冷酷な王の仮面と、引き裂かれる心

謀反の濡れ衣こそ晴れたものの、今度は王族を惑わしたという罪で、ウォルは西活人署(ソファリンソ)への流刑が決まっちゃうの。牢獄にいるウォルに会いに来たフォンは、彼女を守るため、そして自分自身に言い聞かせるように、めちゃくちゃ冷たい言葉を投げかけるのよ。

お前を見ていたのは、死んだヨヌを思い出すためだった。お前はただの器だ

なんてこと言うのよ、フォン!ってテレビの前で叫んじゃったわよ。でも、ウォルの前から立ち去った後、こらえきれずに涙を流すフォンの姿に、こっちの胸が張り裂けそうだったわ。一番辛いのは、愛する人を守るために、愛していないフリをしなきゃいけないフォン自身なのよね…。

日食の儀式、それはウォルを葬るための罠

一方、朝廷では日食が観測されるってんで大騒ぎ。天が王の不徳を警告している!なんて、ユン・デヒョンたち外戚勢力がここぞとばかりにフォンを追い詰めるの。フォンは屈辱に耐えながら謝罪するんだけど、彼らの企みはそれだけじゃなかった。

宮殿の隠月閣(ウノルガク)では、夜な夜な謎の泣き声が響いて、大妃様はすっかりノイローゼ気味。この呪いを解くために、日食の日に魂受けの儀式を行うことになるんだけど、その生贄として選ばれたのが、なんとウォルだったのよ!

流刑のはずが、気づけば宮殿に連れ戻され、かつて世子嬪ヨヌが息を引き取ったあの隠月閣に閉じ込められるウォル。これはもう、ユン・デヒョンと大妃が、邪魔なウォルを合法的に消すための罠以外の何物でもないわよね。ひどすぎる!

ついに蘇る記憶!私は、ホ・ヨヌ

市中を引き回されるウォルの前に、ヨヌの母であるシン氏夫人が現れてヨヌや!と泣き叫ぶシーンは、もう涙腺崩壊だったわ。この叫びが、ウォルの記憶の奥底に眠る何かを揺り動かすの。

そして、運命の隠月閣。閉じ込められたウォルは、夢の中で死んだはずのヨヌと対面するのよ。なぜ泣いているの?と問いかけるウォルに、ヨヌがゆっくりと振り返る…。

その瞬間、8年前に失われたすべての記憶が、濁流のようにウォルの中に流れ込んできたの!自分が誰で、なぜ死ななければならなかったのか。愛する人たちの顔、そして自分を陥れた者たちの顔…。

儀式官が様子を見に来たとき、生贄として死んだと思われたウォルは、静かに顔を上げてこう告げるの。

あの子は…もう泣いていません

このセリフ、鳥肌立ったわ!これはもう、巫女ウォルの終わりと、ホ・ヨヌの復活を告げる宣戦布告よ!

一方で、フォンもヨヌの死に呪術が関わっていた可能性に気づき始めるの。ホン・ギュテの調査で、ヨヌの遺体には不審な点があったことが発覚。日食の儀式の最中、すべてを悟ったフォンは、国巫チャン・ノギョンを呼び出し、真相の調査を命じるの。

記憶を取り戻したヨヌと、真相に迫るフォン。二つの太陽と一つの月を巡る運命が、今、再び大きく動き出したわね!

『太陽を抱く月』第14話の感想

今回は、物語の核心に迫る重要な転換点となる回でした。フォンがウォルを守るために突き放す場面は、王としての立場と一人の男性としての愛の間で引き裂かれる苦悩が痛いほど伝わってきて、胸が締め付けられました。彼の流す涙の裏にある深い愛情に、思わず感情移入してしまいます。

そして何と言っても、ラストのウォルが記憶を取り戻すシーンは圧巻でした。断片的なイメージが一つにつながり、自分がホ・ヨヌであると自覚するまでの流れは、見ているこちらも息をのみました。あの子はもう泣いていませんという台詞は、単なる巫女ではない、復讐を誓う強い意志を持った一人の女性が誕生した瞬間を見事に描き出しています。これまで受け身だった彼女が、これからどう動くのか。陰謀を巡る人間関係もさらに複雑になり、物語が大きく前進したことを感じさせます。

つづく