第9話:空の上で消えた命
突然の緊急事態
物語は上空の飛行機の中から始まる。一人の男、キム・ビョンスが突然席で倒れたんだ。機内は騒然となる。そこに一人の医師、チェ先生が名乗り出て助けようとする。
彼女はビョンスの顔を見て凍りついた。この男を知っていた。彼は7歳の少女を誘拐し、性的暴行を加えた罪で逮捕された男だった。チェ先生は、その被害者の少女ミンソルを治療した医師本人だったんだ。
過去の因縁と弁護依頼
場面は少し前に飛ぶ。2020年、ビョンスは一度病院に運ばれたことがあった。その時、チェ先生は彼の治療を拒否している。そんな因縁のある男が、5年後の今、目の前で命の危機に瀕している。彼女はためらった。
結局、ビョンスは機内で息を引き取った。彼の家族は激怒したよ。チェ先生がわざと見殺しにしたと訴えてきたんだ。検察も、彼女が過去に治療を拒否したことを理由に、殺意があったと疑い始める。追い詰められたチェ先生は、ユルリム法律事務所のソクフンとヒョミンに弁護を依頼する。
動き出す二つの正義
事務所では、Na-yeonが大きな改革を進めていた。給料泥棒を一掃して、完全な実力主義の事務所に変えようとしていたんだ。そんな中、彼女は偶然一人の男性と再会する。イ社長。彼の会社は、ブルーストーンっていう投資ファンドに乗っ取られてしまった。
Na-yeonはこの話に聞き覚えがあった。昔、彼女自身がこの案件を担当していたからだ。契約内容に怪しい点を見つけて深く探ろうとした。そのせいで、彼女はこの案件から外され、左遷させられた過去がある。Na-yeonは、自分の過去の推測が正しかったと確信する。彼女は再びこの巨大ファンドの闇を暴こうと決意する。
ジヌ、不器用な告白
その頃、ジヌはミンジョンに近づこうと必死だった。離婚案件を口実にして、彼女に話しかける。手続きを学びたいなんて、見え透いた嘘をついてね。もちろん、ミンジョンにはあっさり断られる。
でも、ジヌはそこで引き下がらなかった。なんと、その場でミンジョンに自分の気持ちを告白したんだ。君のことが好きだと。ミンジョンは、自分の辛い過去への同情だろうと突き放す。ジヌは、もっと前から君を想っていたと真剣に伝える。彼女は明らかに動揺していた。
逆転への糸口
メインの事件に話を戻そう。ヒョミンは、ビョンスの件で専門家の意見を聞き回っていた。そこで驚きの事実が判明する。ビョンスは血管型エーラス・ダンロス症候群という遺伝性の難病を患っていた。これは、動脈が突然破裂したりする、かなり危険な病気らしい。
ヒョミンは確信した。これが事件の真相だと。彼女はすぐに裏付け調査を始める。すると、ビョンスの叔父と祖母も同じ病気で亡くなっていたことが分かった。これなら、チェ先生の行為と彼の死は無関係だと証明できる。
静かなる決着
ソクフンとヒョミンは、この新事実を元に意見書を提出した。結果、ビョンスの直接の死因は病気による大動脈解離だと確定された。チェ先生の処置と死亡との間に、法的な因果関係はない。彼女は殺人罪で起訴されることなく、捜査は終了した。チェ先生は自由の身になったんだ。
ヒョミンは、正しい結果が出て満足していた。でも、少しだけ物足りなさも感じていた。法廷で徹底的に戦う準備をしていたからね。戦う前に勝負が決まって、少し拍子抜けしたみたいだ。
この事件、実は担当検事も同じ結末を望んでいたフシがある。彼も昔、被害者のミンソルの事件を担当していたからな。ビョンスの死は、誰の手も汚すことなく、世の中に一つの小さな正義をもたらしたのかもしれない。
今回の感想、ぶっちゃけどうだった?
今回のエピソードは、胸糞悪い犯罪者が自業自得みたいな形で死ぬ話だった。正直、少しスッキリした部分もあるよな。でも、このドラマはそこで終わらせない。ヒョミンが勝ったけど物足りないって感じる姿がすごくリアルだった。弁護士として、法廷というリングで白黒つけたかったんだろう。そのプロ意識が垣間見えたのが良かった。
チェ先生の葛藤も考えさせられた。医者としての使命と、一個人の感情。目の前の命は救わなければならない。でも、その命は許しがたい罪を犯した外道のもの。もし自分が彼女の立場だったら、冷静でいられただろうか。なかなか答えは出ないよな。
サイドストーリーも大きく動いた。Na-yeonが立ち向かうことになった過去の因縁は、かなり根が深そうだ。こっちの展開も目が離せない。ジヌの告白はちょっと唐突だったけど、彼の不器用でまっすぐな性格がよく出ていたと思う。戸惑うミンジョンの表情が、今後の二人の関係を気にさせる終わり方だった。
つづく