前回のラストで、唯一の1年生部員だったテプンがライバル校の大成(デソン)高校に引き抜かれるという衝撃の展開がありましたが、これがまた教頭とキムコーチが裏で糸を引いていたなんて、本当に大人のやることか!って感じですよね。

このせいで漢陽(ハニャン)体育高校ラグビー部は、またしても選手不足で廃部の危機に。ガラムは会議でとっさに「もう新しい選手は見つけてある」なんて大嘘をついちゃって、2学期の始業式まで、つまり3日以内に新メンバーを連れてくるという無謀な約束をしてしまいます。

部員たちがパニックになる中、ソンジュンは「テプンを探し出してボコボコにしてやる!」と息巻きますが、我らがガラム監督は一味違います。まずは今のチームに必要な選手像を分析。「デカくて、速いヤツ」という結論に達すると、学校のデータ室にある特別入学のファイルに目星をつけます。

しかし、まだ正式な職員じゃないガラムはデータ室に入れません。そこで校長のカードキーを拝借するも、お目当てのキャビネットの鍵を持っているのは、あのイジ!元カノであり、今も何かとギクシャクしているイジに、素直に「鍵を貸して」なんて言えるはずもなく…。

考えあぐねたガラム、なんとイジの見ていない隙に鍵を盗み出し、データ室へ忍び込むという暴挙に!もちろん、すぐに防犯カメラでバレて警報が鳴り響き、学校中の注目を浴びながら、駆けつけた警察にあっけなく逮捕されてしまうのでした。いやもう、この人、やることが破天荒すぎます(笑)。

警察署で事情聴取を受ける羽目になったガラム。付き添いのイジに「どうして漢陽に帰ってきたの?」と核心を突かれます。ガラムは「もう一度ラグビーがしたかった。それに、ここで探しているものがある。恋しくて、もう耐えられなかったんだ」と、意味深な言葉をポツリ。彼の心の奥にあるものが少しだけ見えた瞬間でしたね。

一方、学校では教頭が「ガラムは逃げた」と決めつけ、ラグビー部の予算を射撃部に回そうとウキウキ。しかし、ガラムが選手をスカウトしに行った可能性に気づき、データ室のファイルが一つ消えているのを発見して大慌て。

その頃、ガラムはソクチャンリという村にいました。彼が探していたのは、かつて「ライノ」の異名で知られた伝説のラグビー選手、ムン・チョリョンの息子、ムン・ウン。しかし、ライノは膝の怪我でキャリアを絶たれて以来ラグビーを憎んでおり、息子が同じ道に進むことを頑なに拒否します。

諦めないガラムは、U-20代表チームの練習にウンを連れて行くなど、あらゆる手で彼のラグビーへの情熱を掻き立てようとします。その作戦がきっかけでライノは過去のトラウマを思い出して事故を起こし、病院でガラムに暴行を働いてしまうという大事件に発展。

警察沙汰になりますが、ガラムは告訴しない代わりにライノと一対一で話す機会を得ます。そこでガラムは、自分のドーピング問題に触れ、「俺たちのキャリアが終わったのは、才能や試合のせいじゃない。俺たちがラグビーを間違ったやり方でプレーしたからだ」と告白。「自分の過ちのせいで、息子の可能性を潰すな」というガ람の魂の叫びが、ついにライノの固い心を溶かしたのでした。

そして、運命の始業式当日。ガラムはまだ戻らず、教頭がラグビー部の廃部を宣言しようとした、まさにその瞬間!おなじみの爆音と共に、ガラムとソクボンが新入部員のムン・ウンを連れて颯爽と登場!呆然とする教頭と、歓喜に沸くラグビー部員たち。いやー、最後の最後で最高のカタルシスでした!

『TRY 〜僕たちは奇跡になる〜』第3話の感想

第3話は、一難去ってまた一難という言葉がぴったりの展開でした。しかし、ただ問題が起きるだけでなく、その解決の仕方がガラムらしくて非常に面白かったです。データ室に忍び込んで逮捕されるというコミカルな前半から一転、後半では新メンバー候補の父親である元名選手ライノとの魂のぶつかり合いが描かれ、物語にグッと深みが増しました。特に印象的だったのは、ガラムが自身の過去の過ちであるドーピング問題と向き合い、それをライノへの説得材料にした場面です。彼はただの熱血指導者ではなく、自らの弱さや過ちを認め、そこから立ち上がろうとする一人の人間として描かれており、その姿に強く心を打たれました。新キャラクターのウンと、その父親ライノの親子関係も、今後の物語の重要な要素になりそうです。単なるスポーツ根性ドラマではない、人間再生の物語としての側面が色濃く出た素晴らしい回だったと思います。

つづく