あらすじとネタバレ

仁敬王后の最期

イ・スンは仁敬王后の部屋に駆け込む。医官からもう助からないと聞かされていた。部屋に入ると、彼女は天然痘で変わり果てた姿で横たわっている。でも、イ・スンを見て微笑むんだ。オクチョンが約束通り王を連れてきてくれた、と感謝して。

イ・スンはためらうことなく、彼女の手を握る。そして、彼女を愛せなかったこと、政略のために利用してしまったことを涙ながらに謝罪する。仁敬王后は、イ・スンのおかげで愛を知ることができた、それが最高の幸せだったと告げて、彼の腕の中で静かに息を引き取った。

部屋の外では、オクチョンがひざまずいて泣いていた。イ・スンは呆然と彼女の前を通り過ぎる。声をかけたいオクチョン。でも、彼は手を上げてそれを制した。今は一人にしてくれ、と。

孤独な王と新しい妃選び

仁敬王后が亡くなってから、少し時間が経った。臣下たちは、王妃の席を長く空けてはおけないと、口を揃えてイ・スンに再婚を迫る。ミン・ユジュンはほくそ笑んでいる。自分の娘、イニョンが次の王妃に最もふさわしいと誰もが思っているからだ。

イ・スンは心身ともに追い詰められていた。処刑した叔父、ポクソン君の亡霊まで見るようになっている。そんな彼の元へ、母である明聖王后がやってくる。彼女もまた、イニョンを新しい王妃に迎えろとやかましく騒ぎ立てる。イ・スンは、まだ仁敬王后の墓に草も生えていない、と母を黙らせるのがやっとだった。

宮殿での再会

明聖王后は、イニョンを王宮に呼びつける。そして、彼女こそが次の王妃だと宣言する。王妃にふさわしい衣装を仕立てるため、二人は尚宮院(サングンウォン)へ向かった。

そこでイニョンは、自分の体の寸法を測る係として現れたオクチョンを見て凍りつく。二人の間には、気まずい空気が流れる。運命の皮肉としか言いようがない再会だった。

王の孤独と束の間の安らぎ

イ・スンは眠れぬ夜、悪夢にうなされて王宮をさまよう。すると、外の階段に座っているオクチョンを見つけた。彼女もまた、イニョンの衣装デザインのために徹夜していたのだ。

イ・スンは彼女の隣に座り、自分の苦しい胸の内を吐露する。王であり続けるためには人間性を捨てなければならないこと。周囲の人間は、母でさえも自分を利用しようとすること。オクチョンは彼を怖がるどころか、その孤独に同情する。彼女の憐れみは、イ・スンにとって唯一の慰めになった。

翌朝、イ・スンは気分良く目覚める。彼はオクチョンに会う口実を作るため、尚宮院へ向かい、新しい服を仕立てるよう命じる。オクチョンが自分の採寸をすることになり、二人は初めて会った時と同じ体勢になる。イ・スンは彼女を意識するが、オクチョンは平静を装う。その態度が、逆にイ・スンの心をかき乱した。

彼はわざと服にケチをつけ、オクチョンに自分の部屋で修繕するように命じる。二人きりの静かな時間。イ・スンは、ただ彼女の気を引きたい子供のように振る舞う。

仕組まれた罠

オクチョンの同僚、チャギョンが彼女を陥れる。チャギョンはオクチョンのデザインを盗み、さらに嘘をついて、オクチョンに完成した王妃の衣装を着せてしまう。 王妃様にお見せする前に、製作者が試着するのが慣例だという、ありもしない決まり事を信じ込ませたんだ。

そこへ、何も知らないイ・スンが現れる。彼は部屋の扉を開け、王妃の豪華な衣装をまとったオクチョンの姿を見て、息をのむ。

直後、明聖王后とイニョンも部屋に入ってきた。明聖王后は激怒。オクチョンに平手打ちを食らわせ、彼女を洗濯係に降格させるよう命じた。オクチョンは、自分が罠にはめられたことに気づくが、もう遅かった。

雨の中の告白

雨が降る夜。イ・スンは、びしょ濡れになりながら洗濯場で働くオクチョンの元へ走る。彼は、なぜ自分を拒むのかと彼女に問い詰める。

オクチョンは、自分は卑しい身分だから王とは結ばれない、と叫ぶ。王と一緒になっても、いつか捨てられるだけだと。あなたは空の上の人。自分のような者が届くはずがない、と。

その言葉を聞いたイ・スンは、水たまりの中へ足を踏み入れる。空だと?と彼は繰り返す。ならば、よく見ろ。その空が、お前のために落ちてきた。

彼はオクチョンを強く引き寄せ、激しく口づけをする。その衝撃的な光景を、物陰からトンピョン君がじっと見ていた。

感想

いやあ、今回はすごかった。特にラストシーンは、息をするのも忘れるくらいだったよ。イ・スンの孤独と苦悩が、オクチョンへの想いという形で一気に爆発した感じだね。王としての立場とか、周りの目とか、そういうのを全部かなぐり捨てて、一人の男として感情をぶつけた。あの空が落ちてきたっていうセリフは、歴史に残る名言だと思う。

オクチョンもただ守られるだけのヒロインじゃないのがいい。自分の身分をわきまえて、必死に気持ちを抑えようとする。でも、その抵抗が逆にイ・スンの火に油を注ぐ結果になるんだから、皮肉なもんだよね。

そして、あのキスシーンを目撃してしまったトンピョン君。彼の表情が全てを物語っていた。親友への忠誠と、オクチョンへの想いの間で、彼はこれからどうするんだろう。政治的な駆け引きも複雑になってきたし、恋愛模様も一気に加速して、本当に目が離せない回だった。

つづく