今回は『秘密の扉』第14話、物語が大きく動く、まさに神回でしたね!父子の対立が決定的なものとなり、そしてまさかのタイムスキップ!変わり果てた世子イ・ソンと、あの娘の姿に、もう言葉を失いました…。それでは早速、怒涛の展開を振り返っていきましょう!

父子、完全決裂!燃え盛る盟約と宣戦布告

前回、父・英祖(ヨンジョ)による血の粛清を目の当たりにした世子イ・ソン。ジダムの父が拷問によって命を落とした後、ソンはついに英祖の前に立ちはだかります。手には、王の座を揺るがす証拠盟約(メンイ)の原本が。これを盾に、これ以上の暴挙をやめるよう迫りますが、英祖はまるで屍の山を踏み越えるかのように、息子を一瞥もせずに去っていくのでした。

その夜、父子の対立は頂点に達します。英祖は息子の脅しに怯えながら国を治めろと?と嘲笑いますが、ソンが望んでいたのはそんな卑劣な駆け引きではありませんでした。ソンは、父を恐怖に陥れていたその盟約を…なんと、目の前の松明にかざし、燃やしてしまったのです!

え、嘘でしょ!?本物だよね!?と、思わず画面にツッコミを入れてしまいました。しかし、これはソンの固い決意の表れでした。燃えさかる炎を見つめ、ソンは静かに、しかし力強く言い放ちます。

父上、今よりあなたは私の政敵です

この一言で、恐怖に震えていた英祖の表情が一変。自信を取り戻した王は私を倒したいなら、それを燃やすべきではなかったなとあざ笑います。しかしソンは、血で血を洗う戦争ではなく、民を救うための真の政治で戦うと宣言。父が築いた土俵ではなく、自らのやり方で勝利することを誓ったのでした。

代理聴政の剥奪、そして3年後…

ソンの宣戦布告に対し、英祖は早速、代理聴政の権限をすべて剥奪するという非情な命令を下します。 時は流れ、3年の月日が経過。ソンは23歳になり、口ひげをたくわえ、以前の青臭さは消え失せていました。

驚くべきことに、ソンはかつてあれほど敵対していた老論(ノロン)派の首長、キム・テクに接近。政治の師となってほしいと申し出るのです。 さらに、キム・テクの孫をはじめとする老論派の子弟たちと妓楼で酒を酌み交わし、すっかり遊び人に成り下がったかのような姿を見せます。

しかし、これはすべてソンの計算でした。彼は老論派の力を利用して父である王を牽制し、権力闘争の新たな局面を創り出そうとしていたのです。その裏では、宮殿の改築に乗じて秘密の書庫を作り、民の声が記された禁書を読み漁り、来るべき日のために着々と準備を進めていました。

妓生になったジダムとの再会

ソンが妓楼で宴に興じていると、そこに新しい妓生(キーセン)として現れたのは、なんと、あのソ・ジダム(ソ・ジダム)でした。3年の時を経て、美しく成長した彼女。しかし、その瞳からはかつての快活な光は消え、まるで人形のように感情を失っていました。

ソンは彼女が無事だったことに安堵しますが、ジダムはビンエという妓生名を名乗り、冷たく彼を突き放します。昔の世子様はもういないのですね。民を思う方はと。そして、もし体を求めているのなら応じると、機械的に衣を脱ごうとするジダムを、ソンは悲痛な思いで止めることしかできませんでした。彼女の心は、父を殺されたあの日に、ソンと共に死んでしまっていたのです。

王からの新たな試練

そんな中、朝鮮と清国の間で起きた漁船のいざこざが、国家間の緊張に発展します。英祖はこの危機を好機と捉え、老論派の無策を責め立て、対抗勢力として少論(ソロン)派の官僚を呼び戻すと宣言。そして、この難局の交渉役として、なんとソンを指名します。

清国との戦争を回避し、かつ朝鮮の体面も保て。成功すれば代理聴政の座に復帰させる

これは、成功する見込みのほとんどない、あまりにも過酷な任務。しかし、ソンは迷うことなく答えます。

お受けいたします

父が仕掛けた罠と知りながら、ソンは敢然と立ち向かうことを決意するのでした。

『秘密の扉』第14話の感想

父子の関係が政敵として再定義された、非常に重く、見応えのある回でした。ソンが王の最大の弱点である盟約を燃やした行為は、単なる若気の至りではなく、血塗られた過去との決別であり、自らの信じる民を救う政治を始めるという崇高な覚悟の表れでした。その潔さと痛ましさに胸を打たれます。3年後、彼が選んだのが、敵であった老論派に取り入るという茨の道であることも、物語に一層の深みと緊張感を与えています。変わり果てたジダムとの再会シーンは、これまでの二人の絆を知っているだけに、心が張り裂けるような思いでした。彼女の凍てついた瞳は、この物語が単なる権力闘争ではなく、多くの犠牲の上に成り立つ悲劇であることを改めて突きつけてきます。重厚な政治劇と、登場人物たちの痛切な人間ドラマが交錯し、目が離せない展開でした。

つづく