あらすじ

行方不明だった于登登(ユー・ドンドン)の父・于瘫子(ユー・タンズ)が、ついに青泉寨へ戻ってきた。彼は、自らが追っていた霊族の連続失踪事件の驚くべき真相を語り始める。その告白から得た「長楽酒館」という手がかりを元に、陸炎(ルー・イエン)と登登は事件の黒幕を突き止めるため、危険な詭市での潜入捜査に乗り出す。そこで二人は、事件の鍵を握る新たな人物と接触するが、その背後には巨大な陰謀が渦巻いていた。一方、登登は自身の出生に関する、これまで知らなかった重大な事実を父の口から聞かされることになる。

ネタバレ

いやあ、今回の19話は情報量が多かったですね!ずっと謎だった于登登(ユー・ドンドン)のお父さん、于瘫子(ユー・タンズ)の失踪の真相が、ついに本人の口から語られました。まさか彼が、人知れず霊族の連続失踪事件を追っていたなんて…。

事の発端は3ヶ月前。ある霊族から仲間が消えたと相談を受けた于瘫子。最初は軽く考えていたものの、詭市(きし)や鶯都(おうと)で失踪者が増え続け、ついには霊虫に食い尽くされた霊族の遺体を発見してしまいます。その霊族が死の間際に残した「長楽酒館」という言葉。それが、すべての始まりでした。

于瘫子、ただ者じゃありません。自ら大口の買い手を装って酒館に潜入し、黒幕に繋がる上役を突き止めようと張り込んでいたのです。しかし、怪しい人物を追って酒館に入ったところで何者かに襲われ、気絶させられてしまったとのこと。犯人の手がかりは「長いコートを着ていた」ということだけ。

一方、陸炎(ルー・イエン)は酒館の帳簿から、売人が一人ではないと看破。提灯が取引の合図だと推理し、登登と共に今夜、詭市へ乗り込むことを決意します。

そして、出発前には感動のシーンが待っていました。登登が于瘫子に、自分が本当に霊族なのか、本当の娘なのかを問い詰める場面です。涙ながらに真実を語る于瘫子。そう、彼は登登の正体を知りながらも、ずっと実の娘として愛し続けてきたのです。固く抱き合う親子の姿には、思わず目頭が熱くなりました。

さて、舞台は再び長楽酒館へ。陸炎(ルー・イエン)と登登、そして阿鑫(アーシン)の3人で、合図の提灯が掛かるのを待ちます。この潜入捜査中、陸炎(ルー・イエン)と登登の息の合ったやり取りが最高でしたね!まるで合わせ鏡のように同じ動きをする二人に、阿鑫(アーシン)が思わず吹き出すシーンは、緊張感の中のいい清涼剤になっていました。

閉店間際、ついに提灯が!現れたのは、小さな子供でした。子供が酒館に箱を届け、代金を受け取って去っていくのを確認した三人は、すぐさま後を追います。たどり着いたのは一軒の薬屋。しかし、彼らが倉庫に踏み込もうとした瞬間、火の手が上がります。陸炎たちはなんとか犯人を捕らえ、白府へ連行。

ところが、運悪くその日は白局長(はくきょくちょう)の息子の誕生日パーティーの真っ最中。取り合ってもらえないと悟った陸炎と登登は、自ら尋問を開始します。登登のあの手この手の尋問術(笑)と、陸炎が火事の前にちゃっかり確保していた霊虫の箱という決定的な証拠を前に、犯人はついに白状しました。

黒幕の名は「虫王」。取引の際は常に顔を隠すため風衣をまとい、歩くと奇妙な音がするのだとか。そして最も恐ろしいのは、一度霊虫を口にすると、この虫王に完全に操られてしまうという事実。事件の背後にある、とてつもなく大きな闇が垣間見えた瞬間でした。

事件解決の糸口を掴み、于瘫子と呂二(リュー・アル)に報告する登登。家族の再会を喜びますが、ここでまさかの展開が!于瘫子は、娘の隣にいる陸炎を見るや否や顔色を変え、「そいつとは離縁しろ!」と怒鳴りつけるのでした。うーん、お父さん、陸炎の正体を知ったらどうなっちゃうんでしょうか。一難去ってまた一難、ですね!

『請君~遥かなる恋人たち~』第19話の感想

今回は、物語の縦軸が一気に進んだ印象的な回でした。これまで断片的にしか語られなかった霊族の失踪事件と、登登の出生の秘密という二つの大きな謎が、于瘫子の帰還によって繋がり、その輪郭を現し始めました。特に、于瘫子が登登を想う父親としての深い愛情を涙ながらに語る場面は、本作のテーマである種族を超えた愛を象徴しており、心に強く残りました。一方で、陸炎と登登が潜入捜査で見せる息の合ったコンビネーションは、二人の絆が着実に深まっていることを感じさせ、微笑ましく思えました。新たな敵「虫王」という不気味な存在が明らかになり、物語に新たな緊張感がもたらされた点も見事です。シリアスな謎解きと、心温まる親子の情、そして軽快な二人のやり取りが巧みに織り交ぜられ、物語への没入感を一層深めてくれました。

つづく