第4話:すれ違いと媚薬の夜
あらすじ(ネタバレあり)
イドが言ってたのは、ダンビがまだ服に隠してるオレンジのことだった。ダンビはホッと胸をなでおろす。イドはそのオレンジを受け取らない。代わりに家まで送ると言い出した。王様がこれまでやったことのない、初めてのお忍びだ。もう完全にダンビのことが気になってるじゃん。
イドは着替えるためにその場を離れる。ダンビはその後ろ姿を嬉しそうに見送る。その頃、イドは服を着替えながら自分の胸に手を当てていた。好きな人のそばにいると心臓がドキドキする。ダンビが前に言ってた言葉を思い出してたんだ。自分の気持ちに気づき始めてるってわけだ。
でも、ダンビは待っているうちに疲れて眠ってしまう。彼女を起こしたのはイドじゃなかった。アジンだ。結局、アジンがダンビを家に連れて帰る。最悪のタイミングですれ違ったな、二人。
宮殿の別の場所では、とんでもない計画が進んでいた。王妃のお父さんが、自分の娘を妊娠させるために王様の食事に媚薬を仕込んだんだ。ちなみに、イドの最近のお気に入りはトッポッキらしい。ダンビの影響、受けまくりだな。
イドは約束を破った罪悪感があったんだろう。自分の食事をダンビに譲る。忙しくて忘れたなんて嘘をつく。さっきまでお忍びの準備でウキウキしてた癖に。ダンビはがっかりする。イドにあげようと思ってた、スマイリーフェイス付きのオレンジをそっと袖に隠した。見てるこっちが切なくなるよ。
気まずい空気のまま、二人の授業が始まる。イドは勉強そっちのけでダンビのことばかり見てる。そこへ王妃が登場した。今夜こそ、とイドに迫るつもりだ。
ただ、媚薬入りの食事を食べたのはダンビの方だった。王様じゃなくて、ダンビの体がどんどん火照っていく。王妃の誘いがうまくいくはずもない。王妃は寂しいのですと本音をこぼす。イドの返事は冷たかった。宮殿で孤独でない者などいるか。正論だけど、あまりにもキツい一言だ。
その重い空気を破るように、オレンジが部屋を転がった。ダンビがよろけて倒れそうになる。イドは慌てて彼女を抱きとめる。腕の中でぐったりするダンビを見て、イドは本気で心配そうな顔をする。それを見ていた王妃の目は、嫉妬で燃えていた。すごい三角関係だ。
二人きりになる。イドはダンビに必死に呼びかける。医者を呼べないのは、彼女が女だとバレるからだ。宦官が女なわけないもんな。
媚薬の効果はピークに達する。ダンビはもう理性が飛んでる。イドにキスしようとしたり、抱きつこうとしたり、やりたい放題だ。イドは彼女を静かにさせようと必死になる。でも物音は外に漏れていた。部屋を離れかけていた王妃が、その音に気づいて鋭い視線を向ける。これはまずい展開だ。
ダンビは呂律が回らない口で愚痴を言う。雨が降ったら、私は帰るんだから。それを聞いたイドがカッとなる。俺がお前を好きだから、ここに引き留めているとでも思うのか。
ダンビの返事は、衝撃的だった。少し、好き。その言葉にイドは固まる。そして叫んだ。雨が降ったら帰れ!。完全に本心じゃないくせに。
イドに突き放されたダンビは、ふらふらと彼に近づく。そして彼の膝に頭を乗せて、すうっと眠ってしまった。さっきまで怒っていたイドの表情が、ふっと和らぐ。彼は眠るダンビの顔に、キスでもするみたいにゆっくりと近づいていった。
感想:もどかしさが爆発する回
いやー、今回はすごかったな。前半のすれ違いでああもう!ってじれったい気持ちにさせられたかと思えば、後半は媚薬っていう古典的なネタで一気にかき回してきやがった。このドラマ、ベタな展開を全然古臭く感じさせないのがうまいよな。コメディとシリアスな感情がごちゃ混ぜになって、最高の化学反応を起こしてる。
特に、媚薬が効いたダンビが本音を漏らすシーン。少し、好きは反則だろ。あれを言われて動揺しない男はいない。イドがカッとなって帰れ!って言っちゃう気持ちもよくわかる。好きな子に核心を突かれて、照れと焦りでパニックになる感じ。リアルだよな。
王妃もただの悪役じゃないのがいい。彼女も孤独で、必死なんだ。でも、タイミングが悪すぎる。イドの心が完全にダンビに向いてるのが見え見えで、彼女の行動が全部空回りしてるのが切ない。
そして最後の膝枕からのキス未遂!わかってる。ドラマのお約束だってことはわかってる。でもやっぱり心臓に悪い!ドキドキさせられたよ。物理的な距離も心の距離も、この媚薬騒動で一気に縮まった。間違いなく神回の一つだ。
つづく

