衝撃の過去。テジュンはこうしてハメられた
物語は5年前にさかのぼる。ある男が女性を殺害する。男の名前はペク・ドギョン。彼はすぐに父親に電話して助けを求めた。
場面は変わって、ある投資会社の記念パーティー。その会社はGAインベストメント。国のデータセキュリティを任されることになった企業だ。会場の隅で、スーツ姿の男たちがこの会社をこき下ろしていた。すると、一人の男が近づいてくる。アン・ヨハンだ。彼はGAインベストメントのCEOだった。会社の核心は昔からデータセキュリティだと静かに告げる。男たちは凍り付く。
後日、ヨハンを指さした男の指が切り落とされる。ヨハンは自宅で、その指を自分の彫刻アートに加えていた。彼の異常性がよくわかるシーンだ。
そこに、ドギョンの父親であるペク議員から電話が入る。息子の殺人を揉み消してほしいという依頼だ。ヨハンは見返りとして、ある美術品を買うように要求する。
完璧すぎる犯行捏造
ここからが、ヨハンの本領発揮だ。彼のチームが殺人現場に乗り込む。まず、無数のカメラを設置して、ヨハンが遠隔で現場を完璧に把握できるようにした。被害者の遺体は、浴槽の温水に浸けておく。腐敗の時間をコントロールするためだ。
ヨハンは、自分がアクセスできる膨大な量の監視カメラ映像をチェックする。身代わりに仕立て上げるのに最適な人間を探すためだ。そこで見つかったのが、パク・テジュンだった。
ヨハンのチームはテジュンの日常を徹底的にマークする。彼のDNAも抜かりなく収集した。恋人と一夜を過ごした翌朝には、使用済みのコンドームまで回収していた。テジュンが配達で訪れるビルには、わざと病気の植物を置く。彼がビル内で過ごす時間を少しでも長くするためだ。彼のブレスレットの精巧なレプリカも作った。
計画はすべてスムーズに進んだ。テジュンはあっけなく逮捕される。俺たちが知っている冤罪事件は、こうして完璧に作り上げられたものだった。
ようこそ、死のゲームへ
時間は現在に戻る。囚人たちがヨハンの所有する謎の施設に到着した。彼らを待っていたのは、豪華すぎる食事。それから、番号が振られた清潔な個室。テジュンは9号室を与えられた。
もちろん、テジュンは大人しく眠ったりしない。夜中にこっそり抜け出して、脱出ルートを探す。でも、すぐに見つかってしまう。見つけたのは、ヨハン本人だった。ヨハンはテジュンに告げる。明日、試合がある。勝者には特別な報酬を用意した。
テジュンが部屋に戻ると、Jin-yongが待っていた。彼はもともとテジュンを殺そうとした男だ。今はなぜかテジュンに一目置いている。Jin-yongはテジュンをヨ・ドクスの元へ連れて行く。ドクスの子分たちがテジュンに襲いかかろうとした瞬間、ヨハンの警備員が現れて彼らを止めた。
ルール無用のデス・レース
翌朝、囚人たちは外に集められる。ヨハンは彼らに、これからカーレースをすると告げた。一人の囚人が、こんな扱いはあんまりだと抗議する。ヨハンは、その男をためらうことなく射殺した。そして、勝者の賞金が50億ウォンだと明かす。
その頃、あのペク・ドギョンともう一人の男が、観客として施設に到着する。ヨハンは彼らのためにも、身代わりとなる囚人を用意していた。ドギョンが過去に犯した3つの犯罪のために、3人のアバターが準備されている。彼らは囚人たちをそう呼んでいた。
ヨハンはドギョンたちを歓迎する。このカーレースは、ルールが一切ないドッグファイトだと説明した。彼の本当の狙いは、このデス・ゲームをエンターテイメントにすることだった。ダークウェブで賭博として配信し、金儲けをする。最終的には、このビジネスモデルを世界中に展開するつもりらしい。
第5話の感想。これはもう国家レベルの犯罪だ
アン・ヨハンの正体、マジでヤバすぎる。ただの金持ちのサイコパスじゃなかった。国家のデータセキュリティを掌握する企業のトップが、その権力を使って犯罪を捏造し、金持ちの罪を揉み消していた。しかも、その身代わりになった囚人たちを使って、今度はデス・ゲームで金儲けを企んでいる。スケールがデカすぎて、もはやSFの世界だ。
テジュンがハメられた手口も、あまりに周到でゾッとした。DNAから行動パターンまで、すべてを監視されて完璧なシナリオを作られたら、誰だって逃げられない。
このドラマは、刑務所の中のサバイバル劇だと思っていた。でも、本当の敵は囚人同士じゃなかった。アン・ヨハンという、神の視点を持つ絶対的な支配者だ。彼が作った狂気のゲーム盤の上で、テジュンたちはどう戦うのか。いや、戦うことなんてできるのか。今回は、物語の本当の構図がはっきり見えた回だった。
つづく

