悲劇の始まり:2019年の夏

物語は過去の回想から幕を開けます。2019年の夏、タイの難民キャンプで働いていたモ・ウン(カン・ソヘ)。彼女は仕事の後、妹のソマンと電話で話していました。ソマンは新しい友達としてヒヨンを紹介してくれます。

しかし、世界はコロナ禍に見舞われます。ソヘたちの仕事は激務となり、ソマンからのメッセージにも返信できない日々が続きました。そんな中、ソヘ自身も体調を崩し、隔離されてしまいます。

届かなかった想いと絶望

隔離から目覚めたソヘが目にしたのは、スマホに溜まった大量の未読通知でした。そこには、妹と父親の訃報を知らせるメッセージと動画が残されていたのです。

ソヘの心は完全に壊れてしまいました。しかし、コロナによる移動制限のため、帰国することすら許されません。絶望した彼女は自らを傷つけ暴れますが、友人が必死に止めに入ります。この過去のエピソードは、見ていて胸が締め付けられるほど辛いものでした。

刑務所での緊急事態

時は現在に戻ります。刑務所内でヒヨンが自殺を図りました。看守たちが駆けつけますが、彼女は足に重傷を負ってしまいます。動脈が破裂し出血が止まらず、刑務所の医師の手には負えない状況です。

ここでオム刑務官は、モ・ウンに処置を許可します。モ・ウンの適切な応急処置により、ヒヨンの容体は一旦安定しました。しかし、そのまま放置はできません。処置を行ったモ・ウンも同行する形で、ヒヨンは外部の病院へ搬送されることになります。

迫る警察とユンスの潜伏

一方、警察はユンスの自宅に押し寄せていました。ドンフン刑事とファン刑事は、部屋の様子からユンスが誰かと揉み合ったことに気づきます。さらに、セフン殺害未遂の夜に使われたナイフやカメラ、衣服などの証拠品も発見されました。

ドンフンは捜査の手を緩めず、弁護士ジョングのオフィスも捜索します。その最中、ジョングにユンスから電話がかかってきました。モ・ウンと話して、彼女の助けを得てほしいそう頼むユンスの声を聞いたドンフンは、彼女が近くにいると直感します。すぐに捜索が始まりますが、ユンスは巧みに逃げおおせました。

病院での再会と密談

病院に到着したヨンインは、モ・ウンと二人きりで話をします。彼女の正体が世間に知れ渡った今、なぜ最初から真実を話さなかったのかと問いただします。そして、ユンスからの伝言を伝えました。それに対しモ・ウンは彼女は誤解しているとだけ答えます。

シャワー室での極秘接触

その後、モ・ウンはシャワーを浴びたいと申し出ます。実は、彼女はユンスがシャワー室に忍び込む姿を目撃していたのです。シャワー室の中で、ユンスはモ・ウンの代わりに食事をしていました。

ユンスは単刀直入に尋ねます。セフンを殺した真犯人は誰?モ・ウンは自分に送られてきた写真について説明しますが、送り主の正体までは分からないと認めました。ユンスは気をつけてと言い残し、その場を去ります。

衝撃のラスト:逃走と襲撃

シャワー室から出たモ・ウンは、意を決して逃走を図ります。看守たちが彼女を追いかける隙に、ユンスは患者の服を着て病院から脱出しました。

長い捜索の末、オム刑務官がモ・ウンを発見し、手錠をかけようとします。その瞬間、何者かがオム刑務官を殴り倒しました。現れたのは、あの恐ろしいコ氏です。

モ・ウンは必死に抵抗しますが、コ氏は容赦ありません。揉み合いの末、コ氏はハサミでモ・ウンを刺してしまいます。あまりの衝撃的な展開に、思わず声を上げてしまいました。

場面は変わり、女性が助けを求める緊急通報の音声が流れます。そして最後は、コ氏の自宅周辺を隠密に行動するユンスの姿で幕を閉じました。

第9話の感想

モ・ウンの過去があまりにも壮絶で、冒頭から涙なしでは見られませんでした。コロナ禍で家族の死に目に会えない無念さは、想像を絶します。そして病院での逃走劇!ユンスとモ・ウンの連携プレーかと思いきや、まさかコ氏が現れるとは。ハサミで刺されたモ・ウンの安否が心配でなりません。ユンスが単身で敵のアジトに近づいているのもハラハラしますね。

つづく