今回のキム部長、マジでどん底まで落ちていくぞ。見ていてちょっと辛くなるくらいだ。でも、ここからどう這い上がるのかが面白いんだよな。
あらすじとネタバレ
プライドずたずたのキム・ナクス
ナクスは相変わらず工場での研修中だ。気分転換のつもりか、ウォルリョン山でトレーニングを始めた。でも、いきなり飛ばしすぎて、すぐにバテバテ。足はコンクリートみたいに重くなる。そりゃそうだ。気持ちだけが焦ってる証拠だな。
ヘロヘロで山頂に着くと、そこに一人の男がいた。ガンフンだ。昔、ナクスを会社に引き抜いた張本人。そのガンフンは、今のナクスを見てがっかりした顔をする。昔のギラギラした輝きが全くない、と。彼はナクスに言う。今の仕事がお前のライフラインだ。本社から言われた仕事は、何でもやれ。これはキツい一言だ。
工場に戻っても、ナクスの態度は最悪。完全に拗ねた子供だ。仕事もまともにやらない。ジュヨンっていう若い子にちゃんと仕事してくださいって叱られる始末。挙句の果てには、犬のフンの掃除まで命じられる。そこに本社からソングがやってくる。元部下だったはずのナクスが、若い子にこき使われてる姿をバッチリ見られちまう。プライドなんて、もうズタズタだ。
しっかり者の妻と、情けない夫
一方、妻のハジンはすごい。なんと不動産試験に合格した。賭けをしていた妹ハヨンの車を手に入れる権利を得る。でも、ハジンは優しい。車を完全に奪うことはせず、一日だけ借りることにする。
その足でナクスの元へ向かい、合格を報告。彼のために料理まで作る。いい奥さんだよ、本当に。ハジンはナクスに、もう幹部研修なんて嘘はやめて、本当のことを話してほしいと切り出す。彼女は全部お見通しなんだ。
ナクスが自分の置かれた状況を話すと、ハジンは彼を励ます。怒りに任せて辞めるな、と。ちゃんと計画を立ててから辞めよう、ローンもあるんだから、と。退職金に手を付けるのも反対する。自分が不動産の仕事で稼げるかもしれない、とまで言ってくれる。
でも、ナクスの小さいプライドがそれを許さない。妻が稼ぎ頭になるなんて耐えられないんだ。彼はハジンを家から追い出してしまう。最低だろ。その夜、ナクスは雨に打たれながら、泥だらけになって天に向かって叫ぶ。もうめちゃくちゃだ。
そんな時、チョンテ常務から電話がかかってくる。ナクスは慌てて仕事してるフリをして、証拠写真まで撮って送る。見え透いた嘘だよな。
もう一つの崖っぷち
ナクスの話だけじゃない。息子のスギョムも大変なことになっていた。事務所に届いた一通の手紙。それは3000万ウォンの借金の督促状だった。事務所の仲間全員に同じものが届いている。イ・ジョンファンってやつに、全員まとめて騙されたんだ。本人はLAにいて、電話にも出ない。
他のメンバーは金持ちだから返せるかもしれない。でも、スギョムとハンナにはそんな金はない。二人は途方に暮れる。なんとか金を工面するために、身の回りのものを売ろうと協力し始める。こっちのコンビもどうなるか気になるよな。
殴り合いの果てに見えたもの
ナクスはチョンテ常務に夕食に誘われる。高級そうなスーツに着替えて、必死におべっかを使う。でも、チョンテは全て見抜いていた。お前は偽善者だと一喝する。リーダーとしての責任も取らず、逃げてばかりいる、と。アサン工場への異動は、問題ばかり起こすナクスを、チョンテが守るための最後の手段だったことも明かされる。
話はこじれ、二人は取っ組み合いの大喧嘩になる。部屋中ぐちゃぐちゃだ。でも、不思議なことに、喧嘩が終わった後、ナクスは落ち着いていた。自分の置かれた現実がはっきりしたからだ。不確かさが消えて、腹が据わった感じだな。
そこに、ジェヒョクから連絡が入る。本社に戻るための取引を持ちかけられる。ACTは人員削減を計画している。アサン工場も再構築の対象だ。ナクスに課せられたミッション。それは、工場で安全管理違反をでっち上げること。そして、リストラする20人のリストを作ること。それをやれば、チョンテを飛び越えて本社に復帰させてやる、という悪魔の囁きだ。
翌朝、工場に現れたナクスの目は、昨日までとは全く違っていた。朝礼で体操をする従業員たちに、彼は叫ぶ。集中しろ!と。彼の戦いが、ここから始まる。
今回のエピソードの感想
いやー、今回はナクスの転落っぷりがすごかったな。見ていて胸が痛くなるくらい惨めだった。特に、妻のハジンが支えようとしてくれているのに、しょうもないプライドで彼女を突き放すシーンはおいおい!って声が出たよ。男って、どうしてこうも面倒くさい生き物なんだろうな。
でも、ただ落ちるだけじゃなかった。チョンテ常務との本気の殴り合いで、ナクスの中にあったモヤモヤが吹っ切れた感じがした。どん底まで落ちた人間が、逆に冷静さを取り戻す瞬間。あれはリアルだったな。不確かで不安な状況より、最悪でも確定した現実の方がマシってことか。
そして最後の仲間を売って本社に戻れっていう取引。これは究極の選択だ。ここからナクスがただの嫌な奴になるのか、それとも何か別の道を見つけるのか。彼の目の色が変わったラストシーンは、ゾクっとしたよ。新しい、そしてもっと過酷な戦いの始まりを予感させた。スギョムの借金問題も絡んできて、物語に深みが増した回だったな。
つづく

