第4話:頭への三撃

父の死、そして嘘の始まり

物語は衝撃的なシーンから始まる。ジョンホがアジンの父親、ソンギュをバットで殴った直後だ。ソンギュはその場で息絶える。ジョンホはパニックになってその場を去った。

普通ならここで動揺するよな。でもアジンは違った。彼女は冷静だった。ストーカーが被っていたビーニー帽を拾う。それをハサミで細かく切り刻んで、トイレに流したんだ。証拠隠滅ってやつだ。この時点で彼女の普通じゃない感じがわかる。

病院で警察に事情を聞かれたアジンは、涙ながらに訴える。ジョンホが父を殺したと。一方、警察署で取り調べを受けるジョンホ。彼はソンギュはアジンのストーカーが被っていたベージュのビーニー帽を被っていたと証言した。もちろん、アジンはそんな帽子は見ていないと完全に否定する。二人の証言は真っ向から食い違った。

アジンの巧妙な罠

ここで少し時間が巻き戻る。ジョンホがソンギュを殴った直後のことだ。彼はすぐに救急車を呼ぼうとした。それを止めたのがアジンだった。行かないでと。そして衝撃の事実を告げる。あの人、私の父親なのと。

アジンは動揺するジョンホにあなたは家に帰って。私が通報するからと言って彼を帰らせる。彼女は計算していた。通報をわざと遅らせたんだ。警察はアジンに、通報が死亡推定時刻からかなり後だったことを指摘する。アジンはショックで気絶していましたと答えた。完璧な演技だ。

さらにアジンは、刑事たちが話しているのを盗み聞きする。彼らは野球選手として復帰間近のジョンホのスキャンダルを避けたがっていた。アジンに罪を着せて、ジョンホを助けようという会話だった。アジンは黙っていない。担当刑事がジョンホの事務所関係者から賄賂を受け取る瞬間を、スマホで写真に収めた。これで交渉のカードを手に入れたわけだ。

追い詰められたアジン、現れた救世主

だけど、刑事も黙っちゃいない。アジンの家を捜索し、トイレからビーニー帽の繊維を発見する。アジンは父親殺しの容疑者として警察署に連行された。刑事は彼女にビーニーの証拠を突きつける。さらに、ソンギュの頭にはジョンホが殴った一撃以外に、もう二つの打撃痕があったことを告げた。

追い詰められたアジン。でも彼女は諦めない。女性警官と二人きりになるチャンスを作り、自分のスマホに入っている録音データを確認してほしいと頼む。そこには、刑事たちがアジンに罪をなすりつけようとしていた会話がバッチリ録音されていた。

この件は内部調査にまで発展する。だけど、決定的な証拠不十分で刑事はお咎めなし。むしろ、担当刑事は完全に逆上した。絶対にアジンを犯人にしてやると決意を固める。まさに絶体絶命。そんな彼女の元に、ロングスター・エンターテインメントのミリと名乗る女性が訪れる。助けてあげると。もちろん、タダじゃない。

その頃、警察はストーカーの捜査を進めていた。コンビニの防犯カメラに、アジンとそのストーカー、ジュンソが一緒にいる映像が映っていた。

隠された真実とジュンソの犠牲

事態が急展開する。ジュンソが警察に出頭したんだ。彼は自分がアジンをストーキングしていたことを認める。そして、俺がソンギュを殺したと自白した。ソンギュがアジンにとってどれだけひどい父親だったかを知っていたから、殺意があったと話す。

ジュンソの供述はこうだ。ソンギュの泊まるモーテルに行き、睡眠薬で眠らせて始末するつもりだった。でも彼はいなかった。だからアジンの家へ向かった。そこには気絶しているアジンと、ソンギュがいた。バットでソンギュを殴り殺したのは自分だと。この自白で、アジンは釈放される。

でも、本当の真実はもっと複雑だった。アジンはビーニー帽をトイレに流した後、死んだはずのソンギュが話しかけてくる幻覚を見た。その恐怖から、彼女はバットを手に取り、父親の頭をもう一度殴ったんだ。これが二撃目だ。

そこにジュンソがやって来た。彼は死んでいるソンギュを見て衝撃を受ける。トイレに詰まったビーニーの切れ端を見つけ、アジンがやったと察した。彼はアジンを守るために行動を開始する。ビーニーの切れ端をゴミ袋に入れて捨てた。バットからアジンの指紋を拭き取った。そして、自分がやったと見せかけるために、もう一度ソンギュの頭をバットで殴った。これが三撃目。最後に、アリバイ工作のためにソンギュのモーテルへ行き、睡眠薬を部屋に置いた。すべてはアジンを庇うための行動だった。

まさかの結末と黒幕の正体

警察は、ジュンソがモーテルに行ったのがアジンの家に行った後だと突き止める。彼の嘘はバレかけていた。

もうダメかと思った、その時だ。突然、刑事がジョンホを殺人容疑で逮捕した。ジュンソとアジンは完全に容疑者リストから外れる。無罪放免だ。

この大逆転劇、全部仕組んだやつがいた。芸能事務所のミリだ。アジンがミリの事務所と契約することに同意した見返りだった。ミリは自分の力で警察を動かし、ジョンホを犯人に仕立て上げたんだ。

ミリはアジンに一つの条件を出す。ジュンソとは二度と会わないでと。アジンを大スターにするつもりだが、成功した時にこの事件が掘り起こされるのを恐れた。ジュンソという存在がリスクだと判断したわけだ。後日、この事件の捜査資料一式がミリの元に送られ、彼女はそれを金庫にしまった。

別れ、そして新たな道へ

アジンはミリの条件を受け入れた。でも、最後にジュンソに会いに行く。ジュンソはアジンの本性を見抜いていた。君はジョンホを操った。いつか罪を償うことになると彼女を責める。それでも、俺は君のそばにいると訴えた。

アジンは冷たく言い放つ。もう二度と会わない。そして、彼の元を去った。

時は流れ、アジンは誰もが知る大女優として成功を収める。ラストシーン。刑務所の中、一人の男がテレビで彼女の映画を観ている。その男は、ジョンホだった。

第4話の感想:ゾッとするアジンの本性

いやもう、今回はアジンの恐ろしさが際立つ回だったな。父親が死んだ直後に証拠隠滅とか、正気の沙汰じゃない。ジョンホを平気で切り捨てて、刑事の不正をネタに交渉して、ジュンソの純情すら利用する。彼女の行動には一切の迷いがない。その冷静さが逆にゾッとする。ジュンソの献身も、ここまでくると痛々しいよ。彼はアジンを救ったつもりだろうけど、結局は彼女の描いたシナリオの上で踊らされてるだけだ。そして新キャラのミリ。彼女の登場で、このドラマはただのサスペンスじゃなくて、芸能界の闇まで描く壮大な物語になってきた。それにしても、一番の被害者はジョンホだよな。恋人に裏切られ、父親殺しの濡れ衣を着せられ、野球選手としての未来も絶たれた。最後の刑務所のシーンは、あまりにも皮肉が効いてて言葉が出なかったぜ。

つづく