雨に濡れるソクフン、その手の血の理由は…?
4話は、雨の中、血まみれの手でたたずむソクフンをヒョミンが発見するという衝撃的なシーンから始まります。一体何が?時間は少し遡ります。
今回ソクフンが任されたのは、大手ファンドCOMOのCEO、チェ・チョルミンに関する案件。これを成功させれば、法律事務所ユルリムは巨大な投資案件を手に入れられるという、事務所の命運を賭けた仕事です。
しかし、その内容は個人的な問題。チョルミンは、6歳になる娘イニョンへの虐待容疑で、家政婦のヨンソクから警察に通報されていました。彼はこの件を内密に処理したいと依頼してきます。娘の怪我の写真を見ても忙しくてあまり一緒にいられないメイクか何かの陰謀だろうと平然と言ってのけるCEO…うさん臭さ満点です。
普段なら児童虐待の案件は絶対に受けないソクフンが、なぜかこの依頼を受諾。事務所内にも驚きが走ります。他のメンバーが出張で不在の中、ソクフンとヒョミンはこの案件を担当することに。
食い違う証言、どちらが嘘をついているのか?
まずヒョミンは、家政婦のヨンソクの元を訪れます。ヨンソクは、イニョンちゃんが日に日に元気をなくしていく様子や、チョルミンが娘に乱暴な態度をとるのを見たと涙ながらに証言。あの男は悪魔だと訴える彼女の姿に、ヒョミンはすっかり心を動かされます。
しかし、事務所に戻って報告すると、上司からは一喝。それもそのはず、ヨンソクには窃盗や詐欺の前科があり、さらにCEOに天罰が下るといった脅迫めいたメッセージを送っていたことが発覚します。
チョルミン曰く、彼女の窃盗には目をつぶっていたのに、解雇された腹いせに虚偽の告発をしているのだとか。一体、どちらの言い分が真実なのでしょうか?
非情な決断?ソクフンの真意
後日、ヨンソクは事務所に乗り込んできますが、ソクフンは冷徹に彼女を追い詰めます。彼女の不利な証拠を突きつけ、このままでは脅迫罪で刑務所行きだと脅し、二度とチョルミンを告発しないという誓約書にサインを迫るのです。
もし誓約を破れば、多額の違約金が発生するという非情な内容。ヨンソクは泣きながらサインし、それを見ていたヒョミンはソクフンへの不信感を募らせます。
その後、ソクフンは数日間も無断欠勤。ヒョミンが心配して彼のオフィスで眠り込んでしまうほどでした。
鮮やかな大逆転劇!悪魔を裁くための罠
数日後、ソクフンの元にチョルミンから得意げな電話がかかってきます。また通報されたよ。あんたたちが大型案件のために俺を守るしかなかったからな。俺は無敵だと、自分が虐待していたことをあっさり認めたのです!
ソクフンはヒョミンと共にCEOの家へ。証拠を隠滅しましょうと提案し、怯えてクローゼットに隠れていたイニョンを自分が預かるという名目で救出。そのまま病院へと連れて行きます。イニョンは緊急手術が必要なほどの重傷でした。
実は、すべてはソクフンの計画でした。ヨンソクに誓約書を書かせた後、彼は彼女に接触。CEOを刺激せずに娘さんを救うには協力が必要だと説得していたのです。病院にはヨンソクも駆けつけ、イニョンの無事を祈ります。
さらにソクフンの手はこれだけでは終わりません。彼はチョルミンが長年、投資家から資金を横領していた証拠を掴んでいました。そして、チョルミンに騙されていた別の被害者ファン・テソンと裏で手を組み、復讐の舞台を整えていたのです。
ソクフンはチョルミンから受け取った着手金をイニョンの信託口座に入金。一方、チョルミンはテソンたちから法では裁けない報復を受け、心身ともに崩壊。詐欺と横領で逮捕され、破産・収監されるのでした。イニョンの親権は、DVが原因で離婚した母親の元へ戻り、事件は本当の意味で解決したのでした。
新たな波乱の予感
事務所に戻ったソクフン。血まみれだった彼の手をヒョミンが手当てするうち、彼女の中にソクフンへの特別な感情が芽生え始めます。
しかし、そんな甘い雰囲気も束の間。ソクフンは愛犬ハッシュの体調不良で動物病院へ急行します。するとそこに、元カノのヨナが現れます。そしてソクフンは、彼女が妊娠しているという衝撃の事実を目の当たりにするのでした。
『エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち』第4話の感想
今回のエピソードは、正義とは何か、そしてそれをどう実現するのかというテーマを深くえぐる、見事な構成でした。前半、ソクフンが非情にも被害者と思われる家政婦を切り捨てる姿には、正直どうして?と戸惑いを隠せませんでした。彼が守ってきた信条は、巨大な利益の前にもろくも崩れ去るのかと。しかし、それはすべて、より大きな正義を成し遂げるための計算され尽くした布石だったのです。虐待されていた少女を確実に救い出し、法では裁ききれない悪党を社会的に抹殺する。そのための彼の計画は、まさに悪魔的とも言えるほど巧妙で、最後のどんでん返しには鳥肌が立ちました。単純な勧善懲悪ではない、現実の複雑さや矛盾を突きつけながらも、最終的には希望を見せてくれる。このドラマの持つ奥深さを改めて感じさせられる、非常に満足度の高い回でした。
つづく