第1話のラスト、フォンとヨヌの運命的な出会いに胸をときめかせた人も多いんじゃないかな。でも、お互いの正体を知らないまま別れちゃった二人…。第2話は、そんな彼らの周りで、恋と陰謀の歯車がギシギシと音を立てて動き出す、見逃せない回だったよ!
さて、フォンが手紙の君(ヨヌ)のことが気になって仕方ない一方、ヨヌもまた、塀を乗り越えてきた無礼な若者がまさか世子(セジャ)様だったなんて!と驚きを隠せないでいた。そんなヨヌの元に、旅に出ていた異母兄の陽明君(ヤンミョングン)がこっそり解憂石(悩みを解決する石)を置いていくシーンは、彼の切ない片思いが伝わってきて、胸がキュッとなるよね。
宮殿では、世子フォンの新しい師匠選びが始まっていた。どうせ祖母である大妃(テビ)の息がかかった年寄りだろうとタカをくくっていたフォンの前に現れたのは、なんとヨヌの兄であり、当代きっての天才と名高いホ・ヨム!自分と2歳しか違わない若造が師匠なんて!とフォンは猛反発。
でも、このヨムが本当にすごい。反抗的なフォンに対し、妹ヨヌのアドバイスを受けてこの世の万物を一瞬で明るくし、一瞬で暗くできるものはなーんだ?という謎々を出すんだ。フォンは必死に書物を調べて君主の政治だ!とドヤ顔で答えるんだけど、正解はなんとまぶた。ヨムは傲慢と偏見が世子様の目を曇らせているのですとピシャリ。この一件でフォンはヨムに心を開き、晴れて師弟関係を結ぶんだ。
そしてここからが面白い!フォンは、あの見事な謎々のアイデアがヨムの13歳の妹から出たと聞いて、俄然興味を持つ。その妹に褒美のお菓子を届けさせ、さらに手紙の返事を書かせたことで、自分が恋い焦がれていた手紙の少女こそ、師匠ヨムの妹、ホ・ヨヌだったと気づくんだ!もう、フォンの興奮っぷりがたまらない!
でも、話はそんな甘いだけじゃない。ヨヌが下女のソル(雪)と街に出かけた時、偶然にも重臣ユン・デヒョンの娘、ポギョンとぶつかってしまう。このポギョン、表向きは優しく許してくれたけど、内心はハラワタが煮えくり返っていた。その後、ポギョンの侍女がなくした財布を、ソル(雪)が盗んだと濡れ衣を着せられ拷問される事件が発生。ポギョンは財布を見つけていたのに知らんぷり…!この時から、彼女の恐ろしい本性がチラ見えし始める。ヨヌは毅然とした態度でソル(雪)を助け出すんだけど、これが二人の間に深い溝を作ることになるんだ。
物語のラスト、宮中ではミナ王女の学友を選ぶ話が持ち上がり、ヨヌとポギョンが候補に選ばれる。これは表向きの話で、裏では世子嬪選びが始まっていた。大妃の命で二人の人相を見に来た張露英(ククム)チャン・ノギョンは、ヨヌとポギョンを見て息をのむ。二つの月…そう、世子という太陽の隣に輝く月となる運命の少女が、二人いたんだ。これから始まる嵐を予感させて、第2話は幕を閉じるよ。
『太陽を抱く月』第2話の感想
少年少女たちの瑞々しい感情と、宮殿に渦巻く大人たちのどす黒い権力欲が、この第2話で本格的に交差し始めました。特に印象的だったのは、世子フォンと新米師匠ヨムの知恵比べです。初めは反抗的だったフォンが、ヨムの出した謎々を通して彼の器の大きさを知り、心を開いていく過程は見ていて非常に清々しいものでした。まぶたという単純な答えに、君主としての深い洞察を見出すヨムの聡明さには感服させられます。一方で、ヨヌが見せる優しさや聡明さと、ポギョンが隠し持つ嫉妬深さや残酷さの対比が鮮明に描かれ、今後の二人の対立を予感させます。登場人物一人ひとりのキャラクターが深く掘り下げられ、物語にぐっと厚みが増したように感じました。純粋な想いと陰謀が絡み合い、物語はさらに面白さを増していきます。
つづく