あらすじとネタバレ
王妃復位と禧嬪降格
ついに仁顕王后(イニョンワンフ)が王妃の座に返り咲いた。オクチョンは彼女の前にひざまずく。でも、オクチョンの目は死んでない。あんたは王様の寵愛を失って追い出された。私は王様の愛を守るために自ら退くのよ。そう言い放って、禧嬪(ヒビン)として就善堂(チュイソンダン)に下がる。プライドだけは失わない。それがオクチョンだよね。
その就善堂でオクチョンを待っていたのは、粛宗だった。王様はオクチョンを一人にはしない。希望という武器を手放したことはない。あなたと息子ユンがいる限り、乗り越えられる。オクチョンの言葉に、二人の絆の強さが見える。王妃の座を奪われても、彼女の物語はまだ終わらない。
忍び寄る病魔と新たな火種
仁顕王后(イニョンワンフ)は王妃に戻った。彼女の父ミン・ユジュンは、その知らせを聞いて安心したのか、この世を去る。仁顕王后(イニョンワンフ)は粛宗との関係を修復しようと努める。でも、粛宗の態度はどこかよそよそしい。そなたは権威ある王妃の姿が一番似合う。それは女として見ていないっていう、残酷な宣告だった。
宮殿では新しい火種がくすぶっていた。淑嬪チェ氏(トンイ)だ。彼女は仁顕王后(イニョンワンフ)に取り入って、オクチョンの息子ユンを見ながら平気で言う。私が王子を産んで差し上げます。その子も王妃様が育ててくださいますよね?。とんでもない野心家だよ、この女は。オクチョンはチェ氏の狙いが自分を越えて王妃の座にあることを見抜く。女たちの静かな戦いが、もう始まってる。
世子を襲う病と母の決断
宮殿に激震が走る。世子ユンが天然痘にかかったんだ。オクチョンは気が狂わんばかりに息子の回復を祈る。医者も匙を投げかけるような状況。母親として、藁にもすがりたい気持ちになる。
そこに、オクチョンの母親が怪しげな巫女を連れてくる。巫女は不吉なことを口にする。このままでは宮中の貴い方が亡くなる。そして、世子を助ける唯一の方法として、ある儀式をオクチョンにささやく。それは、仁顕王后(イニョンワンフ)を呪うための呪詛だった。宮殿では絶対に禁じられた行為。粛宗が最も嫌う呪術。オクチョンは迷う。でも、息子の命が刻一刻と失われていく。ユンの命より大事なものなんてない!。彼女は、後戻りできない一線を越える決意をする。
仁顕王后(イニョンワンフ)の最期
オクチョンが呪いの儀式を行うと、奇跡が起きる。世子ユンの熱が下がり、峠を越したんだ。オクチョンは安堵の涙を流す。
その頃、仁顕王后(イニョンワンフ)の容態が急激に悪化していた。彼女は自分の死期を悟る。最後にオクチョンを呼び寄せた。二人は初めて、敵としてではなく、一人の女性として言葉を交わす。私も王様を愛していた。あなたのようになりたかった。仁顕王后(イニョンワンフ)は、自分の叶わなかった想いをオクチョンに託す。どうか、王様を最後まで守ってあげて。
粛宗が駆けつける。彼は初めて、仁顕王后(イニョンワンフ)の手を優しく握った。あなたの手は、こんなに温かかったのだな。ずっと冷たいと思っていた王様の手のぬくもりに、仁顕王后(イニョンワンフ)は安らかに微笑む。そして、静かに息を引き取った。あまりにも孤独で、切ない最期だった。
淑嬪チェ氏の告発
仁顕王后(イニョンワンフ)が亡くなり、王妃の座が空位になった。オクチョンを再び王妃に推す声が上がる。オクチョン自身も、息子のためにその座に戻ることを考え始める。
このチャンスを、淑嬪チェ氏が見逃すはずがない。彼女は、オクチョンが仁顕王后(イニョンワンフ)を呪った儀式の証拠品を手に入れていた。粛宗と重臣たちが集まる朝廷。その場に、淑嬪チェ氏が現れる。そして、オクチョンを指さし、高らかに告発した。禧嬪チャン氏が、亡き王妃様を呪詛いたしました!。その言葉が、オクチョンの運命に最後のとどめを刺すことになる。
感想
いやあ、今回は本当に息が詰まる回だったね。前半は女たちの静かな心理戦。後半は立て続けに起こる悲劇で、感情が追いつかないよ。特に仁顕王后(イニョンワンフ)の最期は、見ていて胸が苦しくなった。ずっと政敵として、邪魔な存在として描かれてきた彼女が、死の間際に見せた一人の女性としての弱さや愛情。粛宗にやっと手を握ってもらって温かいって微笑むシーンは、このドラマ屈指の名場面だと思う。彼女もまた、愛に飢えた孤独な人だったんだよね。
一方で、オクチョンは完全に追い詰められた。息子を救いたい一心で、最悪の手段に手を出してしまった。母親としての気持ちは痛いほど分かる。分かるからこそ、その選択が破滅への引き金になるのが見ていて辛い。そして、全てを計算通りに進める淑嬪チェ氏の恐ろしさ。彼女の純粋そうな顔の下に隠された野心が、いよいよ牙をむき始めた。愛と権力、母性。いろんなものが複雑に絡み合って、もう誰も止められない悲劇に向かって転がり落ちていく。そんな絶望感が漂う、見ごたえのある回だったよ。
つづく