あらすじ
霊虫に蝕まれた父を救えず、自分の無力さに打ちひしがれる于登登(ユー・ドンドン)。そんな彼女を陸炎(ルー・イエン)は優しく支え、二人の絆はより一層深まっていきます。一方、陸炎(ルー・イエン)たちは虫王の正体と目的に関する重要な手がかりを発見します。しかし、街では霊族の第五夫人を巡る悲劇的な事件が発生。その影響は瞬く間に広がり、鶯都全体を巻き込む大きな混乱へと発展していきます。個人の想いと種族の存亡が交錯し、物語は新たな局面を迎えるのでした。
ネタバレ
自分の無力さに涙する登登、陸炎(ルー・イエン)の温かい抱擁
父・于瘫子(ユー・タンズ)を救うため、必死に元能を注ぎ込む于登登(ユー・ドンドン)。でも、どんなに頑張っても体内の霊虫はびくともせず、父は意識が戻らないまま…。他の人は救えたのに、なぜ一番大切な父を救えないのか。いつもは怖いもの知らずで、持ち前のハッタリと度胸で乗り切ってきた登登ですが、この時ばかりは自分の無力さに打ちのめされてしまいます。
夜、一人で部屋にうずくまり、涙する登登。彼女の脳裏に浮かぶのは、幼い頃の思い出。雪の夜に高熱を出した自分を、父と呂二(リュー・アル)が必死で看病してくれたこと。薬を探しに行った父が足を怪我してまで尽くしてくれたこと…。「困難は一つ一つ乗り越え、道は一歩一歩進むものだ」という父の言葉を思い出し、登登は「絶対に父さんを助ける」と心に誓います。
そこへ現れたのが、我らが陸炎(ルー・イエン)。涙を隠そうとする健気な登登に、「俺の前で強がるな」と優しい言葉をかけます。ついに堪えきれなくなった登登は、陸炎(ルー・イエン)に抱きついてもいいかと尋ねます。陸炎は言葉の代わりに、そっと彼女を腕の中に引き寄せました。
父を失うかもしれない恐怖、何もできない自分への不甲斐なさ。すべての感情を吐き出す登登を、陸炎はただ静かに、でも力強く抱きしめ、「ずっとそばにいる」と約束するのでした。このシーン、胸が締め付けられましたね…。
虫王の正体と目的、そして新たな悲劇の幕開け
陸炎は山の下で邵記者の日記を発見していました。その内容から、邵記者は完全な虫王ではなく、何者かに操られているのではないかと推測します。日記が1ヶ月前で途切れていることに気づいた登登と陸炎は、虫王の真の目的が「元能」であるという結論にたどり着きます。
一方、陸炎から元能を分けてもらい、一時的に人の姿に戻った第五夫人。彼女は白局長(はくきょくちょう)に別れを告げますが、その矢先、悲劇が起こります。ウェイターが運んできた料理にニンニクが仕込まれていたのです。ニンニクに触れた第五夫人は霊族の正体を現してしまい、その場にいた記者たちに囲まれてしまいます。パニックの中、白局長(はくきょくちょう)は彼女を必死に逃がすのでした。
白十七(バイ・シーチー) に助けられた第五夫人は、同じく親を警察に連れていかれた霊族の子供と出会います。陸炎がその子の家を調べると、両親は虫王によって殺されていたことが判明。
この事件をきっかけに、鶯都の街は「ニンニクを使えば霊族を見つけ出せる」という情報で大混乱に陥ります。立場が危うくなった白局長は、自らの潔白を証明するため、捕らえた霊族を全員処刑するという非情な決断を下すのです。この恐ろしい知らせを、白十七(バイ・シーチー) が陸炎たちに伝えに来たところで、21話は幕を閉じます。
『請君~遥かなる恋人たち~』第21話の感想
今回は、登場人物それぞれの苦悩が深く描かれた、非常に見ごたえのある回でした。特に、いつも気丈な登登が初めて見せた涙と弱さに、心を揺さぶられました。そんな彼女を молчаливо支える陸炎の優しさは、まさに三千年の時を超えた愛の深さを感じさせます。二人の心の距離がぐっと縮まった抱擁シーンは、本作屈指の名場面と言えるでしょう。
一方で、第五夫人と白局長の悲恋には胸が痛みました。幸せになれないとわかっていながらも惹かれ合う二人が、あまりにも残酷な形で引き裂かれるとは…。この事件がきっかけで、物語は個人の恋愛模様から、霊族全体を巻き込む大きなうねりへと発展しました。白局長の苦渋の決断が、今後どのような波乱を呼ぶのか。物語の緊張感が一気に高まり、目が離せない展開となってきました。
つづく