告白を聞いた時の、生徒たちや他の教師たちの顔が忘れられない。

ソンジュンの気持ちも、痛いほどわかる。才能あふれる双子の弟がいて、母親は自分に期待していない。そんな中で掴んだキャプテンという居場所を、怪我で失うかもしれない恐怖。彼の取った行動は確かに愚かだけど、そこまで追い詰められた高校生の絶望を思うと、単純には責められない。

そして、ジョンマンやフィテみたいな大人の汚さが、本当に胸糞悪かった。自分の目的のためなら、平気で高校生一人を潰そうとする。あの連中を見てると、ガラムの不器用な正義感がどれだけ尊いものか、改めて思い知らされる。

ウジンとソンジュンの病院でのやり取りが、この重い話の中での唯一の救いだったかな。でも、それも束の間だった。

ガラムの告白で、物語はとんでもない方向に舵を切った。彼が自分の弱さをすべてさらけ出したことで、このチームはどう変わっていくんだろう。これはもう、ただのスポーツドラマじゃない。一人の男の生き様と、それを取り巻く人間たちの物語だ。

つづく