いやあ、今回の『太陽を抱く月』第18話は、息をするのも忘れるくらい見入ってしまいましたね…。やっとの思いで再会し、穏やかな時間を過ごし始めたフォンとヨヌ。その束の間の幸せが、あまりにも残酷な真実によって打ち砕かれていくんですから。見ているこっちの胸まで張り裂けそうでしたよ。

8年ぶりに同じ部屋で夜を明かすフォンとヨヌ。もちろん、過保護なヒョンソンが黙っているわけもなく、二人の間に布を垂らして監視役を買って出ますが、ヨヌの機転の利いた一言であっさり退散(笑)。ようやく二人きりになり、そっと手を取り合って眠りにつくシーンは、本当に美しくて、このまま時が止まればいいのに…と願わずにはいられませんでした。

しかし、物語はそんな甘い時間を許してはくれません。フォンは、ホン・ギュテに命じていた8年前の事件の再調査報告を受けます。そこで明らかになったのは、信じがたい事実でした。先王が世子嬪(ヨヌ)の死の調査を打ち切る直前、頻繁にミナ王女の居所を訪れていたこと。そして、大王大妃までもが…。フォンは、幼い頃からホ・ヨムに異常なほどの執着を見せていた妹、ミナ王女の姿を思い出します。そして、先王が遺したたとえ真実を知っても、我が血筋を許し、守ってほしいという言葉の意味を悟り、愕然とするのです。

そんな中、何も知らないミナ王女が懐妊の報告にやってきます。喜びいっぱいの王女を待っていたのは、怒りと悲しみに満ちた兄フォンの冷たい視線でした。ホ・ヨムがそれほど欲しかったのか?だからあんな残忍なことをしたのか!と問い詰められ、最初はしらを切ろうとしたミナ王女も、フォンの気迫に押されてついに罪を認めます。8年前、ヨムを手に入れるため、大王大妃の呪詛の儀式に協力したことを…。

しかし、彼女の口から出たのは反省の言葉ではありませんでした。もう一度あの時に戻っても、私は旦那様(ヨム)を選びます。天罰が下ろうと後悔はしませんと言い放ったのです。そして、何よりも先にどうかヨム様には秘密にしてくださいと懇願する始末。この自己中心的な愛に、フォンは怒りを通り越して絶望します。

そなたを罰する。でなければ外戚の罪は問えぬ!とフォンが言い渡したその時、ミナ王女はお腹の子だけは…と泣き崩れます。実の妹が、愛する女性を死に追いやった主犯の一人であり、その妹が、ヨヌの兄の子を身ごもっている。このあまりにも皮肉で残酷な運命に、王であるフォンはなすすべもなく、ただただ慟哭するのでした。

一方、隠れ家でそのすべてを知ったヨヌは、フォンに深い同情を寄せます。自分が記憶を取り戻したとすぐに明かさなかったのは、フォンがこのように傷つくことを恐れたからだと告げ、兄ヨムがこの事実を知れば耐えられないだろうから、どうか真実を伏せてほしいと頼むのです。しかし、それではヨヌは逆賊の娘のまま。中殿の座に戻ることもできず、フォンはポギョンを正室とし続けなければならない…。愛と正義、そして血縁という断ち切れない鎖の間で、二人は涙を流すしかありませんでした。

この一件で、大王大妃を離宮に送る決意を固めたフォン。その動きを察知したユン・デヒョンは、新たな王を担ぐべく、陽明君(ヤンミョングン)に接触を開始するのでした…。

『太陽を抱く月』第18話の感想

今回のエピソードは、登場人物それぞれの愛の形が、あまりにも残酷な形で交錯し、胸を締め付けられました。特に、ミナ王女の純粋でありながらも恐ろしく自己中心的な愛情が、全ての悲劇の引き金の一つだったという事実は、大きな衝撃でした。彼女は自分の恋心を満たすためなら、他人の人生が壊れることも厭わない。その罪の重さを理解していながら、後悔しないと言い切る姿には、寒気すら覚えます。しかし、その一方で、夫ヨムへの深い愛情と、お腹の子を思う母としての心も描かれており、単純な悪役として断罪できない複雑さがありました。フォンが、愛するヨヌへの正義と、罪を犯した肉親への情の間で引き裂かれ、慟哭するシーンは圧巻の一言。守るべきものが多すぎる王の孤独と苦悩が痛いほど伝わってきました。

つづく