第9話 ネタバレ

過去と現在が交差する

話は2020年の4月に飛ぶ。
イランは誘拐事件のトラウマで、夜も眠れない日々を送っていた。ジェームズはそんな彼女を心配している。イランの頭の中は、犯人への復讐心でいっぱいだ。

この時、イランとグホは初めて出会う。
二人は次の仕事の下見で、グホが経営する宿に泊まっていた。グホはイランの見た目に一瞬で心を奪われる。彼の宿は客が減って、もうすぐ閉めようかと考えているところだった。

イランの関心は、情報屋だったジン・スという男に向いていた。
彼女はジン・スが誘拐の犯人じゃないかと疑っている。ジン・スは賞をもらった後に行方不明になった。一年後、見つかったのは彼の骨だけだった。

グホの家に隠された真実

イランとジェームズは、グホが酔いつぶれるのを待った。
彼が寝た後、二人は家の中をこっそり捜索する。客室の箱の中から、ミョン・ジン・スの財布と携帯電話が見つかった。テーマパークの特別パスも一緒に出てきた。

イランはある確信を持つ。ジン・スも誰かに脅されていたんだ、と。
手がかりは一体のテディベア。ジン・スの携帯にあった写真と、自分が誘拐された家の屋根裏にあったぬいぐるみが同じものだった。

どうやら犯人は、イランだけじゃなくグホも誘拐していたらしい。
ジン・スは、その事実をネタに脅されて身代金を払わされた。犯人は用が済んだジン・スを、事故で転んで死んだように見せかけて始末した。これでグホも、イランと同じ被害者だったことがはっきりした。

今回のターゲットは腐敗した映画マニア

場面は現在に戻る。今回の詐欺のターゲットが決まった。
名前はハ・ジョンホ。水産業で大儲けした社長で、無類の映画好きだ。ただ、やり方がかなり汚い。違法なアブラソコムツを仕入れて、メロやマグロと混ぜて売っていた。誰も気づかないのをいいことに、金儲けをしていたわけだ。

彼は下請けの小さな会社を締め上げて追い詰める。
そのせいで自殺を考えるほど追い込まれたチャンデという男もいる。ジョンホはいつも、自分の悪事の責任を取引先や工場のオーナーになすりつけてきた。彼のせいで工場を閉めるしかなかった罪のない経営者たちがいる。チャンデもその一人だ。

映画製作詐欺、始動

詐欺チームは、ジョンホを止めるための計画を立てる。彼の映画好きを利用する作戦だ。
まず、ジョンホが読んでいる映画雑誌を、チームが作った偽物にすり替えた。その偽雑誌には、カフェ・ソランソランという、アーティストが集まるお気に入りの場所についての記事が載っている。

案の定、ジョンホはカフェに現れた。
そこには映画業界人を装ったイランがいる。ジェームズとグホも客のふりをして、大きな映画の話をわざとらしくしている。二人は脚本をわざと席に置き忘れ、ジョンホの気を引こうとする。

狙いは、この架空の映画にジョンホを投資させること。
ただ、ジョンホは用心深い。最初の揺さぶりには乗ってこなかった。もっと説得力のある仕掛けが必要だ。チームは映画の撮影セットまで用意した。ジョンホの自尊心をくすぐるために、彼をプロデューサーと呼び、監督の椅子に座らせる。

主演女優が降板すると言い出す芝居も打った。
プロデューサー役のグホとジェームズは、40億ウォンが必要だとジョンホに訴える。それでも彼は金を出さない。

男たちが失敗したところで、イランが動く。
彼女は、韓国で成功を夢見る大物スターとしてジョンホの前に現れた。ジョンホは、彼女がいればこの映画の問題は解決すると考える。彼はチームに解決策があると伝えた。本当のゲームが、ようやく始まった。

第9話の感想

今回は過去の謎と現在の詐欺が同時に進むから、見ごたえがあったな。特にグホの背景が明かされたのは大きい。いつもお調子者でチームのムードメーカーだった彼が、実はイランと同じ誘拐事件の被害者だったなんて。この事実だけで、彼のキャラクターに一気に深みが出た。ただのコメディリリーフじゃなかったんだ。

今回のターゲット、ハ・ジョンホもいい味を出してる。大物ぶってるけど、どこか小物感が漂う悪党で、そのくせ警戒心が強くて手強い。こういうリアルな敵役は面白い。映画製作をネタにした詐欺っていうのも、準備が大掛かりでワクワクする。偽の雑誌を作ったり、本物の撮影セットを組んだり。チームの連携プレーが光る、これぞコンゲームの醍醐味って感じだ。最後、イランが切り札として登場するシーンは鮮やかだった。ここからどうやってジョンホを丸め込むのか、目が離せない。

つづく