信じていた師が、友の死に関わっていたとしたら…?『秘密の扉』第8話は、世子イ・ソンの心が張り裂けるような展開と、息もつかせぬ権力争いが描かれます。衝撃のラストまで、一瞬たりとも目が離せません。

盟約書を巡る三つ巴の死闘

王座を揺るがす盟約書を巡る争いは、ついに血の匂いを帯び始めます。老論派の重鎮キム・テクは、これまで暗殺者として使ってきた影の口を封じるため、実の息子である新たな刺客キム・ムを放ちました。用済みとなれば容赦なく切り捨てる、老論派の非情さが際立ちます。

一方、パク・ムンスもまた、盟約書を手に入れるため、配下のチョルチュに影の確保を命じます。影が盟約書を隠したキセルを巡り、キム・ムとチョルチュが激しい死闘を繰り広げる中、影はキム・ムの刃によって命を落としてしまいました。チョルチュは辛くもキセルを奪い取りますが、自身も深手を負い、ついにはキム・ムに捕らえられてしまいます。

引き裂かれる師弟の絆

世子イ・ソンは、貸本屋の娘ソ・ジダムから、師であるパク・ムンスが影の殺害を指示した、という衝撃的な情報を聞かされます。敬愛する師が殺人に関与しているなど、到底信じられないイ・ソン。しかし、彼の心には疑念の種が植え付けられてしまいました。

師の潔白を信じたい一心で、イ・ソンは彼の部屋を捜索させます。すると、そこから見つかったのは、亡き親友シン・フンボクが死の直前まで持っていたはずの推理小説でした。動かぬ証拠を前に、イ・ソンの信頼はガラガラと音を立てて崩れ落ちます。誰にも見られぬよう、一人静かに涙を流すイ・ソンの姿は、あまりにも痛々しいものでした。

王との対決、そして衝撃のラスト

その頃、パク・ムンスはチョルチュが命がけで持ち帰ったキセルから、本物の盟約書を発見します。そこには、王であるヨンジョ自身が、かつて謀反に加担したことを示す署名が記されていました。パク・ムンスは覚悟を決め、ヨンジョと直接対決に臨みます。国の未来のため、過去の罪を正すよう迫るパク・ムンスに対し、ヨンジョは激怒。イ・ソンを新たな王に担ぎ上げるための策略かと、疑心暗鬼に陥ります。

翌朝、絶望の淵にいるイ・ソンは、パク・ムンスを呼び出します。震える声で罪を問うイ・ソンに対し、パク・ムンスはシン・フンボクの遺体を井戸に遺棄したのは私だと、衝撃の事実を告白しました。

師の裏切りに打ちのめされ、イ・ソンが彼の逮捕を命じようとした、まさにその瞬間。役人たちがなだれ込んできます。しかし、彼らが捕らえようとしたのは、パク・ムンスではありませんでした。

世子様、あなたをカン・ピルジェ(影)殺害の容疑で逮捕します

この非情な宣告が響き渡る中、ヨンジョは一人、自分が生き残るための次の一手を静かに打っていたのでした。

『秘密の扉』第8話の感想

今回は、登場人物それぞれの正義と苦悩が深く描かれた回でした。特に、師であるパク・ムンスへの信頼が揺らぎ、ついには崩壊していくイ・ソンの姿は見ていて胸が痛みました。彼が一人で涙を流すシーンでは、王宮の孤独と世子という立場の重圧が伝わってきます。一方で、パク・ムンスもまた、王への忠誠と国を思う正義との間で葛藤しているのが見て取れます。単純な善悪では割り切れない人間関係の複雑さが、このドラマの深みを与えています。ラストのどんでん返しには、ただただ言葉を失いました。

つづく