あらすじとネタバレ

過去と現在の交錯

話は2002年に飛ぶ。若き日のチェ・ジョンホ刑事が、連続殺人犯としてチョン・イシンを追い詰めるシーンからだ。イシンは現場に証拠を残しすぎ。まるで捕まえてくれと言わんばかりだった。でも彼女、捕まっても余裕なんだよな。ジュンホの人の良さを見抜いて、息子の将来を守ることを取引材料に、あっさり自白する。肝が据わってるというか、もう怖い。

そして現在。脱走したイシンは、なんと息子の嫁、ジョンヨンの前に現れる。彼女の言い分はこうだ。あなたたちの夫婦仲を壊したくなくて、死んだことにしたの。そんなわけあるか!知らせを聞いたスヨルが血相を変えてすっ飛んでくる。イシンはいつもの涼しい顔で、スヨルと一緒に帰っていく。この母親、本当に何を考えてるか分からない。

揺れるスヨル、混乱するチーム

イシンはセーフハウスに戻っても、模倣犯の協力者だったソ・グァン殺しは認めない。それどころか、スヨルに彼がいなくなってせいせいした?なんて聞く始末。スヨルは動揺する。かつてグァンにお前も母親と同じで血に飢えていると言われた言葉が頭をよぎるからだ。母親に心をかき乱されっぱなしだな、スヨル。

一方、警察チームは大混乱。ジュンホはイシンと協力していることをチームに打ち明けようとする。その寸前、スヨルからイシン確保の連絡が入って、ギリギリで思いとどまる。そんな中、容疑者のミンジェがアリバイ成立で釈放。チームの不信感はピークに達する。上からは本部長に結果を出せとプレッシャーがかかり、ジュンホは追い詰められていく。

イシンの隠された過去

スヨルは、ミンジェにお前の母親は殺人を楽しんでるただの化け物だと言い放つ。でもミンジェは言い返すんだ。あんただって、母親を恋しがらないように、彼女を悪者に仕立て上げてるだけだろって。この言葉がスヨルに突き刺さる。図星だったからだ。夜には、妻のジョンヨンから寝言で母親の名前を呼んでいることを指摘される。スヨルは悪夢だと言い張るけど、彼の心はもう限界に近い。

スヨルとジュンホは、イシンの過去を探るため、彼女の精神科医のカルテを盗み出す。そこには衝撃の事実が書かれていた。イシンは、火事で母親が死ぬのを見ていたんだ。スヨルは祖父のチョン牧師を問い詰める。祖父は、火の勢いが強すぎて手遅れだったから、イシンが助けに行くのを止めたと白状した。その日以来、イシンは心を閉ざしてしまった。

模倣犯、ついに動く

チームのナヒは、独自にミンジェの周辺を洗う。すると、ミンジェがジョイという謎のSNSアカウントをフォローしていることを突き止める。驚くことに、これまでの模倣犯の被害者たちも、全員このジョイをフォローしていた。

その時、スヨルの元に模倣犯から携帯電話が送りつけられる。中には、これまでの犯行を記録した動画が全部入っていた。そして犯人から電話が。その電話を“あの女”に渡せ。もう隠し通せない。ナヒたちが説明を求めると、スヨルはついにすべてを告白する。連続殺人鬼イシンと協力していることを。チームの空気は最悪だ。

最悪の罠

模倣犯はイシンに電話をかけ、あんたをもっと有名にしてやると宣言する。次のターゲットはオペラ歌手のキム・ソジュンだとほのめかす。チームは劇場へ急行する。でも、これは犯人の陽動だった。

その頃、ミンジェはスヨルを助けたい一心で、危険な賭けに出る。ジョイに接触し、ウェブトゥーンの結末を教えてやると誘い出して会う約束を取り付けてしまう。それが罠だと気づかずに。

ジュンホはイシンに、他に隠し事はないかと必死に問い詰める。その瞬間、イシンの携帯が鳴る。画面に映し出されたのは、犯人に捕まり、縛り上げられたミンジェの姿だった。

スヨルとナヒがミンジェの作業場に駆けつけると、そこにいたのは血を流して倒れているミンジェだけ。スヨルは弟の名前を叫び続ける。その横で、ナヒはただ立ち尽くすしかなかった。

第5話の感想

今回のエピソードは、ただただ胸が苦しかった。特にスヨルとミンジェの関係が切なすぎる。スヨルは母親を憎むことで自分を保ってきた。でもミンジェは、どんな母親でも愛されたい、信じたいと願っていた。その純粋さが、最悪の形で彼自身を危険に晒すことになるなんて。ミンジェがスヨルにあんただって母さんが恋しいんだろって言ったシーンは、このドラマの核心を突いてると思う。スヨルはずっと、殺人鬼の息子という事実と、母親を求める子供の心の間で引き裂かれてきたんだ。模倣犯は、その一番痛いところを的確に突いてくる。イシンでさえ、息子のミンジェが人質に取られた瞬間、初めて冷静さを失ったように見えた。彼女の中に、本当に母親としての感情は残っているのか。それとも、それすらも計算なのか。もう、誰も彼もが疑心暗鬼の渦の中だ。

つづく