あらすじ

行方不明になった父親を探すため、寨主の于登登(ユー・ドンドン)は危険な道のりと知りながらも鶯都へ向かう旅に出ます。しかし、その道中では不思議なことばかり。待ち伏せしていたはずの敵になぜか歓迎され、お金に困れば思わぬ臨時収入が舞い込みます。あまりの幸運の連続に、登登は次第に違和感を覚え始めます。果たして彼女は無事に父親を見つけ出すことができるのでしょうか。その旅の裏に隠された秘密とは…。

ネタバレ

歯の痛みに苦しむ于登登(ユー・ドンドン)を心配し、こっそり薬を届けに来た陸炎(ルー・イエン)。しかし、彼を意識するあまり、登登は素っ気ない態度で部屋にこもってしまいます。翌朝、戸口に置かれた薬瓶を見つけ、昨夜の陸炎(ルー・イエン)の優しさに気づく登登。その優しさを仲間にもおすそ分けとばかりに、薬を寨の弟たちに分け与えるのでした。

そんな中、登登に衝撃的な知らせが舞い込みます。博打好きの父親が半月も前から行方不明だというのです。ただ事ではないと察した登登は、父の行方を追って鶯都(いんと)へ向かうことを決意します。

しかし、鶯都への道中には、霊族だけが行き来できる異空間「詭市」が存在し、人間にとっては危険な場所。心配した陸炎は、登登の旅の安全を確保するため、先回りして彼女の旅路を完璧に警護し始めます。

まず手始めに、以前から青泉寨に恨みを抱き、登登一行を待ち伏せしていた炎火寨をこっそり制圧。何も知らない登登たちが通りかかると、襲いかかってくるはずの敵がなぜか満面の笑みで大歓迎!これには、道中合流した許嫁(いいなずけ)の顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)も首をかしげます。

一行が千河鎮に着くと、今度はお金に困っていたところ、偶然にも街一番の豪華な宿に格安で泊まれることに。部屋には登登の大好物である糍粑(もち菓子)まで用意されており、彼女はふと陸炎のことを思い出します。さらに、縁日の輪投げゲームでは面白いように景品が手に入り、あっという間に旅の資金問題も解決。

実はこれらすべて、陸炎が陰で手配した「おもてなし」だったのです。登登が楽しそうに輪投げをする姿を、陸炎は物陰から愛おしそうに見つめているのでした。

帰り道、スリに遭遇するも、これも陸炎の助けであっさり捕まえます。しかし、そのスリはなんと霊族で、「陸炎将軍に頼まれてお金を届けに来ただけだ」と白状します。これまでの幸運がすべて陸炎の仕業だったと気づく登登。彼との関わりを断ちたい彼女ですが、スリに「任務を失敗すれば一族の命が危ない」と泣きつかれ、板挟みになってしまうのでした。

『請君~遥かなる恋人たち~』第10話の感想

今回のエピソードは、陸炎の不器用ながらも深い愛情が存分に描かれた回でした。登登の身に危険が及ばぬよう、彼女の旅の障害を先回りしてすべて取り除いていく姿は、まさに「守り人」。しかし、そのやり方がどこまでもスマートで、相手に気づかせないところが彼の魅力です。何も知らずに「ラッキー!」と無邪気に喜ぶ登登と、その姿を陰から満足げに見つめる陸炎。この二人の温度差が、物語に温かいおかしみを与えていました。彼の想いが少しずつ登登に伝わり始めるもどかしさが、今後の二人の関係をどう変えていくのか、非常に興味をそそられます。

つづく