いやあ、第11話、すごかったですね!親友フンボクの事件が一段落したと思ったら、今度はもっと巨大で根深い闇がイ・ソンに襲いかかってきました。今回は、ただの政治闘争じゃない、父と子の息詰まる心理戦と、衝撃の真実が明らかになる神回でした。さっそく振り返っていきましょう!

事件解決の褒美は側室!?イ・ソンを揺さぶる父の罠

親友シン・フンボクの殺害事件を解決に導いた功労者として、ソ・ジダムがヨンジョ王の前に。王はフンボクの名誉を回復させ、ジダムに褒美を与えようとします。ここまでは良かったんですが、なんとヨンジョ王、息子のイ・ソンと正室のヘギョングンがいる前で、ジダムを側室にしてはどうか?なんて言い出すんです!これにはソンもヘギョングンも、そしてジダム本人も目が点。王様、いくらなんでも爆弾発言すぎますって!

ソンは家族を顧みる時間すらないのに、側室を迎えることなどできませんと巧みに断ります。でも、このやり取り、実はヨンジョ王が仕組んだワナ。息子の気持ちを確かめ、同時に嫁のヘギョングンを揺さぶるための、実に巧妙な一手でした。

ソンがジダムを側室にしない本当の理由は、この上なく残酷で無慈悲な宮殿の壁の中に、彼女を閉じ込めたくないから。この言葉、ジダムへの深い思いやりであると同時に、隣で聞いていたヘギョングンにとっては、これ以上ないほど心を抉る一言でした。自分たちが生きるこの宮殿を残酷な場所と言われ、ジダムをその運命から守りたいと願う夫の姿に、彼女の表情は凍り付きます。ソンを思う気持ちは同じなのに、すれ違ってしまう二人が切ない…。

この腐った世を変えてはくれぬか?イ・ソンの決意

事件は解決しましたが、ソンは事件の根源となった秘密文書盟約に父ヨンジョが過剰に反応したことがずっと引っかかっていました。そんな中、剣客チョルチュと再会します。チョルチュは紙切れ一枚のために人が殺されるこの汚れた世を、誰かが変えなければならない。あなたが変えてはくれぬか?とソンに問いかけます。その言葉は、ソンの心に深く突き刺さり、彼の瞳には涙が光りました。

この一言で、ソンは覚悟を決めます。彼は師であるパク・ムンスを問い詰め、盟約を老論(ノロン)派の首長キム・テクに渡したことを突き止めます。そして、核心に迫る質問を投げかけるのです。父上は、盟約に関わっているのですか?と。パク・ムンスが沈黙したことで、ソンの疑念はさらに深まっていきました。師匠が最も言葉を惜しむのは、嘘をつきたくない時だというソンのセリフが、重く響きましたね。

父を試すための危険な賭け!キム・テク弾劾の嵐

父への疑いを胸に、ソンは大胆な行動に出ます。盟約の署名者の一人であるキム・テクを失脚させることで、父ヨンジョの反応を見ようとしたのです。王室の講義の場で、遠回しにキム・テクを批判し、本格的な攻撃の狼煙を上げます。

ソンは少論(ソロン)派の臣下たちを動かし、キム・テクの弾劾を求める上訴を次々と提出させます。これは、キム・テクだけでなく、彼を重用してきた父ヨンジョをも試す、あまりにも危険な賭けでした。追い詰められたキム・テクは世子を代えるべきですとヨンジョに迫りますが、ヨンジョは激怒。

最終的に、ソンはキム・テク弾劾の判断を父ヨンジョに委ねます。1724年という、先王が亡くなりヨンジョが即位した年に触れ、1724年以来、父上が最も大切にしてこられた臣下ではありませんか?と、鋭く父の反応をうかがうソン。その言葉にヨンジョは動揺を見せながらも、そなたにとって有用か、そうでないかだと、ソンの手に判断を委ねます。

結果、ソンはキム・テクを降格させることに成功。しかし、勝利を手にしたソンの表情は晴れません。一方のヨンジョは、自分を試した息子に対し、私に挑む者には暴君となろうと、恐ろしい怒りを燃やすのでした。賢君として知られるヨンジョの裏の顔がゾッとします。

衝撃のラスト!チュクパの正体

権力の座から引きずり下ろされたキム・テクが、このまま黙っているはずがありません。彼の放った刺客…ではなく、一本の矢がソンの元に放たれます。矢には一枚の紙が結び付けられていました。そこに書かれていたのは、盟約の謎の署名者チュクパ(竹坡)の正体を示す謎かけでした。

絵の中にいるが、描かれてはいない者

ソンはこの謎を解くため、王室の記録画が保管されている書庫へ走ります。王の行列を描いた絵を必死にめくるソン。彼の脳裏で謎かけの言葉が繰り返されます。絵の中にいる人物、しかし絵には描かれていない人物。決して描くことが許されない人物…

そう、行列図には王の場所は示されていても、その姿が描かれることは決してありません。王の姿を描くことは許されないからです。

謎の答えにたどり着いたソンは、恐怖に目を見開きます。

国の王、我が父上だ!

親友を殺し、国を揺るがす盟約に署名した裏切り者チュクパの正体が、敬愛する父ヨンジョであったという、あまりにも残酷な真実。絶望に打ちひしがれるソンの姿で、第11話は幕を閉じました。

『秘密の扉』第11話の感想

今回は、これまで以上に重厚な政治劇と、登場人物たちの深い心理描写が見事でした。特に、イ・ソンが理想を叫ぶだけでなく、敵を追い詰めるために緻密な策略を巡らせる姿には、彼の成長と覚悟を感じました。彼はもはや、ただの純粋な若者ではありません。父という巨大な壁に立ち向かうため、自ら修羅の道を選んだのです。

また、ハン・ソッキュ演じるヨンジョ王の存在感が圧倒的でした。息子の挑戦に静かな怒りを燃やし、賢君の仮面の下に暴君の顔をのぞかせる姿は、底知れない恐ろしさを感じさせます。この父にしてこの息子あり、と思わせる二人の緊迫した対決から目が離せません。

そして、ラストの衝撃的な真実。父が裏切り者だったと知ったソンの絶望は、察するに余りあります。この残酷な事実が、今後の父子の関係を決定的に変えてしまうでしょう。物語の核心に触れたことで、ドラマは新たなステージへと突入しました。

つづく