ついに、父である王ヨンジョと世子イ・ソンが真っ向から激突!いやー、今回は本当に手に汗握る展開でしたね。
物語は、イ・ソンが庶民にも科挙試験の門戸を開くべきだと、父ヨンジョに強く訴える緊迫のシーンから始まります。かつては父も掲げた平等の原則を盾に食い下がる息子に対し、王は両班が治め、農民が耕し、商人が商う。この国の秩序を乱すことは許さんと一喝。議論はエスカレートし、イ・ソンが両班の支持だけで成り立つ王室など、生き残る価値はない!とまで言い放ったことで、ヨンジョは激怒。改革派の禮曹判書(イェジョパンソ)イ・ジョンソンを罷免し、後任に保守派のミン・ベクサンを任命するという強硬手段に出てしまいました。
一方、老論(ノロン)派の重臣たちは、来る科挙試験で自分たちの息子を不正に合格させるための悪だくみに夢中です。漏洩させた試験問題や、特別扱いを約束された答案用紙について話し合う姿は、本当に腹立たしい限り。リーダー格のキム・サンロに至っては、ヨンジョに再婚して新たな世継ぎをもうけるよう進言する始末。イ・ソンは王の器ではないと、公然と世子交代をそそのかすのです。
しかし、我らがイ・ソンも黙ってはいません。彼は密かに商人パク・ムンスと接触。そこで、処刑された学者ソ・ギュンの娘、ソ・ジダムを保護していることを明かします。さらにムンスは、不正の決定的な証拠をイ・ソンに渡します。それは、役人たちが両班の答案を判別するために使う模様入りの特別な紙でした。この証拠を手に、イ・ソンは腐敗した試験制度の闇を暴く計画を立てます。
イ・ソンは新任大臣ミン・ベクサンに庶民の受験を認めるか。それとも王が任命した大臣の不正を世に晒されるかという究極の選択を突きつけます。しかし、ミン・ベクサンはこれを拒否。
そして運命の試験当日。会場前には、門を開けてほしいと願う庶民たちが集結し、王の禁軍が彼らの前に立ちはだかります。その時でした。全ての責任を負う覚悟を決めた前大臣イ・ジョンソンが、自らの身を挺して固く閉ざされた門を開け放ったのです!人々の歓声が沸き起こり、雪崩を打って会場へとなだれ込む中、イ・ソンはその光景を静かに見つめていました。民との約束が、ひとまず果たされた瞬間でした。
王はイ・ソンのすべての動きを監視し、老論派は彼を失脚させようと画策。パク・ムンスの組織は不正の証人集めに奔走します。世子の決死の反逆が、巨大な火薬庫に火をつけました。王権と民の正義を求める声が衝突する、壮絶な戦いの幕が上がったのです。
『秘密の扉』第18話の感想
今回のエピソードは、理想を追い求めるイ・ソンの純粋な情熱と、それを阻む巨大な壁との衝突が鮮烈に描かれていました。特に印象的だったのは、父ヨンジョとの対立シーンです。国の秩序を守ろうとする王の論理と、民に寄り添おうとする世子の正義。どちらも一国のリーダーとしての考え方であり、単純な善悪では割り切れない深みが感じられました。
そして、何と言っても元大臣イ・ジョンソンの自己犠牲には胸を打たれました。権力を失ってもなお、世子の理想と民のために己を投げ出す姿は、このドラマが持つ人の意志の力というテーマを象徴しているようでした。彼のような人物がいるからこそ、イ・ソンは孤独な戦いを続けられるのでしょう。
老論派の腐敗は目に余るものがありますが、彼らの行動が結果的にイ・ソンを追い詰め、彼の覚悟をより強固なものにしている皮肉な構図も面白いです。各々の思惑が複雑に絡み合い、物語はさらに予測不可能な領域へと進んでいきます。イ・ソンが切り開いたこの道がどこへ続くのか、固唾をのんで見守りたいと思います。
つづく